秋季大祭神殿講話(要旨)   

 立教186年10月23日、澄みわたる秋晴れのもと、此花大教会秋季大祭が陽気に執り行われました。おつとめの後、大教会長様が神殿講話に立たれました。

此花大教会長 田邊大治

〔要 旨〕
 

親神様の御守護の世界


 先日、近くの学校で花火大会が行われていることに気がつきました。暑さや不安定な天候を理由に、夏を避けて10月に花火大会を行う地域が増えてきたそうです。温暖化といわれる影響を、実際に身に染みて感じるようになりました。
 60年前に刊行された『おぢば今昔ばなし』(今村英太郎著)では、著者が子どものころ、おおよそ120年前の明治30年代、教祖十年祭が終わってしばらくしたころ、おぢばは冬になると30センチの雪がひと冬で3、4回も積もった。雪やと言ったら15センチは積もった。と書かれており、今との違いに驚かされます。
 だんだんと変わっていく地球環境の中でも、私たちはその親神様のご守護の世界の中で住まわせてもらい、結構に暮らさせていただいています。そうした中で私たちは生かされているということをあらためて感じさせていただくのです。
 また教祖のひながたの時代を考えさせていただく上にも、こうした気候や社会情勢、風潮を重ね合わせて考慮して、教祖のみちすがらを学び通らせていただくことが大切であるように思います。

 

いかなる時代にあっても
  変わらぬ真実の教え


 一人ひとりがいろいろな人生を歩んで、それぞれの年代によって幼年期、思春期、青年期、中年期、壮年期をありがたく生かさせていただき、ご守護していていただいています。その年代によって同じ「今」という時代を生きていても、少年期、青年期、壮年期で感じ方、物事のとらえ方が大きく変わってくる。いわゆる「世代間ギャップ」があり、また明治以降その変化のスピードもさらに早くなっています。
 時代は流れ、過ぎれば早いものですが、いかなる時代、世代にあっても教祖を通して教えていただく御教えというものは、どの時代も貫き通して、変わらぬものです。しかしその理解においては、その時代においてもっと掘り下げていくこともできるのではないかと思います。 

教祖年祭を勤める意味


 このことは、このたびの年祭活動においても言えるのではないかと思います。教祖の年祭は、一年祭、五年祭、十年祭と何度も勤められてきましたが、それぞれに時代が違い、意味さえも違ってくる。また当時の先生方の受け取り方、勤め方という上でもそれぞれ意味合いが異なっています。
 このたびの年祭において真柱様は、「私は道を伸展させるためにはいろいろな意味において、教祖の年祭を勤めることは大切なことであると思いますので、次の教祖百四十年祭は勤めさせていただきたいと思っているのであります」と述べられています。
 そして、このお言葉の後に、「教祖の年祭を勤める意味を徹底させることは本当に難しいことだとあらためて思います」とも述べられています。教祖四十年祭から年祭活動は盛大に行われていきますが、戦後のおやさとやかた普請から、百年祭に向けての東西礼拝場普請という道の伸展を成し遂げられた時代の教祖年祭と、百十年祭以降の教祖年祭では、それぞれ通った方々の中でも受け取り方、勤め方、その理合いが異なっていくというのは否めないと思います。
 しかし、教祖年祭の意味は、諭達でも真柱様がお示しくださっていますが、年祭を目標に一人ひとりが普段にも増した信仰成人を遂げて、ご存命の教祖にご安心いただき、お喜びいただく、ということに他なりません。   

信仰成人の一助に


 一人ひとりの、また教会として信仰成人を遂げていくためには、教義を学び深めていくこと、そして、教祖がお教えくだされたおつとめ、さらに、にをいがけ・おたすけ、日々ひのきしんにつとめること。いずれも陽気ぐらしに向かう道筋であり、縦の伝道にもつながっていきます。ですから教祖年祭は、私たちの人生における信仰成人の一里塚であり、それに向かって歩み進めるのであります。
 このたびの年祭、また大教会の記念祭に向かっては、それぞれの教会や個人で目標を定めていただいていますが、来月の「おぢばがえり大会」に合わせて、お道の信仰を進めていく中で参考とさせていただけるような小冊子『お道の信仰と教えのあらまし』を作らせていただいております。これは、各教会で、また講社祭に行ったときに読めるようなものとなっています。
 小冊子の中では、「親神様の十全のご守護」や「かしもの・かりもの」「八つのほこり」、また「つくし・はこび」「いんねん」「たんのう」などのご教理を解説しました。あらためて勉強して掘り下げ、再確認しながら書かせていただきました。
 まず、私たちの信仰は、「この世治める真実の道」ですので、これを最初に書かせていただいています。「この世界を創造し、全ての生命を生み育ててくださっている親神・天理王命様が、天保九年(一八三八)十月二十六日、教祖・中山みき様を『やしろ』に、人間宿し込みの場所、元の『ぢば』にお現われになり、親神様が直々に説き明かされた、『最後の教え』であります」。これは基本であり、根本的なところですが、親神様は立教までに十のものなら九つまで教えられた。「最後の一点」というのは、日々ご守護いただいているもの、世界のはたらき、またその中で身上一つをお借りしていること、これが台になると思います。陽気ぐらしへ向かう上で大切なものがたくさんありますが、この一点の話を知るということに尽きると私は思います。
 その他にも、この小冊子は12項目に分けて書いていますので、お読みいただいて、それぞれ個人で、また教会として、教祖年祭に向かって信仰の歩みを進めていく一助としていただいたら本当にありがたく思います。

諭達ご発布から一年
 陽気ぐらしに近づく努力を


 昨年10月に『諭達第四号』をご発布いただいてから早くも一年が経ちます。その流れの中で今月29日に「ようぼく一斉活動日」(計5回)が、全国の支部で開催されますので、周囲に声を掛け、教会を挙げて参加していただきたいと思います。
 年祭活動の1年目も残りわずかとなり、大教会の記念祭まで、あと1年余りとなりました。すべてがだんだんと通り過ぎていきますが、教会としても個人としても信仰がさらに深まり、一歩一歩陽気ぐらしに近づけるように努めさせていただき、共々に勇みの種とさせていただきたいと思います。

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