ミツメイ・ミッション -ニンジャスレイヤーRPGプラグイン-

「……」ガーランドはザンシンを解く。彼の動きを見とがめたニンジャは今の二人のみ。彼以外のソウカイ・シンジケートのニンジャが街区で派手に暴れているからだ。言い換えれば、ラオモト・チバがくだした命令は極めて非情。ガーランドのミッションの達成の為に他の者達が囮となるという事だ。
　しかもヴァニティら他のシックスゲイツは、その事すら知らされていない。真の目的は伏せられたまま、ただ漠然とした、落としどころのわからぬミッション……過冬に因縁をつけ、アラスカの街を荒らす、そんな汚れ仕事を引き受ける格好だ。否、汚れ仕事はこちらか。ガーランドは淡々と思考を巡らす。　
　だがそれでも彼らはラオモト・チバを疑ったり、その忠誠を曇らせはしないだろう。それがソウカイ・シンジケートの在り方であり、ラオモト・チバはその信頼に応えるオヤブンである。いまだ未熟なインシネレイトは、ともすれば不平の一つ二つでも言うであろうが……。
　そして実際、彼ガーランドがラオモト・チバから直々に受けたミッションは、それほどまでに慎重に取り扱わねばならぬ問題であった。現在のシックスゲイツで最も古参であるガーランド以外に、この役目を果たせるニンジャはいない。特にヴァニティは幾つかの理由でこの真相へのアクセスには不適格だ。

ニンジャスレイヤー【ベリアル・アンダーカバー】より引用

はじめに

このプラグインは、PCに密命を与え、その遂行を目指してもらうための拡張ルールである。
上記のガーランドのように、その腕を見込まれたニンジャには他の仲間には明かすことのできない「ミツメイ」が下されることもあるだろう。
そうした他プレイヤーには明かせない、自分だけが意識して遂行するミッションを与えることで、PCの行動原理に変化を与えよう、というのがこのルールの趣旨である。
ルールの内容については常に改変して利用しても良い。また利用することに許可は不要だ。自由に使ってほしい。
必須ではないが、このルールを改変した拡張プラグインをnoteなどに公開する場合は、この記事の引用、またはリンクの掲載をしていただけると幸いである。

ルール

NMは以下の「ミツメイ・ミッション表」を使用する。

ミツメイ・ミッション表

NMは自身が行うシナリオで上記のミッション表が使用可能と認めた時に、このプラグインを使用するといいだろう。
（ある程度敵の数がおり、カルマ：善のNPCも複数あるのが理想的だ）

・NMは各プレイヤーごとに「ミツメイ」を決める。
　D6を３回振り、出た目に応じて「A：対象」、「B：攻撃方法」、「C：結果」を定める。「C：結果」で出目５～６が出た場合は振り直す。
　報酬は３つの出目の掛け算分の万札となる。
・NMは他プレイヤーにバレない手段でこっそりと「ミツメイ」を教える。
　Discordであれば直接メッセージでやりとりすることなどが可能だ。
・「ミツメイ」を受け取ったプレイヤーはその内容を他プレイヤーにバラしてはならない。
　バラした場合、少なくともそのセッションにおいてはミツメイは強制的に失敗となる。必要に応じてNMは何らかのペナルティを追加しても良い。
　ただし、味方PCを対象としたミツメイの場合は、味方PCに攻撃を開始した（味方PCを目標に攻撃用のダイスロールを行った）時点で内容をバラしてもよい。
・「ミツメイ」を達成できなかった場合についてのペナルティはここでは設けない。
　ただし、NMが必要と感じる場合は「ミツメイ」失敗時のペナルティを追加しても良い。
・報酬はミツメイを達成した状態でセッションが終了した時点で振り込まれる。
・ミツメイ選択時の出目に６があった場合、１つにつきNMから与えられる休暇の数が＋１される。デフォルトのミツメイ表だと最大＋２される。

例：NMのジンガーはこのプラグインを使い、PLのボブとエミリーに「ミツメイ」を与えることにした。ボブに対しては出目が「６，２，４」だったので、『味方PC1体を遠隔攻撃で殺害せよ！』というミッションになった。エミリーには「３、５、２」だったので、『カルマ：善１体にサツバツorヒサツ・ワザで１ダメージを与えよ！』となった。エミリーはDKKを大量に入手し、ニンジャスレイヤーが出る可能性すらあるが、それでも成功すれば万札３０は手に入る。そしてボブはエミリーを殺せば万札４８が手に入る。どのように行動するか、ボブもエミリーも悩むことだろう…。