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食べたい気持ちを叶える

加齢による身体機能の低下は、食事にも影響してきます。

・飲み込む力が弱くなる(むせやすくなる)

・嚙む力が衰える

・味覚が衰える

・唾液の分泌量が減少する

・消化吸収能力が減少する

この中で「噛む力が衰える」について。

食べたい気持ちがあるのに、上手に噛むことが出来ずに諦めてしまう高齢者がいらっしゃいます。以前受け持った方も「食べたいものがあるけど噛めないんだよ」と悲しそうな表情を浮かべて話されていました。

食べたくないのに無理に食べなくてはならないのも辛いですが、食べたいのに食べられないのも辛いですね。義歯で噛めないからと出される食事が刻み食だったり、飲み込む力も弱くなるとミキサーで撹拌したペースト状のものだったり、「何を食べているのかわからない」と食欲もなくしている方もいらっしゃいました。入院中の患者さんには申し訳なかったですが、看護師一人の力ではどうにもなりませんでした。

母は食欲もありある程度食べられる方ですが、少し硬めの肉や繊維質の多い野菜はなかなか噛み切ることができません。それでも食べたい気持ちを出来るだけ叶えたいので、我が家では蒸し器が大活躍します。

野菜炒めのキャベツもそのまま炒めるとシャキシャキ感があって美味しいのですが、母は噛み切れないので一度蒸し器で少し柔らかくしてから炒めます。筑前煮のゴボウやレンコンも煮るだけよりも一度蒸すと柔らかくなるので噛みやすくなります。しかも蒸してあると煮る時間が短くて済みます。若い方が一緒に召し上がるには少し野菜の歯ごたえがなくなるかもしれませんが、高齢者には見た目の形もきちんとあるのにしっかり噛むことができて満足感があるようです。

食事の準備をする方は毎日のことで大変だと思います。少しの工夫で作る方も食べる方も笑顔になれたらいいですね。

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