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思い出が蘇る

街中でふと嗅いだ匂い、久しぶりに食べたもの。
ふとした瞬間に過去の記憶が蘇ることがありませんか?

今までほとんど思い出しもしなかったことが、匂いや味で鮮明に思い出されることがあります。

これは「ブルースト現象(効果)」と呼ばれるもので、フランスの作家、マルセル・ブルーストの「失われた時を求めて」という作品の主人公がマドレーヌを紅茶に浸した香りを嗅ぎ、幼少期の記憶が呼び起こされたという描写が由来となっています。

香りにより過去の記憶が呼び起こされるのはなぜでしょうか。

これは脳内での嗅覚の処理経路に関連するそうです。

人間の脳は脳幹・小脳。大脳辺縁系・大脳皮質と大きく四つの部位からなっています。その中で感情、本能を司るのが「大脳辺縁系」(古代脳)、理性的な思考を司るのが「大脳新皮質」(新しい脳)で、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の中で唯一匂いだけが嗅細胞、嗅球を介して大脳辺縁系にダイレクトに伝わります。ほかの四つの感覚からの刺激は、一旦大脳新皮質に伝わり、その後大脳辺縁系に伝わります。

また大脳辺縁系には記憶を司る「海馬」と言う器官があります。

あなたのお父さんやお母さんの好きな食べ物は何ですか?

食べ物を口に入れると、口いっぱいに匂いが広がり鼻から脳に伝わります。一緒に好きな物を食べたら、昔の懐かしいことを思い出して昔話に花が咲くかもしれませんね。

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