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アンチエイジング

いま50歳。
40歳過ぎたころ、右手の甲にシミが出た。
それを見た時は「運転手の職業病」と軽く考えていた。
右ハンドル車は右手側の窓からも強い光を浴びてしまい、窓に近い右手の甲は常に日焼けしている。
シミは増えていった。
反対の左手の甲はシミひとつ無い。
アンバランスだ。

日焼けしないよう白手と呼ばれる運転手用の手袋を着けるようにした。
しかし手遅れだった。
長い年月を掛けてジリジリと灼かれた右手の甲は、新たな日焼けはしないものの、蓄積された日焼けは徐々にシミとなって表れた。
気付けば右の頬にもシミが出来ていた。
両の手の甲を見比べてみると、右手の方が明らかに肌のキメが荒くなっていた。

シミが出来てしまってから日焼け止めなど使う意味が無い。
使ったのは美白化粧水とシミを消すと謳う塗り薬。
効果は得られなかった。
「効果には個人差があります」の但し書きの通り、コレは個人差なのだろう。
とても残念だ。

何十年と運転手として働いて来た証と言えば聞こえは良い。
しかしそれは他人が言う言葉であり、申し訳ないが1ミリも慰めにはならないのだ。

歳を取る事は誰も止められない。
しかし何もせずに汚く老けて行ってしまうのが怖かった。

肌について自分なりに勉強してみた。
人間の肌は概ね23日周期で新しい細胞に代わってゆく、ターンオーバーという活動がある。
肌の奥に出来てしまったシミの元となる沈着色素も、この周期で肌表面に表れるらしい。
無闇矢鱈と化粧水だのシミ消しの薬を使ってもダメだったのは、このターンオーバーを知らなかったからだと思った。
そこでピーリング石鹸を使い、ターンオーバーの周期を自分でコントロールする事にした。
強制的に一皮剥いてしまい、その日から23日間を集中ケアの期間とした。

強い太陽光線に灼かれた肌表面は赤くなり、軽い火傷の様な状態。
そしてシミの元となるメラニンが肌の奥底で生成され、23日後にコンニチワするわけだ。
シミ消しの薬を使うのは、肌が光線に灼かれたその日から塗り始め、23日の間に薬でメラニンをやっつけておく。

化粧水はジャブジャブ使う。
いわゆる基礎化粧水と呼ばれる物を毎日毎日、花に水をやるが如く肌に撒いておく。
これは続けてると明らかに効果がある。
歳の割に顔や手にシワが少ないのは毎日の水やりのおかげだ。

街を歩く時も日影を選んで通るようにした。
帽子も積極的に被る。

シミだらけシワだらけにならぬよう、オッサンの悪あがきはどこまでも続くだろう。

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