初心者にリミテッドを知ってもらう記事。④パワーとタフネス

初心者にリミテッドを知ってもらう記事。第4回。

クリーチャー・カードの基本スペック「パワーとタフネス」はどういった項目なのか、についてです。今回からちょっと長いので直近以外の過去へのリンク飛ばします。


前々回、②「レアリティってなに?」の項目にて、4種類のカードを挙げてレアリティの違いについてふれました。

噛みつきドレイク

救出のスフィンクス


予見のスフィンクス


永遠神ケフネト

今回からはこの要素をより掘り下げて、「リミテッドではどういったデッキが作られるのか、どういった基準でカードが使われるのか、その結果どういったゲームになる(なりやすい)のか」といった話をしたいと思います。

ゲーム中盤の「4マナ」で使えるスペルが《永遠神ケフネト》のときと《噛みつきドレイク》のときと、どういった違いがあるのでしょうか。

2枚のカードを比較して、ゲームへの影響を挙げてみましょう。

今回の記事では「パワーとタフネス」の項目についてを一部掘り下げて記します。

①パワーで見る攻撃性能

《噛みつきドレイク》:パワー3

《永遠神ケフネト》:パワー4

1つ目はパワーです。マジックの勝利条件の1つであるライフポイントは「20点」なので、パワーの違いは1点でも大きく変わってきます。具体的には《噛みつきドレイク》(単体)で勝つためには「7回(3点×7回=21点)」、攻撃を通す必要があります。

対して《永遠神ケフネト》は「5回(4点×5回=20点)」、攻撃を通せば勝ちです。

つまりこのパワー3とパワー4の違いには「攻撃2回分・2ターン分の違い」があります。

それぞれのパワーで何回攻撃が必要かを挙げてみます。

「パワー1 20回/パワー2 10回/パワー3 7回/パワー4 5回/パワー5~6 4回/パワー7~9 3回/パワー10~19 2回/パワー20~ 1回」

パワーが大きくなるほど攻撃回数の減少の率・値は下がります。5と6、7と9、10と19ではそれぞれ攻撃回数に変化がありません。

効率良く20点を狙える、という意味では半端な余りのでないパワー2/4/5の3種類が目安になります。

(基本のパワーが7以上であるクリーチャーは著しく枚数が少なくなりますので、パワー強化のスペルと組み合わせたときなどの目安です。)

②タフネスで見る除去耐性

《噛みつきドレイク》:タフネス2

《永遠神ケフネト》:タフネス5

2つ目はタフネスの違いです。

タフネスは実際には「ゲームに勝つ」場合には(パワーと違って)参照される値ではありませんが、より具体的に「相手のクリーチャーとの戦闘に勝つ・相手の攻撃的なスペルに耐える」"耐久力"を示す場合、重要な項目です。

『灯争大戦』に絞って、レアリティごとに具体的なカードを並べて比較してみましょう。

・《噛みつきドレイク》を1枚で対処しうるカード

(リンク、《》表記省略します。打ち消し・手札破壊については使用するタイミングが大きく関わるため、一旦置いておきます。)

コモン:神聖なる矢、※執行官のグリフィン、信頼あるペガサス、放浪者の一撃、※エイヴンの永遠衆、雷のドレイク、オブ・ニクシリスの残虐、ソリンの渇き、チャンドラの螺旋炎、チャンドラの勝利、砲塔のオーガ、強制着陸、罠紡ぎ、サヒーリの銀翼

アンコモン:ギデオンの勝利、牢獄領域、※陽刃の天使、※永遠衆の天空王、救出のスフィンクス、※鮮血の刃先、リリアナの勝利、オブ・ニクシリスの残虐、激情の絆、チャンドラの勝利、死の芽吹き、灯の燼滅、※精鋭護衛魔道士、マーフォークのスカイダイバー、※死者の災厄、ケイヤ、※敬慕される炎魔道士、ヤヤ、アングラスの暴力

レア:戦争の犠牲、※永遠神の投入、※贖いし者、フェザー、※ケイヤの誓い、ラルの発露、※混種の頂点、ロアレスク、陽光の輝き、時の一掃、※狼の友、トルシミール、※蔓延する蛮行、※人知を超えるもの、ウギン、爆発域

神話レア:黒き剣のギデオン、※永遠神ケフネト、※龍神、ニコル・ボーラス、※ニヴ=ミゼット再誕

「※」付きは《噛みつきドレイク》を対処できる・戦闘に一方的に勝てる上でパーマネントが残るカードです。

「※」付き含め45種類(コモン13、アンコモン16、レア12、神話レア4)のカードがありました。

これに対してタフネス5の《永遠神ケフネト》を破壊・追放できるカード一覧も並べます。

・《永遠神ケフネト》を1枚で対処しうるカード


コモン:放浪者の一撃、強制着陸

アンコモン:ギデオンの勝利、牢獄領域、リリアナの勝利、オブ・ニクシリスの残虐、死の芽吹き、灯の燼滅、アングラスの暴力、※死者の災厄、ケイヤ、※放浪者

レア:戦争の犠牲、時の一掃、※人知を超えるもの、ウギン、爆発域

神話レア:黒き剣のギデオン、※龍神、ニコル・ボーラス、※ニヴ=ミゼット再誕

17種類(コモン2、アンコモン8、レア4、神話レア3)です。

大型専用の《放浪者》のみ《噛みつきドレイク》を対処できませんが、省かれた約30種類のカードについては「《永遠神ケフネト》の方がより耐性のあるカード」ということになります。

またアドバンテージを取られてしまう「※」付きも減りました。17種類から4種類。特にコモン・アンコモンでは死者の災厄、ケイヤと放浪者の2種類しかいません。

くわえて《永遠神ケフネト》自身が持つ耐久能力によって3ターン後には(実質)復活します。これにほぼ完全な形で1枚で対応できるのは今挙げたなかでは《強制着陸》たった1枚です。

「※」付きは基本的に不利な形でアドバンテージを消費しやすくなるカード・「使われたくないカード」ということになりますので、これが少ないことは「相対的に見て強い」という判断基準になります。

③「パワーとタフネス」でみる除去性能

今回はコモンの《噛みつきドレイク》と神話レアの《永遠神ケフネト》という顕著にカードの強さの異なる対比をしましたが、同じレアリティの2枚のカードでも「タフネスと自身の能力」によって「対処しうる(されうる)カード」というのは、「レアリティの偏り」と「枚数」が変わってきます

そして実際には「パワー」によっても、対処性能は大きく影響を受けます。

《噛みつきドレイク》には「プレイされてから7ターン後までに(コモン17種類を含む)45種類のカードのいずれかをプレイする」ことで対処できますが、《永遠神ケフネト》の対処は「5ターン後までに(殆どがアンコモン以上の)17種類のカードのいずれかをプレイする」ことが条件になります。

「相手がこのクリーチャーを対処できるカードをどのくらいプレイしずらいのか」という観点において、(対処するカードの)「レアリティ」と、「パワー」「タフネス」の3点はそれぞれが密接に影響しつつ、大きく評価に関わってくるところです。

※「カードの強さ」の評価に「(対処カードの)レアリティ」が関わってくるのはリミテッド特有のものですね。

今回は「飛行」を持つクリーチャーを例に挙げましたが、多くのクリーチャーにブロックという形で妨害されない「飛行」や妨害スペルの対象にならない「呪禁」などは加点という形で評価を高めます。

「このクリーチャーはどのくらい強いのだろう」と思ったときには、カードギャラリーなどでカードプール全体を見比べ、「このクリーチャーを対処できるカード(レアリティ別)」を作ってみましょう。

その過程で、「コモンで一方的に対処できるカード、意外と少ないな」「アンコモンなのにコモンのクリーチャーに押し負ける」、「スペルには弱いけど戦闘には強い(高パワー・低タフネスの先制攻撃持ちなど)」といった部分が見えてくると思います。そうした評価をした上で、40枚のデッキを組み上げましょう。

各カード1枚ごとの強さ・弱さの部分を自分で理解すること。

それがリミテッドでクリーチャーを上手く採用する・使うための一歩で、「クリーチャー・カードのパワーとタフネス」はその項目において最も見えやすい点の1つです。


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