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ゲームシナリオ 『VI部☆』

■おおまかなストーリー


イベント終わりに打ち上げもかねて遊びに行く約束をする4人の女子高生。

後日、部室で悩む桔梗。恵美がどうしたのか尋ねると出かける場所を探していたと答える。
それから全員で思い思い自分の行きたい場所を上げていく。と、そこで桔梗がスマホで音楽ミュージアムのHPを見つける。
最初は遠慮していたAだが、皆に後押しされて行くことに。

■キャラ

・浅井 桔梗〈キョン〉
真面目でよく周りを見ている。楽器と音楽機材マニア。
両親がミュージシャンのため幼い頃から楽器を触ることが好きだった。
そのため音楽に精通しており、部活では音楽や演出を担当

・柏木 玲〈レイ〉
冷静で周りをよく見てる。脚本や、作曲担当。
感情が乏しく、周囲になじめないときにあるアイドルの歌を聴いて、その歌詞に心を動かされ自分でも曲を作る。自己表現は言葉よりも文字でする方が得意。

・福原 恵美〈エミ〉
天真爛漫。屈託なく誰にでも優しい
いつも明るく元気。Vアイドル部の中の人担当。

・宮倉 環〈タマちゃん〉
頑張り屋。どんなことでも、ひるまずに進む。部活ではイラスト担当
体が小さく病気がちだったため、VIに憧れていた。絵を書き、モーションキャプチャーなど一通り勉強をしていた。
しかし、激しい運動はいまだに禁止されているためアイドルを断念。
桔梗に誘われ、VI部に入部する

■世界観と設定

〈世界観〉
バーチャル活動が市民権を得た世界。
今の世界よりもやや近未来。
バーチャルシステムが普及し、街もバーチャル化が進んでいる。
〈設定〉
【VI】……バーチャルアイドルの略。
【VI部】……桔梗が作ったVI活動する部活。徐々に人気が出てきており、企業勢と一緒にイベントへ参加することも増えている。

〈▼本文〉

//背景:VI部_部室・昼

 【桔梗】
 「みんな。今度どこか遊びにいかない?」

 【恵美】
 「キョンが誘うなんて珍しいじゃん。
  もちろんアタシはオッケーだよ!」

 【桔梗】
 「ありがと、エミ」

 【桔梗】
 「最近はイベントで忙しかったから、
  だから少し空いた今のうちに遊んでおこうと思って」

 【玲】
 「いいんじゃないかい。
  そういうことならボクも賛成だよ」

 【環】
 「わたしも賛成で~す!」

 【桔梗】
 「レイもタマもありがとね」

 【環】
  「いや~、しかし本当に最近は忙しいですね。
  半年前なんて、スケジュールすきすきでしたのに」

 【桔梗】
 「それだけあたし達の部活が人に認められたってことだよ」

 【環】10
 「ふふ、それもそうですね」

 【恵美】
 「なーんだか、まだ信じられないよね~。
  自分がVI〈バーチャルアイドル〉の中の人として活動するなんてさ」

 【玲】
 「そうだね。ボクも自分がVIの歌詞や脚本を書くとは
  思ってもみなかったよ」

 【環】
 「わたしも、自分が書いた絵が動いてアイドルになるなんて
  想像すらしてなかったです!」

 【恵美】
 「最初に誘われた時は本当にビックリしたよね。
  初対面で急に“私と一緒にアイドルを作ってください!”って
  キョンに言われてさ」

 【桔梗】
 「うっ。し、しょうがないじゃない。
 だって、直接言う方法以外わからないし……」

 【桔梗】
 「VI部を作って活動したかったから、あの時は本当に必死で……。
 音楽を作ることしか私にはできないから、
 絶対にあなた達を引き入れなきゃって、思ったから、その……」

 【恵美】
 「あはは、まあキョンは真面目だからね。
 いいんじゃないの、それで」

 【桔梗】
 「むぅ……」

 【玲】
 「ところで、そろそろ遊ぶ日程を決めた方がいいんじゃないかい?」

 【桔梗】20
 「あっ、それもそうだね。それじゃあ、遊ぶ日は……」

 // フェードアウト
 //テロップ:翌日

 // 背景:VI部_部室・昼

 【桔梗】
 「うーん……」

 //SE:扉が開く音(ガラガラ)

 【桔梗】
 「あ、みんな……」

 【恵美】
 「あれ? キョン、今日は随分と早いじゃん。
 スマホで調べ物でもしてたの?
 ……って、すっごい難しい顔してるけど大丈夫!?」

 【桔梗】
 「実は……」

 ×  ×  ×

 【恵美】
 「なるほどね。
 キョンはみんなが楽しめる遊び場を探してくれてたんだ」

 【桔梗】
 「うん……。一日全部遊べる日は久しぶりだし、
 せっかくだから行ったことない場所を、って思って」

 【桔梗】
 「でも、どこも前に行った所と似てて、
 それで私、どうすればいいか悩んでて……」

 【玲】
 「はは、皆のことを考えてるキョンらしい悩みだね」

 【玲】
 「たしかにキョンの言う通り、VI部も前より忙しくなってきた。
 遊べる機会を一つでも大切にしておきたいのはボクも同感だよ」

 【恵美】30
 「うんうん! それに四人で遊ぶのは久しぶりだし、
 せっかくだから特別なこと、したいよね♪」

 【環】
 「わたしたちも遊ぶ場所、一緒に探します!」

 【桔梗】
 「みんな……」

 【恵美】
 「っていうか、一人で探すなんて水臭くない?
 キョンってば、前にもこんなことなかったっけ」

 【玲】
 「ああ、水族館に行った時のことだろう?
 エミが見たかったショーの場所が分からなくて困ってた時、
 キョンが“私が探す!”って急に一人で行ってしまって、」

 【環】
 「それでそのまま、迷子になっちゃったんですよね」

 【恵美】
 「あはは、あの時はホントにビックリしたよね!」

 【桔梗】
 「うぅ……三人とも、そのことはもういいでしょ?」

 【桔梗】
 「というか……探してて思ったんだけど、
 私たち、もうほとんどの場所に行っちゃったんだよね。
 だから、余計に探すのが難しくて」

 【玲】
 「ああ。たしかに、それもあるね。
 ……部活が始まった頃、毎週のように遊んでいたのを思い出すよ」

 【恵美】40
 「水族館、遊園地、カフェ、スイーツ屋さん、カラオケに映画館。
 あとは他にもいろいろ行ったよね」

 【環】
 「うーん、でもそれだったら
 やっぱり探すのは難しそうですね……」

 【四人】
 『う~ん……』

 【桔梗】
 「っ! これって……」

 【恵美】
 「お? なんか良いとこ見つけた? キョン」

 【桔梗】
 「あ……いや、ちょっとね。
 少しだけ気になったっていうか、その」

 【恵美】
 「ほーん、どれどれ?
 ……ん? 機材ミュージアム?」 
 【環】
 「あっ、たしかキョンが好きそうなイベントですね!
 でもこれって、具体的にはどんな展示なんですか?」

 【恵美】
 「ミュージアムっていうくらいだから、
 昔のなんか凄い楽器とかあるんじゃないの?」


 //“この展示では”以降の表記速度を少し早くしてください。
 【桔梗】
 「ふっふっふ……甘いよ、エミ。
 この展示では今の最先端の機材や楽器から過去に作られた、
 ありとあらゆる歴史を垣間見ることができる凄いものなんだ!」

 【桔梗】50
 「老舗音楽メーカー【YAMATO】の黎明期に生まれた斬新な
 楽器や、世に出ることさえなかったまさに幻の機材の数々が
 ここでは見ることが……って、ごめん。急に語り出しちゃって」

 【環】
 「ふふ。本当にキョンは楽器が好きなんですね。
 じゃあ次の遊ぶ日はここに決定でいいんじゃないですか?」

 【桔梗】
 「え!? でもそれはさすがに……
 私の趣味に皆まで巻き込むのは」

 【恵美】
 「あははは! いーじゃん、巻き込んで!」

 【桔梗】
 「へ?」

 【玲】
 「うん、そうだね。キョンは普段から
 ボクたちのことを自分より気にしてくれている。
 だから、たまには自分のことを優先してもいいんじゃない?」

 【環】
 「そうですよ! 
 キョンが楽しそうならわたしたちも楽しいですし」

 【恵美】
 「ま、そーゆうこと。
 ていうか普通に楽しそうじゃん!
 キョンの解説聞きながら、巡るのも」

【桔梗】
「みんな……ありがと!」

【桔梗】
「それじゃあ私、その日は全力で解説するね!」

【恵美】10
「うん、楽しみにしてるね!」

【恵美】
「あ、でも……」

【桔梗】
「うん? どうかしたの?」

【恵美】
「次は迷子にならないように、気を付けてね? キョン♪」

【桔梗】
「もう……」

【四人】
『あははは!』

〈完〉


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