若葉竜也さん インタビュー

【若葉さんが初めて現場に入られて本読みをしてから実際の撮影までに、ドレッド像が様々に変 化して、やがてもっとも正しいところにピタリと収まってゆくのを見事だと思って見ていました。 若葉さんはどういうことを手がかりに役をつかんでゆくのですか?】

自分ではあまり変化させてる気はなくて、
現場の空気や、相手の役者の芝居をみてリアクションしていくタイプで、それを受けた時の人間的なブレが面白いとおもっています。
だから変化はきっと相手の役者が起こしている事だと思います。大袈裟かもしれませんが、血が通い出した、という言い方が正しい気がします。あやさんの脚本は、特に役者が呼吸して血を通わせないと体現できないと強く感じました。

【他にもたくさんの現場を経験してこられたと思うのですが、ワンダーウォールの現場はどうい う印象として残っていますか?】

若い役者が集まっていたし、しかも監督も若い。「ベテランの安定感」がないのはもちろん、答えをすぐに出さないというのが、すごく素敵でした。不安定な空気があやさんの作品とマッチしてすごく魅力的でした。

【大切に思っている場所がありますか?それはどんな場所ですか?】

浅草ですかね。大衆演劇出身の僕は幼少時代の大半を浅草の汚い裏路地ですごしました。愛おしい場所です。

【普段の暮らしの中で<壁>の存在を感じることがありますか?感じた時、どうしますか?あるいはどうしたいと思いますか?】

壁しかありません。壁ばかりです。そして敗北だらけです。やってられるか!と叫びたくなります。そして愚痴ります。僕はそんな、みみっちい人間です。