2周目から見るRamKingだけの世界

【はじめに】

面白くて急ぎ早に視聴したMy Enginner。
最終回まで走ってみれば、ガッツリRamKingの2人にハマっていました。最終回視聴後叫び出すほど悶転がり、すぐさま再視聴。
最終回感想をnoteに吐き出してみても収まらない悶え。そして彼らもまた、タイドラマあるあるの2周目からが本番で、見れば見るほど好きが募っていく。

RamKingが好きすぎて好きすぎて苦しいので、前に進むために、この解釈(というより長文の読書感想文のような何か)を吐き出し、またnoteに書き留めることにしました。
実はこの文章を8月から書いておりまして(どうかしている)、気がつけば10月も終わるこの時期に至るまでに色々状況も変わってしまい、どうしたものかとも思いましたが、やはり吐き出さねば前に進めないので、今更ながらにアップしています。


無口でクールな工学部1年生のRamと、工学部全科目トップクラスという秀才で2年生のKing。
Kingの好奇心から出会いが始まり、「一緒にいると心地良くて苦しい」とKingが吐露するに至るまで、2人の間に何がおきていたのか。

原作小説を読めていない為、ドラマを見ての超個人的感想・解釈です。
そして、とてもとても長いです。3万4千字あります…。それでもよろしければ、お読みいただければ幸いです。




***


【2人だけが知っている2人の世界】


RamとKingのエピソードは、いつも2人だけが知っています。

2人とも、友達を気にかける割には自分のことを気安く喋らない為、いつだって周りの知らないところで、2人の関係は静かに深まっていきます

嫉妬などの他者との対比や、誰かからのアドバイスで自分の気持ちに気づいたり行動するわけではありません。それは逆を言えば、周囲の人間から相手の気持ちを伝え聞く可能性がほぼないということ。
2人がお互いに気持ちを伝えなければ、生まれた感情は相手に届きません。
最終話のあのKingは、それ故に行き場をなくした気持ちが爆発したということなのでしょう。

2人だけのエピソード。2人だけの秘密。
お互いでしか前に進まない、2人だけで進行する世界

恋愛関係は元々そういうものだけど、切り離されたように2人だけで関係性を育んでいくから、その秘匿性故にこんなにも魅了されてしまうのかもしれません。


【Ramの変化に気づくのはKingで、Kingの変化に気づくのはRamで】


改めて、Kingは周囲の人の心の機微に本当によく気がつく人だなと思いました。

例えば、Ep.3でDuenとFrongの噂を知り、BossやTeeたちが「イケメンの三角関係だな」とからかう中、KingだけはBohnに気遣うような視線を向けています。
今までだって一緒になってBohnのことを囃立てていたはずですが、BohnがDuenに対して本気の恋であることに、いち早く気づいたのではないでしょうか。

このKingの気遣いはことあるごとに見られて、そのたびBohnのDuenとの関係においての「気づき」に繋がっていきます。KingはBohnの良きアドバイザーでもあります。

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個性の強い家族の中で育った弟(息子)ポジションの処世術なのか、Kingは洞察力が高く、人をよく見た対応をしています。
旦那さんが大好きで茶目っ気のあるお母さん、BLが大好きで時たまテンションが激しくなるお姉さん、それぞれに合わせた対応を自然と振る舞っているようなKingだからこそ、無口でクールに見えるRamのわずかな変化の違いにも気づけたのかもしれません。

時に共感者として、時にアドバイザーとして相手に寄り添う。
Ramに対してもそれをしていただけで、(恋心に無自覚な部分はあれども)至極自然な振る舞いだった。だけど、そんなKingの「自然」がRamを何度も助けることになります。


そして、そんなKingの変化に気づくのもまた、他でもないRamだということが、またこの二人のたまらないところ。
Ramは、Kingのように察しが良いから気づくわけではありません。
Kingの行動を気にかけ、Kingとの会話の内容を覚えているからこそ、気づき、手を差し伸ばすことができるのです。


賢く頼りにされているKingは、いつもどこか飄々としています。
比較的察しの良いTeeさえもKingに関しては深く追求することができず、かわされがち。
KingがRamにちょっかいをかけていることは周りのみんなも知っていますが、「変わった奴に話しかけるのが好き」だからだと思っているし、ましてや頭のケガが暴漢に襲われて何針も縫ったものだとは誰も思っていません。

もちろんそれらは言わなければ分からないことです。
だけどおそらく、今までもKingが「なんてことはない」といえば、それ以上追求されずにきたのではないでしょうか。Kingがそういうならそうなのだろう、と。

だけど、RamはKingに大丈夫といわれても、鵜呑みにはしません。
Ramは、一緒に過ごすうちにKingが実は危なっかしいところがあることを知ります。(犬に怯える、木材につまずく、地面にもつまづく、なんなら口の中も噛む、水の中で足をとられる)
頭の傷が何針も縫っているもので、夜中に苦しんでいることも知っている。

長子気質のRamからすると、庇護欲が掻き立てられるということもあるかもしれませんが、Kingの「なんてことはない」はRamには通用せず、頭に怪我をしてからは、より顕著に世話を焼くようになっていきます。

【 RamにとってのDuenとKingの違い 】

Ramは普段は無口でクールですが、親友のDuenのこととなると誰よりも熱くなる一面があります。
当初、Duenに無理難題をふっかけ、ちょっかいをかけてくるBohnに対して、信用ならないとばかりに強く言葉と力で反発したのはRamでした。

DuenとKing。
Ramにとってこの2人は、信頼している自分の良き理解者であり、守る相手という共通点があるように思います。
だけど、RamにとってKingは、親友を守ろうとする気持ちとは異なります。向ける瞳の熱量が違う。(これはPerth君の演技力が凄いからなのですが…)

いくらKingが年上の割に危なっかしく見えても、先輩に守らなくていいと言われれば、手を離すのではないでしょうか。
ボクシングの決闘の後、Duenを守るべき立場がRamからBohnに移った後は、Duenにぴったりと付き添うことは減ります。けれども2人の関係性は変わらず、DuenはRamの良き理解者のままです。

けれど、Kingに「構うな」と世話を焼くことを断られたRamはどうでしょうか?
Kingを視線でどこまでも追いかけ、酔い潰れたKingに冷たく突き放されても甲斐甲斐しくテントへ連れて帰る。更にすげなくされても、「嫌です。理由を言うまで出ていかない」と食い下がる。理由もなく、距離を置かれるのは絶対に納得できないという姿勢を取ります。

犬があんなにも怖いKingが、犬を助ける為に怪我をした。自分が眠りこけて気づかなかったから守れなかった。自分のせいで怪我をさせてしまった。そんな負い目もあって、より一層世話を焼いたということもあるかもしれません。

だけどRamは、使命感や義務感からではなく、「自分が守りたい、一緒にいたい」という感情が膨らんでいったように思います。
ただただ、Ram自身がKingを放って置きたくない、離れたくないのではないでしょうか。
「友達と居ろ」と突然距離を置かれていた時のあの視線は、心配だからだけではなく、理由も言わずに一緒にいさせてくれなくなったKingへの恨みすらも含んだ悲しみの色だったように思います。
少なくとも距離を取られた先輩への視線ではなかったことだけは明白。


【Kingの無意識の愛情のシャワーで花開いたRamの心】


無口でクールだったRamは、心を開いていくほどに、臆することなく、混じり気の無い心をどんどんKingに渡してきます。
返ってくる親愛の言葉。耳心地の良い声。まっすぐ向けられる視線。触れる体温。一緒にいる時の空気感。Kingにとってその熱量の心地よさは想定外であり、気持ちをひどく揺り動かされるものだった。なんとかその場その場で繕うことができても、Ramはお構いなしに親愛の情をどんどん寄せてくる。

一つ一つ積み木を重ねるように自分の気持ちを認識してきたRamに比べて、Kingはそれを突然の出来事のように感じたのかもしれません。
その気持ちの名前に気付いた時にはもう、自分の中でコントロールできないほど育ちきっていて、押さえ込むのは到底無理な状態になっていた。
何かと一緒にいたがり、他の誰にも知られないところで2人の関係性を深めていったにも関わらず、相手への気持ちを意識するまでに少しズレのある2人。


どんどん近づいてくるRamの心。それを望んでいながらも、徐々に戸惑い始めるKing。
いつも第三者の立場にいたKingに、突如芽生えた当事者意識をどうコントロールしたら良いのか考える余裕が無い程に、2人は近しい距離感になってしまっていたのだと思います。



前振りが長くなりましたが、そんなKingとRamの2人の関係性の変化をエピソード順に追いながら、改めて見ていきたいと思います。


【Ep.3   初めての出会い】

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2人が初めて出会うのは、学校の図書館。
友達と別れ、1人で図書館に向かったKingは、本棚の隙間から、向こうに佇むRamの横顔を盗み見てしまいます。
目が合ったような気がして一度は視線を逸らしますが、やはり気になるのか、もう一度振り返るKing。
この時、Kingは首筋にタトゥーを施したRamの横顔に、一目惚れしたのではないでしょうか?

その後、偶然にもまた校内でRamの姿を見かけます。水入れを探しているのだとすぐさま察し、自分のカップの中身を捨てて近づいていくKing。その洞察力とチャンスを逃さない積極性がすごい。
警戒心からなのかグイグイと一方的に間合いを詰めてくるKingに無視を決め込むRam。
始まりの2人は、そんな好奇心を隠さず近づいていくKingと、視線を合わせることすらしないRamでした


【Ep.4  簡単に攻略されてくれないRam】


Teeに騙されてボランティアキャンプのミーティングに連れてこられたKing。帰る気満々だったのに、その場にRamの姿が現れるや否や、座り直し参加を継続。そこで彼が「Ram」という名前であることを知ります。
実家に帰り、お母さんに自分の名前の由来を尋ねたり、Ramの意味が美しいという意味だということを調べたり、返答しない植物に無口なRamを重ねて見てみたり、Ramへの興味が増しているKing。
Ramの「美しい」という意味が似合わないなと言うものの、何かを思うKing。無口で体格の良いRam。だけど、盗み見た横顔は美しいと思ったのでしょうか。
やっぱり、Kingの一目惚れなのでは…?

中庭(?)で、ボランティアキャンプの募金箱を受け取り、Duenと喋っているRamを見つけるKing。Duenが去ったのを見計って「Nong!」と呼び止め、立ち去ろうとするRamを募金することを餌に話し続けます。
この時にはもう、Ramという名前をTeeから聞いていながらも、“Nong“と話しかけるあたり、Kingの策士っぷりを感じられます。

Ramが視線をKingに向けただけ進歩ですが、それはSeeであってLookではありません。
話がしたいKingは、まず仲良くならなければいけない、あだ名で読んだら仲良くなれるのでは?と攻略法を順序立てて説明しますが、Ramの中のKingの仲良し度が上がることはなく、回収されるだけされてしまうKingのお金…。
Kingの思惑は外れ、まるで親愛度の全く上がらない乙女ゲームのよう。

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Ai‘が、親しみを込めた呼び方(ちょっと下に見るようなくだけた呼び方?)らしいので、ほぼ初対面でバチバチに警戒心抱かれているRamに対して、ColdFaceというあだ名だけでなくAi‘までつけて、ガンガン距離を詰めていくKing。

これを初対面の先輩からされたら、絶対仲良くならないなと個人的には思います(心の扉を固く閉めて鍵を二重にかける音)
Kingの作戦はだめなような気がしますが、犬に怯えて俊敏な動きをとってしまった弱みを見られたが為に、Ramに「面白い人」認定されたKing。それがなかったら、仲良くなるのは更に厳しかったような。





自己肯定感がとても高いであろうKingだからこそか、Ramにどんなに冷たくあしらわれても、めげずにアタックしていきます。

放課後のボランティアキャンプの準備中に、思いがけずRamのSNSアカウントを知ったKingは「話さないのなら文字でもいいよ」作戦に切り替えます。びっくりした顔はするものの、すぐにクールな顔に戻り、そのメッセージすらも無視するRam。
弟くんが「その人が兄さんに連絡してくるのは理由があるはず。兄さんが返信しないのはその人のことをよく知らないから。確かなのは、兄さんはその人のことを嫌ってない。嫌いだったら、とっくにブロックしてるよね」と代弁してくれているので、Ramは「この人が何故自分に構ってくるのかが分からない」だけなんですよね。そして弟くんによれば、グイグイ話しかけてくるKingに照れているらしいRam。(照れて…いたの??)


もしも簡単に、Kingの組み立ててきた攻略法で2人が仲良くなっていたら、Kingの関心は長く続かず、先輩後輩の距離感で終わっていたのかもしれない。
一筋縄ではいかないからこそKingはRamに執着していき、それ故にスローペースのRamの気持ちが追いついてきたのではないかと思います。


【Ep.5  Kingはどんな人かを知っていくRam】

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ベンチで1人で勉強しているRamを見つけ、勉強を教えることを買って出たKing。
“Cold Face”と呼ばれることには訝しげ(許可していない)なものの、肩が触れ合う距離にいても突き放したりはしないRam。小さくうなづいたり、視線をなるべく交わさないようにしながらもチラチラとKingを見ている。

「全部間違っている」とKingは声をかけるので、Ramは勉強に相当苦戦していたのではないでしょうか。そこに勉強を分かりやすく教えてくれるKingの存在はとても有難かった。
突如、自分に馴れ馴れしく話しかけてきたKingが何を考えているのか分からないと思ってはいたけれど、自分に時間を割いて勉強を教えてくれる先輩の親切さだけは本物だと感じ取れた。

ここのシーンでは、運命の人の気配を指し示すような、OP曲「The  Person」が流れます。

♪あなたがいるということは全てを手に入れるようなもの
私は全て持っているみたい
あなたの愛は私の心を満たす
私は今までずっと旅をしてきた
長い間 真の愛を求めて
今日 私はあなたが待ち続けている人だってわかったんだ
噂話を心配しないで
教えてあげるから気にしないで

Kingは、Ramと今までより距離も近く拒絶もされなかったので、それで良しとして深追いはせずに帰ろうとしますが、突然乱暴にRamに引っ張って行かれるという予想外の展開に戸惑います。こんなにも至近距離でまっすぐにRamの視線を受けたのは初めての為、Kingは一瞬固まってしまう。
この時を境に、Ramの視線はSeeではなく、Lookになります。
(ととと…と連れて行かれるKingが可愛い)

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「犬は怖い」と半泣きで訴えるKingに、「いいから」とでも言いたげに手に力を込めて視線で制圧するRam。(犬に言い聞かせるのと同じように)

Ramは勉強を教えてくれたお礼に、食事をご馳走したかっただけなのですが、訳もわからず連れ回され、話を聞いてもらえず、苦手な犬にまでエンカウントしたKingを思えば、一言説明してあげて欲しかったなとは思います…(苦笑)

この勉強会と食事を通して、Kingはどんな人か、ということがRamの中に蓄積されはじめます。(RamからのKingへの興味関心)

Kingは噛まれたことがトラウマとなり犬が怖いということ、1人で過ごすことはなんともないRamとは違い寂しいと思うらしいこと、相手のご飯を奪って食べるのは美味しいと思うらしい、など。

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また、他愛もない会話もRamはきちんと覚えています。
”無料でもらえるはずだったジュース”を気にしていたのか、Kingが電話をしているほんのわずかな隙を縫って、息を切らしながらKingに買ってくる。KingはRamが何故ジュースをくれたのかいまいちわかっていないところが、またいいんですよね。

生姜が嫌いなのに「P‘Kingがくれたものだから食べた」とメッセージを送るRam。気恥ずかしかったのか、すぐにKingから視線を外してしまいます。
最初は視線を合わせることすらしなかったRamが、食事を終えた後は目を合わせて隣を歩き、学校の駐車場までKingを送り届け、メッセージでの会話もするようになりました。
借りを作っておきたくない、という心情もあるのかもしれませんが、Ramの真面目さが垣間見えます。

食堂で言い寄ってきた店員さんのことをしれっと無視することからも、Ramは基本的に“自分のことをよく知りもしないのに馴れ馴れしく近づいてくる人”とは距離をとるようです
KingがKingだから避けていたというわけではなく、やはり“よくわからない人”だから距離を取られていたのですね。

普通の人ならば、この店員さんのようにその一瞥でRamにモーションをかけてくるのをやめてしまうところを、Kingはめげずにアタックし続けてくるので、Ramの中でも気になる人にはなっていたのではないでしょうか。

おしゃべりなKingと無口なRam。
1人は寂しいKingと1人でも楽しめるRam。
まるで真逆のような2人。

この日がきっかけで、Ramの中でKingは全く知らない他人ではなくなり、Ramの中にKingの席ができた、Kingの存在を自分のテリトリー内に入れたのだと思います。そして、テリトリーに入れた人間は目をかけ守るタイプのRam。そんな重要な変化にKing自身は気づいていないのですが。



【Ep.6  無口故に伝わらない、心開いているRamの胸の内】

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ボランティアキャンプの準備作業中、木材に足をとられて転びそうになるKingをすかさず支えて、運ぶのを手伝うRam。よくよく見ていないとこのタイミングで助けられないので、RamがKingを気にかけるようになっているということが分かります。

活動終了後の夜、勉強しているRamたちの姿を見つけたKingは、木の影に隠れて「俺と話せ」「なんでそんなに冷たいんだ?」とRamにメッセージを送ります。そのメッセージに、わずかに眉をしかめるRam。
おそらく、Ramは冷たくしているつもりが無いのでしょう。KingはもうRamのテリトリーの中にいます。食事にも一緒に行ったし、さっきだって運ぶのを手伝ったし…ぐらいのことは思っていそうです。
けれどKingからしてみれば、少し打ち解けたような気はするものの、相変わらず“喋ってくれないRamはまだ“Cold Face“のまま。

返信をする糸間を与えないペースでどんどん送られてくるKingのメッセージ。眉根をわずかにしかめキョロキョロと自分の姿を探しているRamにニヤニヤしてるKing。

RamとKingがメッセージでやりとりをする仲だということ、ましてや、Kingが素知らぬ顔で登場する直前まで、Ramとメッセージでやりとりしていたということを、Phu達は知らないんですよね。
(私はそのエモさで何度も床をのたうち回ります)


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1年生たちの勉強を見てくれることになったKingに、お礼を言えよとPhuに言われて、サッと手を合わせるだけで何も言わないRam。
さっきまでメッセージを受け取ってKingの姿を探していたというのに、そんな素振りを微塵も見せないのは、やっぱり照れているのでしょうか。

「みんなと同じところじゃん。聞いてなかったのか?」
隣でみんなに勉強を教えているKingの横顔を盗み見ていて、話を聞いていなかったからなのですが、そんなことには気づかず、もう一度Ramに説明してあげるKing。
至近距離でぶつかった視線に戸惑いながらもそらし席を立つKing。Ramが少し寂しそうな、残念そうな顔をしているのですが、その後、Kingから自分の為に用意してくれた勉強ノートのプレゼントにとても嬉しそうにします。
Phuからの「なんでお前に?」に肩を竦めてみせるRam。単独で勉強を教えて貰ったことがあり、そのお礼に食事に行ったこと、それからメッセージのやりとりをしていること、それらすべてを胸に留めての「さぁ?」なんですよね。Ramは、すっとぼけているんですよね…(身悶え)

Phuは、この場面で一番最初にKingがRamを気にかけている場面を目にする人物ですが、バーベキューのあの日まで、「Kingは変わったやつに話しかけるのが好き」だからだと思っていました。恋心の雰囲気に目敏いTingTingでさえも、バーベキューの日まで気づきません。それくらい、2人の関係性の深まりは秘匿性があったのです。

その人の声や顔を見ることが、自分の為に何かをしてくれることが嬉しいという気持ちは、恋の始まりではないでしょうか。

ここのシーンで流れる曲は、OP曲「The  Person」です。

♪あなたがいるということは全てを手に入れるようなもの
私は全て持っているみたい
あなたの愛は私の心を満たす
私は今までずっと旅をしてきた
長い間 真の愛を求めて
今日 私はあなたが待ち続けている人だってわかったんだ
他の人の噂を心配しないで
教えてあげるから気にしないで


土曜日。キャンプの準備作業を終えて帰宅するところだったKingは、突然の雨に濡れてしまい、木陰で雨宿りしているところに、傘を持ったRamが現れます。
Kingは喋らないRamに慣れたのか、どんどん話を進めて喋っていきます。2人で一緒にバスに乗って帰ることになりますが、途中でRamは何も言わずに降りていってしまいます。

この時、Ramは何がしたかったのでしょうか。
土曜日にたまたま登校していて、いつもは自転車だけど、たまたま今日はバスで帰るところだった?

もしかしたらRamは、ノートのお礼にまた食事に誘おうと思ってKingに会いに来たのではないでしょうか。
Teeが「サーモン食べに行こう!」と言っていたことから、ちょうど御飯時の時間帯。そして、いつもは制服で自転車登校しているRamが、学校に来たにしては身軽な服装と荷物。Duenはこの日はデートで、工学部で一緒のPhuも一緒にはいない。そして、1人だけで突然現れたRamは、何か言いたげに今日は最初からKingにロックオンしている…。

また、RamはKingの問いかけが当たっている時は頷いて肯定しますが、少々説明する必要があるものは否定もせず、無言でそのままにするところがあります。

(最初の食事の時の、「合ってるならうなづくとかしなよ」とKingに言われたのを律儀に守っていたのだったりしたら、とてもかわいい)

例えば、
・「土曜日なのに何でいるんだ?…あぁ、Aeaw先生の課題でしょ?」→無言
・「今、帰るのか?」→頷いて肯定
・「なんで同じ方向だって言わないんだ。君もバスなのか?」→無言
・「タトゥー好きなの?」→頷いて肯定

それらを踏まえてみると、学校に用事があってたまたまKingに会ったのではなく、Kingに会う為に学校に来たように思います。
Kingが土曜日に準備作業のために登校していることや、車が壊れてバス通学になっていることも、Ramは課外活動の中かKingとのメッセージのやりとりの中で、知っていたのではないでしょうか。
(メッセージで食事に誘わないのは、単純にRamがシャイだから…?)

バスの中でも、Kingが一方的にRamに話しかけます。Ramの反応は薄いけれど、オープンマインドで話しているKingの言葉を、一つ一つ記憶しているRam。
以前に、Kingが犬に噛まれたトラウマのこともしっかり覚えていました。(その為Kingは鋭い針も怖いという話は、後に頭の怪我で手術をする時までRamは覚えています)
Kingのパーソナルの部分を覚えているということは、興味関心があるということの現れ。

しかし気まずいのか、バスの窓を開け、腕を出してイヤホンをしてしまうRam。
そんなRamの行動も、Kingは特別咎めません。彼もバスが同じ方角なのか、何を考えているのかもよくわからないけど、”初めて話しかけてくれた”という進歩が嬉しいのか、一緒にバスに乗っている間のKingはテンションが高めです。


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ここのシーン。Ramの体はそっぽを向きながらも、視線はKingの手元を見ているのです。Kingのスマホの電源が切れてしまったのを見るやいなや、イヤホンを片方貸してくれます。
ロックオンするように現れて、ぐいぐい手を取ってバスに一緒に乗っておきながら、何も喋らない。だけどKingのことを気にしているからイヤホンを片方貸してくれる。
Ramの行動の意図がわかりにくいですが、お礼をしたくて会いに来たのに、予定外の状況に戸惑い気まずいだけなのではないかなと思います。

Ramの聴く音楽は激しすぎて好みに合わなかったのか、「こんな雨の日に似合う」と言ってKingがかけたのはED曲の「Love with out Rule」

♪誰かを愛する時
私たちは心の底から愛している
人の目を気にしないで
私たちが地上にいるか空にいるかは重要じゃない
誰かを愛することに理由は必要ないんだ
愛があるなら
解き放して
愛にルールはないとあなたに伝えたい
恋をするときは女も男も関係ない
知っておくべきことは本当の気持ち
大事なのはそれだけ
ルールは恐ろしいかもしれない
でも心を合わせれば十分
乗り越えなければならない障害はたくさんあって
時間がかかりそう
自分の人生に信頼できるものを見つけるまで
私たちを引き離させない
誰かを愛することに理由は必要ないんだ
愛があるなら
解き放して


1回目の勉強を教えてくれた時と2回目の勉強を教えてくれた時は、運命の人の気配を示唆しているかのように流れていた「The Person」
けれど、この時に流れていたのは「愛することに理由はない。大事なのは本当の気持ち」と恋心の自覚を促すような「Love with out Rule」です。 

この曲を2人でイヤホンを分け合い、聞きながら何かを思うRamと、無邪気にはしゃいでいるKing。
Ramは顔には出ていなけれど、アップアップだったのかもしれません。
Ramの携帯ではしゃぎながら自撮りするKingを他所に、きゅっと口元を結び外を見ているRam。

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食事に誘うつもりが、タイミングよくバスが来てしまったから取りあえず一緒に自分も乗り込んだものの、Kingはずっと喋っていて切り出すタイミングが掴めない。
後ろの席の女子達は自分たちをカップルだと言うし、Kingは自分のサングラスをかけて、更には自分の腕を肩に乗せて写真を撮り始める。
そして分け合ったイヤホンから流れるラブソング。

Kingの「ここで降りるのか?」にも「送ってくれてありがとう」にも応えず、傘を押し付けて降りていくRam。
そこが降りたいバス停ではなかったのだろうし、「これでチャラです」のメモも、Ram的には妥協だったのかもしれない。つまり、お礼が上手くできなかったのだ。

降りていくRamの姿を不思議そうに見送るKing。
King自身は、Ramとの距離感を“一歩進んで二歩下がる“ように掴みかねているかもしれません。だけどこの時にはもう、RamはKingに心をだいぶ開いてきているのではないかと思うのです。

Ep.2での、BohnDuenの“携帯にロックがかかっているのは持ち主は触られたく無いと思っているから“というエピソード。
Duenはロックがかかっているから携帯をBohnに返し、BohnはDuenだからロックを外してもう一度貸してあげました。
Ramもまた、Kingに心を開いているからこそ、携帯を手渡したのではないでしょうか。だけどその胸の内は、彼の無口さ故にKingにはなかなか届かない。
Kingにとっては“Ramが普通に喋ってくれる”がこの関係性のゴール、仲良くなれた証だからです。


Ramは、自分のために用意してくれた勉強ノートで勉強も捗り、ノートを開く度に嬉しくなったかもしれません。
自分の携帯のカメラフォルダに入っている自撮りしたKingの写真を見ながら、一緒にバスに乗った時のことを繰り返し反芻したかもしれない。
最終回のテントでのキスの時、Ramの回想の一番最初に出てきたのは、このバスでのことでした。
恋と自覚はしていなくても、この時にはもう、Kingに対して友情以上の気持ちの片鱗を感じていたのではないかと思います。


【Ep.7 Kingの恋心の自覚はまだ遠い?】

Kingのバスの中での自撮り写真を送り、返信のメッセージを読むRamの表情はとても穏やか。
弟のRujくんは兄にそんな顔をさせる相手に興味津々。
Kingが早速変えたプロフィール写真を「旦那か?」とBoss達にからかわれますが、恋人ではないとバッサリ言い切ります。
このときにはまだ、Kingに恋心の自覚はなさそうです。

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RujはKingのことが気になって大学にやってきますが、尾行した本人はもとより、兄にも見つかってしまいます。
珍しく怒っているRamと、困っているRujの状況を即座に判断して助け舟を出すKing。友人達のからかいを切り捨てた時とは違い、子供扱いもせず、まっすぐに向き合い答えるKing。兄を心配してわざわざ大学にまでやってきた弟君を安心させる為なのでしょう。
ここでもKingの洞察力の高さを感じられます。(弟くんとKing、気が合いそう…)

頭の回転も速く口達者なRujに出会ったことや、Ramもこんな風に怒るのだということを目の当たりにしたことは、Kingにとっても、普段では見えにくいRamの貴重なパーソナルの部分を知ることができたという興味深い出来事だったのではないでしょうか。



放課後、「チョコチップバーをください」とアイス屋さんをろくに見ず、Ramを見ていたのは、弟君とのことを言いたかったのでしょうか。
その話をする間もなく、Ramと一緒に部屋にノートを取りに行くことになってしまったので、真相はわかりませんが、何かを話したかったよう。

もうこの頃には、KingはRamが何も喋っていなくても、視線や仕草で何を言いたいのか分かるようになってきています
バスの時もKingが一方的にRamに話しかけていましたが、それは当てずっぽうだったので、Ramの意図が汲み取れないことが多く、意思疎通ができていたとは言い難いかもしれません。(数打ちゃ当たる、的なものだった)
とはいえ、仮にも先輩に対して顎クイで、自転車に乗せて連れていけと命令するあたり、RamはKingに対して大分不遜です…(笑)
ある種それも、心を許し気安くなっている証拠なのかもしれませんが。

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自転車に一緒に乗る2人。Kingは楽しげに何かを話しかけています。
その背中を見ながら、かけられる声に耳を傾けながら、腰に回させられた手にKingの体温を感じながら、Ramは何を思っていたのでしょうか。
この自転車のシーンも、後の最終回のRamの回想の中に出てきます。
人知れず、Ramの中に順調にKingへの気持ちが降り積もり始めていたのかもしれません。

ここのシーンで流れるOP曲「The  Person」は、“あなたが私を心配してくれていることを知っているだけで心が温まる““あなたが愛は与えるものだと気づかせてくれた“というような歌詞もあって、KingがRamにくれる愛情の積み重ねを示唆するようでもあります。


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「散らかっているよ」の意味が違う、と初見で思ったほど予想外だったKingの部屋。
それはRamも同じようで、植物がたくさんあって面白いのか、Kingが植物に優しく声をかけたり触れるという初めて知る一面に興味が湧いたのか、興味深そうに見ているRam。(ここのRam視点のカメラワークが私は大好きです)

Kingがどんな人か、というのがまたRamの中で蓄積されます。Kingもまた、自分が好きな植物に、Ramが興味を持ってくれたようで嬉しそう。

けれどまだ、この時のKingには、ただ少しずつ仲良くなれているRamとの関係性が楽しんでいるだけで、恋心の自覚はありません。

友人達に「旦那ができたのか?」とからかわれても、Rujくんに恋人だろうかと心配から尾行されてもきっぱりと否定しています。
見知らぬ女の子達に恋人同士だと応援された時も逆にサービスをしてあげるほどで、お姉さんに「恋人を見にきたの」と言われても、「違うよ」と言い澱むことなく断言もしているKing。

お姉さんの「ウブな感じはあなたと一緒ね」という言葉も、Kingの恋心の自覚がなかなか生まれず最終回で爆発してしまったことを思うと、流石は弟のことをよく分かっている「姉」なのだなぁと思いました。


【Ep.8    喋ってくれないから仲良くなった確信が持てない】

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帰り道を車で送ってくれるお姉さんに連れられて、思いがけずKingの実家に立ち寄ることになったRam。Kingの部屋と同じく実家にも植物がいっぱいで、リビングや部屋にも子供の頃の家族写真が飾られていて、Kingが家族に愛されているのを垣間見ることができます。
Kingの可愛らしい子供時代の姿を知れて嬉しいのか、今までに見たことがないほど、朗らかな笑みを浮かべているRam。
“知らないから仲良くできない“という姿勢だったRamも今は、“知ることができて嬉しい”になっているのですね。

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そんなRamの様子などつゆほども知らないKingは、Ramとの距離感を測りかねているようでした。
「どんな嘘を言ったんですか?」という、おそらく滅多に来ないであろうRamからのメッセージに最初は軽口で返すも、すぐに「怒ってる?」と続けるKing。
Rujくんに説明したように「からかっただけ」の範疇のことにも関わらず、とっさについた軽口が、Ramを本気で怒らせてしまうのではと不安が過ったのかもしれません。

相変わらずRamはKingと喋ってはくれないままです。Kingからするとそれは、自分はまだ仲の良い関係にはなれていないと感じるに容易く、せっかく近づきつつある距離感がまたゼロになることを恐れたのかもしれません。


自分はRamと一緒にいるのが面白いと思い始めているのに、Ramが心開いてくれているのか未だに分からない。
それをKingは寂しく思っているのではないでしょうか。

例えば、RamがDuenを大切にしている姿をKingは何度も見ています。
Duenと付き合う条件として、Bohnにボクシングの勝負を申し込んだRam。ボクシングの試合終了の際には「もし俺の友達を傷つけたら、お前を殺す」とBohnを脅します。その言葉をKingは側で聞いている。

Duenのことになると饒舌になるRam。体を張って戦い、最後の最後にそんな脅し文句を言うくらい親友を大切に思っているRamの愛情。クールなんかじゃないRamの姿。きっと近くにいるKingの姿は目に入っていません。
Ramもそんな顔をするんだ、そんな熱い気持ちを持つんだ、自分の前では“Cold Face”なのに、
そんなことを思ったかもしれません。

この時以外も、常からRamがDuenに対して心を許し普通に喋っている姿をKingは見ています。募金箱の時、キャンプ参加に対してDuenのアレルギーなどを心配していた時など。
気になる人が、自分といる時には見せない顔をしているというのは、嫉妬というか、切なさのような寂しさがあるのではないでしょうか。

Ramのパーソナルがなかなか見えてこない寂しさ。
Ramがタイ代表にまでなるようなプロのボクサーであること、高校でボクシングのコーチもしているということをPhuから聞いたKing。
Ramと仲良くなれたような気がするのに、Ramのことが少しは知れたような気がするのに、まだまだ初めて知ることがある。自分なんかよりもRamについて友人達の方が詳しい。

ここで、BohnDuenの2人を思い出したい。
ボクシングでRamと戦い、BohnはDuenのことを何も知らない自分が悔しい、と口にする。
アレルギーのことも知らない自分が悔しい。こんなに大好きなのに、Ramの方がずっと詳しいなんてと吐露する。

こういうところが、Bohnの美点だなと思うのです。
良くも悪くも、思ったことを口にする。Duenに直接言う。
Duenは「恋人なら嘘はよくない」というタイプなので、思ったことをすぐ口にするBohnと相性が良いのでしょう。

この日を境に、Duenを守る役はRamからBohnに移ります。Kingの実家でバーベキューで酔っぱらったDuenを介抱するのも、キャンプで迷子になったDuenを探すのも、RamではなくBohnです。

Kingにはまだ恋心の自覚はありません。
だからおそらく、その寂しく思う自分の気持ちもわかってはいません。ですがそのことを無意識に、EP.9でRamに吐露するのです。


【Ep.9 君と喋りたい】


Bohnとのボクシング対決後の帰り道、Ramが落とした自転車の鍵を奪うように拾い上げ、「送ってってやるよ」と申し出るKing。Duen達の前では平然としていたものの、実際にはBohnとのボクシング対決で、体がボロボロになっているRam。Kingはそのことに気づいていて後を追いかけてきたのでしょうか。友人であるBohnを応援しながらも、その相手であるRamのことも気にしていたのかもしれません。
気遣われたくないのか、Kingからそっぽを向いてしまうRamに、嘘をついたお詫び、とハエトリグサを差し出すKing。

このハエトリグサをプレゼントするKingの言動には、Ramの特別な存在になりたい、という気持ちが見え隠れするような気がしています。

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最初、Kingはフラワーショップでハエトリグサの種を探します。でも、お店では種の取り扱いはなく、また、その生育の難しさから苗から育てることをオススメされます。

種から育てる=0から手をかけ育てるということ。
無口で視線すら合わせてくれなかったRamに、何度も話しかけ、Giveを繰り返し、まさにゼロから関係を育んできたKing。
最近Ramと出会ったKingは、積み重ねてきた時間から生まれた信頼関係という点においては、Duen達には勝てません。
だから、Ramと自分だけのゼロから始めるものをあげたかった。KingはRamに自分が何か影響を与えたかったのではないでしょうか。

「(ハエトリグサを)お世話する時、俺のこと思い出すだろ?」

ハエトリグサをプレゼントするKingは、Ramの中に自分の存在を置いて欲しがっているようにみえます。
つまりKingはRamに、自分と一緒にいるときだけでなく、ハエトリグサを見るたびに、世話をする度に、自分のことを考えて欲しいと思っているのです。

これで恋心も無自覚だというのだからもう、私は天を仰ぎ見るしかないんですけども…。

Kingは、自分はこんなにもRamに興味があって、話しかけて、追いかけているのに、彼は今もクールなままで、自分に興味などなさそうなのが不満で、どうにか彼の中の自分の存在を大きくしたいと思っている。
前述したように、本当はもうRamの中にKingの席はできているのだけれど、それはKingには分からなくて、なんだったらそれだけでは不満で、もっと、自分を見て欲しい。

そんなお詫びにカッコつけてちょっと独占欲を忍ばせたようなハエトリグサを「俺、これ好きです。ありがとうございます」と受け取ってくれたRam。
(そのエモさにもまた私は天を仰ぐ…)

Ramが自分に対して、こんなにも素直に喋ったのは初めてで、大袈裟なほど喜ぶKing。
普通に喋れますと返すRamに、自分といるときは喋ってくれないじゃないか、という嫉妬のような不満を口にするKing。
その言葉に、Ramはちょっと逡巡するように目を泳がせます。Ramは当初こそ警戒心からかKingと喋らなかったけれど、今はシャイ故になのかもしれません。

念願だったRamが自分と喋ってくれたことが嬉しくて調子にノるKingに、おうむ返しで反抗するRamですが、「P‘Kingが好きです 」には、口を紡ぎます。
「俺のこと、まじで好きなのか?」とからかうKingをジト目で返すRam。
その後も、P’King可愛い、P’Kingは世界一いい人、と調子にノり続けるKingは完全に無視されながらも嬉そう。

心を許しているからか、Kingがお調子者の姿をとるからか、Kingの前ではしばしば子供っぽくなるRam。
“Cold  Face“を崩したくて、反応が見たくてからかうKing。
きっと、そんな他愛もないやりとりが、戦いを挑み親友の彼氏を認めざるを得なかったRamの気持ちを軽くしたのではないでしょうか。
その後、Kingが送る道すがら車中で2人がどんな話をしたのか、知りたい…とても知りたい…。

ハエトリグサの花言葉は「魔性の愛」らしいのですが、気がついたら魅了されていたのは果たしてどちらなのか…。



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Kingは、試験に向かわずにもたもたしているRamに声をかけますが、喋らずにメッセージで返答してくるRam。(Ramが喋らないぞと意固地になるくらい、Kingはハエトリグサの日、送って行った車の中でもテンション高く話かけていたのかな…見たい…その車内の様子を切実に見たい)
けれどそんなことには気にも止めず、珍しく動揺して焦っているようなRamに、背中を向けてその場で鉛筆を削り名前を書いて差し出すKing。
そのとっさのKingの行動に戸惑いながら、母が名前を書いてくれた鉛筆で幸運を運んでくれるものだから、と食い下がりますが、Kingは笑うでも怒るでもなく、「忘れてた」と言って、当然のように鉛筆におまじないをかけてくれる。急かされ、それを持って教室へ走るRam。
結果、鉛筆はPhuに貸したままだったのが戻ってきますが、迷った末、RamはKingがくれた鉛筆を試験で使うことを選びます。

Ramを送り出すKingの晴れやかな顔。
念願だったRamが自分と喋ってくれることが叶って、ふわふわと嬉しい気持ちがKingには続いているのかもしれません。Ramが意固地になって喋らなかったり、子供っぽい態度をとっても、Kingにとっては最初の頃のような”ColdFace”じゃないことが楽しくて仕方ないのかもしれません。

いつも突然現れては、なんてことないみたいに助けてくれるKing。その助けや与えてくれる愛情は、Kingが思っている以上に、Ramの中に一つ一つ丁寧に降り積もっていったのだと思います。


【Ep.10  あなたがいます】

Kingの鉛筆や勉強ノートのおかげもあってか、試験はうまくいったようで、そのお礼にまた食事に誘うRam。相変わらずKingは喋らないRamの意図を汲んで話を進めますが、そこに仏頂面なRamはいなくて、終始表情が柔らかで楽しそう。
本当はお母さんが名前を書いてくれた幸運の鉛筆は戻ってきたのに、Kingの「無くしたんだろ?持ってなよ」の言葉を訂正せず、その鉛筆を押し抱くRam。

突拍子もなくからかってきたりはするけれど、Kingが裏表がなくカラッとしていて、自分をいつも気にかけてくれている人であることをRamは今までのことを通して理解しています。

けれどそんな心地良い時間もつかの間、予想だにしなかった父親の不倫現場を見てしまったRamは、家族に確かめることもできず、1人思い悩むことになります。



試験明けの打ち上げで集まる一年生のところに、DuenにBohnから突然の呼び出しが入ります。ブーイングの中、呼び出された先がKingの家と聞いて意識が向くRam。
Kingの家についてからも、RamはDuenの手伝いをするでもなく、Phu達のところに行くでもなく、Kingに近づいていきます。

Ramは心の中では、Kingに会いたかったのではないでしょうか
風のように軽くて、いつも助けてくれるKing。どうしようもなく苦しいのに、家族にも友達にも言えず、いつもと変わらないふりをしていたRam。でも、話しかけてくるKingの顔を見るRamは、今にも泣き出しそうな子供のようで、そのことに早々に気づいたKingは、いつもとは逆で、Ramの手を取り有無を言わさずその場から連れ出していきます。

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Ramが困っていると、助けを求めていなくても何の気負いもなく救いの手を伸ばすKing。
勉強で困っている時、鉛筆を無くしたと思って焦っている時、Kingは颯爽と現れれ、喋らなくても意図を汲み取ってくれる。
いつも助けてくれるそんなKingに会えば、苦しい胸の内が少しは楽になるような気がしたのかもしれません。

「落ち込んだときはここに来るんだ」
そういって、庭にある秘密の場所にRamを連れてきたKing。
Ramの様子を窺い見、何かに悩んでいることをいち早く察しながらも、何があったかは聞かない。だけど、“君なら大丈夫だ“と真剣な顔で強く励ましてくれる。
この時のRamにとって、何があったか話さずとも自分を気にかけ、信じてくれるKingの心強さはどんなにか嬉しかっただろう。

「君みたいな人を理解してくれる人ってなかなかいないでしょ?だから悩みも全部溜め込んでしまうんだ。もしさ、悩みがあるんだったら、いつでもここに来なよ、いいな?」

ここに君の居場所を用意してあるからね、という安心感。
Kingの寄り添う言葉、未来への希望、居場所の提示、自分を理解し気にかけてくれる温かさ。今欲しい言葉を嘘偽りなく全部くれる人。

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思えば最初からKingはこうだった。
素っ気ない態度を取っても、縁もゆかりもない自分に愛情を与えてくれる人。
耳にそっとかけられた花。くるくる手元でその花を回し、言葉を探すRam。
言葉にならないほど嬉しくて、温かくて、溢れるKingへの感謝を伝えたくて、やっとの思いで出たのが「理解してくれる人なら、あなたがいます」だったのかもしれません。
Ramにとって、Kingはもう特別な人なのです。


それはまるで綺麗な花が咲いた瞬間のように、突然心の内を見せてくれたRamに、Kingは内心動揺します。
数えるほどしか喋ってくれなかったRamが、自分に対して「理解してくれ人なら、あなたがいます」という全幅の信頼を寄せる言葉を言ってくれた。しかも、あんなに柔らかく熱のこもった綺麗な瞳で見つめながら。

それはKingにとって、あまりに突然のことで、びっくりして、びっくりして、ドキドキしたはず。
唐突に訪れたCold Faceが壁を取り払う瞬間。完全に心を開いた瞬間。Ramにとっては積み重ねられた信頼の一角が出たに過ぎないのだけど、まるで一夜で花開いたようにKingには感じたかもしれない。
ColdFaceを崩したかった、Duenに話しかけるように、自分とも喋ってほしかった。だけど、Ramから自分にまっすぐ向けられた熱のこもった瞳に、揺れ動かされる自分の心はKingの想定外だった。
親愛度0%が、やっと30%になったと思った矢先に、100%の態度を見せられたような感じでしょうか。


Kingは無意識にRamのことを綺麗だと思っているように思います
Ramの横顔を本棚の隙間から盗み見たあの日、
Ramの名前の意味を知った時、
東屋でキラキラと濡れたような綺麗な瞳をしているのを見たとき、
花を耳にかけたのも、ただ似合うと思ったから。
EP.13で、Ramの首筋のタトゥーを撫でながら、“綺麗だ“と口にしたのは、まどろむ中で溢れたRamに対する素直な気持ちだったのだと思います。

ED曲の「Love with out Rule」

♪愛にルールはないとあなたに伝えたい
恋をするときは女も男も関係ない
知っておくべきことは本当の気持ち
大事なのはそれだけ

この日の出来事は、Kingの中でRamを友情以上の気持ちにやっと気づくきっかけとなります。
テントでのキスの時、最初にKingが思い出すのも、Ramの髪に花を差したこの日のことです。

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楽しいバーベキューもお開きになり、泥酔しつつも帰っていく皆んなを見送りに玄関に出ていたKing。Ramは、家の中に戻ろうとするKingの腕を掴み、「僕の父さんが…」と言いかけるものの、最後までいえずに友達を介抱する為に戻っていきます。

友達と別れ、自分もKingの家に泊まり、悩みを話すという選択肢もあったのに、思い切ることができなかったRam。
信頼しているKing。だけど、甘えることはこの時のRamにはまだできなかったのでしょう

いつも喋るよりも先に腕を掴んでくるRam。そんなことには慣れたはずのKingも、いつもと違うように感じたのか、手放された腕を所在なさげにしています。


【Ep.11  甘えることを許してくれる人】


「気持ちは晴れたか?まだだったら、俺が昨日投稿した写真見にいきなよ。もしかして俺がもっとストレス与えたかな?」
沈む気持ちのところに、Kingからのメッセージを受けて微笑むRam。
その場だけの言葉ではなく、続いているKingのRamへの気遣い。
それでもPinと父親の決定的なIG投稿を見てしまったRamは、ハスキー3頭を連れて家を飛び出してしまいます。
勘違いだったと思いたかった、弁明して欲しかった、そんなRamの気持ちも虚しく、父親は反論するどころか口止めを頼んでくる。家族が大切で大好きだったRamにとって、その失望感、虚脱感は如何程だろうか。

雷が鳴る夜道を歩くRamは、迷子の子供のようで、もしかしたらKingの“悩みがあるんだったら、いつでもここに来なよ“その言葉が頭をよぎったかもしれません。だけど、実際には甘える事もできず彷徨っていたRam。
そんなところに、ただ1人しか呼ばないあだ名で自分に呼びかける人の姿を見たRamの「どうして…?」という縋るような表情。

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本当はKingを頼りたくて仕方がなかった、会いたくて仕方なかったのかもしれない。
この時Kingに会えたのは、この上ないほど、心が震えたのではないでしょうか。Ramが困っている時は、いつもKingが現れるから。

Kingに悩みを打ち明けようと思った。Kingからもらったハエトリグサも家を出る時持ち出した。Ramがメッセージを送れば、きっとKingはすぐに助けてくれたでしょう。
それでも、Kingを頼ろうという選択肢がRamにはなかった。それは迷惑をかけたくないからかもしれないし、そこまで甘えていい人ではないと思っていたからかもしれない。

犬が苦手なKingのところに犬連れで来ていることに遠慮して、一旦はKingの誘いを断るものの、押し切られる形で泊まることになるRam。

落ち着いたRamはDuenに連絡をとります。きっとRamを心配するメッセージや着信がたくさんあったのでしょう。
「言いたかったらRamは自分から話してくるよ。僕にできるのは、協力して味方になってあげることだけだ」
Ramの家出の理由を知りたがるPhu達を治めるここのDuenは、本当に格好良いです。
そしてやはり、DuenとKingのRamへの理解の質は同じなのだなと思いました

Duen同様、自分の状況を追求してこないKing。
何も言わなくても、本当にどこまでも理解してくれる人。Ramの張り詰めていた緊張の糸が徐々に緩んでいく。
信頼していることと、甘えることができるかはまた少し違っていて、甘えることを許してくれたKingの存在は、Ramにとって本当に大きな存在となったのだと思う。

誰しもが、心配のあまり「何があったのか」と問い詰めたくなってしまうものなのかもしれない。けれど、苦しんでいる本人からすれば、打ち明けること、言葉にして説明することそのものが、ひどく辛いことで、口にできないということもある。

Kingは、ただひと心地つける温かな居場所を用意し、大丈夫だとRamの心に寄り添った。悩みの理由を知ってもアドバイスはせず、ただRamを気遣う。
Ramにとって、その暖かさ、心強さ、安心感といったらないだろう。怒りを父親にぶつけてみても心は一向に晴れない。どうしたらいいか答えは出なくても、Kingの隣で感情のままに泣くことで、悩む心もわずかに解放できたのだと思う。だからきっと、この夜はゆっくり眠れたのではないだろうか。(陽が高くなってKingが犬に怯える声を聞くまで、Ramは起き出さなかった)

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(明らかに空いている1人分の空間。泣き疲れたRamを宥めながら、2人で一緒に寝ていたのでしょうか。腕枕体制気味なのも気になります…)

Kingは最初、深入りはせずRamが落ち着くまで放っておくつもりだったのでしょう。Ramが話したくなったら聞き、アドバイザー、傍観者、サポーターなど、どの形かをとる、つまりは第三者視点でいるつもりだった。
だから、寝室をRamに明け渡して、「寝るときは電気を消してね」とだけ告げてソファーで眠りにつこうとする。だけど、それができなかった。
Ramのすすり泣く声に気づいて起き出し、躊躇いがちにRamの肩を掴むKing。“Cold Face“が崩れるどころか泣いているRamに、いてもたってもいられなくなったのかもしれない。

Ramの仲良さそうな家族写真や、Ramの恋人なのではと思っていた隣人。Kingもそれを知っていればこそRamの大きな苦しみを想像できてしまう。


ED曲の「Love with out Rule」

♪愛にルールはないとあなたに伝えたい
恋をするときは女も男も関係ない
知っておくべきことは本当の気持ち
大事なのはそれだけ


この夜、KingはRamとの関係において傍観者になることはできませんでした。Ramの懐に入ってしまったし、自分の懐にもRamを入れてしまったから。

傍観者でいることは楽です。冷静に俯瞰から物事を見ることができ、行動を選択することができる。だけど当事者になったら、理路整然にとはいかない。感情が先に溢れてしまうことがある。自分の心なのに、コントロールできなくなったりする。
それは、今までのKingの付き合い方よりも、一歩踏み込んだ関係。元々、2人だけで深めてきた絆に、2人だけが知っている悩みの共有がその絆を加速させていきます。




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翌朝、犬が怖いのに痩せ我慢をして、犬を家に置くことを許可するKing。Ramが犬たちと一緒にいたい気持ちを尊重します。
そんなKingの自分への気遣いを感じながら、Kingからもらったハエトリグサを持ってきて見せるRam。
「大事なものなので(持ってきました)」と言った後、照れからか下を向いてお粥を食べるRam。

“あなたがくれたものだから“
そう言って、苦手な生姜を食べたあの時と同じ。誰でもそうするわけではない、あなただから。P’Kingだから。

Kingは「お世話をするときに、自分を思い出すだろう?」と言って渡しておきながらも、こんなに大事にしてもらえるとは思っていなかったのかもしれません。
だけどRamは、本気で受け取った。いつだってRamは、Kingの他愛のない会話の内容もちゃんと覚えています。勉強ノートも鉛筆もハエトリグサもKingからの言葉も、RamはKingからのGiveを全部心から受け取るのです。
なのに、特別を願っていながら特別だと言われると驚いてしまうKingというすれ違いが発生してしまうのは、Kingが無自覚なせい。

RamとKingに恋の音がする度、本当の気持ちに早く気づいてとでも言いたげに繰り返し流れる「Love with out Rule」

「雨の日にはこんな曲が合う」と分け合ったイヤホンから流れてきた曲、
Ramが「理解してくれる人なら、あなたがいます」と言った時、
子供のように縋り泣き出したRamに「大丈夫だよ」と声をかけ頭を撫でた時、
家出しても持ってきていたハエトリグサを「大事なものなので」とRamが言った時、
草原で寝転がり、体を起こしたRamが「コップンナ」と見つめてきた時
キャンプに向かうバスの中で、「好きですよ」というRamの言葉を聞いた時
テントの中、寒がるKingをRamが抱きしめて寝ようとした時も。

♪愛にルールはないとあなたに伝えたい
恋をするときは女も男も関係ない
知っておくべきことは本当の気持ち
大事なのはそれだけ







そんなKingの部屋に、お姉さんと甥っ子達が尋ねてきます。
挙動不審なRamに気づき、子供が苦手なことを知って生き生きとするKing。調子に乗ってしまったかと一瞬怯むも、プリプリしているRamが珍しくて(可愛くて?)笑ってしまうKing。



【Ep.12  理解するよりも加速していく気持ち】  

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子供が苦手なRamと、犬を怖がるKing。図らずも、犬と子供のエンカウントという地獄絵図になってしまいます。
ここの2人は息がぴったりで、子育てでてんやわんやの夫婦みたいです。

外に遊びに連れ出した子供たちに勝負を挑まれ、ゲームに負けたらキスしてね!というお姉さんの入れ知恵に言葉を失う2人。


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楽しげなKingを見つめるRamの眼差しは優しい。ゴール付近、押し倒すような形でRamに被さるKing。Kingの恋の歯車がまた一つ確実に回ります。

甥っ子たちを送り届け、ベンチでまったりしているところをMekBossに囃し立てられる2人。噂の2人が、同じコードナンバーでもないのに学校も休みの日に天気の良い公園で一緒にいるのだから、囃し立てられても仕方ないとは思うのだけど、Kingは無頓着そうです。
(Bossが、RamとKingが恋仲なのだというお姉さんのship話を知っていることは、Kingは知らないのだろうけど)

ラブラブだな、の声に一瞬目を伏せるRamと、やれやれ顔のKing。
この様子を見ても、Ramの方が強く恋心を意識していそうです。



ぼーっとしていたRamは、Kingに「また悩んでる?」と問われて静かに頷きます。
周りに人がいないことを確認するように、少し逡巡しながらも隣に寝転がるKing。
「大丈夫だよ」「笑って、Ai‘Ning!Ai‘Ning!Ai‘Ning!」と笑いかけるKingにつられて笑ってしまうRam。


Kingは薫風のような人でもある。
昨日の夜は、どうしたらいいか分からなくて失意のどん底にいたRam。部屋に入れてくれて、自分は犬が怖いのにRamが犬達と一緒にいられるようにしてくれて、こうやって何度も励ましてくれる。

”あなたと一緒にいると、穏やかで温かく、幸せな気持ちになる”
「コップンナ」には、そんな感謝の気持ちが多分に含まれているような、優しいまろやかな声でした。

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見つめてくるRamの視線から逃げるように、ぎゅっと目を閉じて昼寝し始めるKing。
また一つ回る、Kingの恋の歯車。

♪愛にルールはないとあなたに伝えたい
恋をするときは女も男も関係ない
知っておくべきことは本当の気持ち
大事なのはそれだけ




犬が苦手にも関わらず、けたたましく吠える犬の声に異変を感じ、助けようとして暴漢に襲われてしまうKing。
今までのKingならば、吠え叫んでいる犬の近くには絶対に寄らなかっただろうに、Ramの影響を受けてだろう、放っておくことができなかった。
そして、さっきまで思い悩んでいたRamが気持ちよさそうに眠っているのを起こすのが忍びなく、1人でその場に向かってしまいます。

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頭を殴られ、怪我をしてしまったKingを甲斐甲斐しく世話をやくRam。
頭を縫われていた間、自分がRamの手に爪を立て傷つけてしまったことにKingは気づきますが、Ramは何も言いません。

“自分が眠ってしまった間に、犬が苦手なはずなのに、Kingが犬を助けようとして怪我をした“
きっとRamは、自分がもっと早く気づいて起きていたらと、Kingを守れなかったことへの自責の念を抱いたのではないでしょうか。
病院に連れて行き、頭を縫っている間も側にいて、眠ったままのKingを部屋に連れ帰ってきたRam。1人でKingが目を覚ますまで見守っている間、心配でたまらなかったはずです。

そんな大怪我を負ったにも関わらず、キャンプに行くといってきかないKingを心配するRam。長子気質なRamと、弟気質なKingの関係性が垣間見えます。

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いつもなら深く眠ってなかなか起きないRamが、夜中苦しむ様子のKingにすぐ気づいたのは、横になって目を瞑っていただけで、実は寝ていなかったのかもしれません。
病院で医者から怪我の説明を受けていたのはRamだっただろうから、熱が出る可能性や薬のことなどを聞いていたのかも。

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Kingに首元のタトゥーに触れられ、少し動揺するRam。
ドリームキャッチャーのタトゥーの意味を聞いて、「悪夢を今も見る?」と訊ねるKingに、逡巡した後小さくうなづくと、「大丈夫だよ、俺も見るんだ。でも起きると全てが良くなってる、絶対にね」と手を握って励ましてくれるKing。
自分がこんな状態なのにも関わらず、眠りに落ちる瞬間までRamを気にかけ、励ますKing。そんな彼にRamの中の想いは余計に膨らんだのではないでしょうか。

♪挿入歌「Would You Mind」

あなたは気にしますか?もし誰かがいたら
あなたの側にいたかったのは誰ですか?
あなたの世話をしたかったのは誰ですか?
私と一緒にいてください

”この人の側に居たい、居させて欲しい”
Ramの気持ちを代弁するように、挿入歌が流れる。

「綺麗だな」
ドリームキャッチャーのタトゥーに触れながら呟くKing。その言葉を何度、Kingは心の中で思ったのだろう。

初めてRamの名前を知った時は、その名前が「綺麗」という意味であることに似合わないと口にした。それは、Ramの無愛想で無骨な感じ故にだろうか。
だけど、初めて図書館で盗み見した時も、その横顔に見惚れたのではなかったのか。花を髪に刺したとき、まっすぐ見つめてくるピュアな瞳、眠る寝顔、あれから何度もRamを綺麗だと思ったのではないでしょうか。
意識が薄らいで行く中で素直に出た「綺麗だな」という言葉は、ずっと思っていたKingの本心のように感じる。


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Ramの肩に描かれた図案には、ホヌと波と植物のようなものなどが描かれている。

ホヌ(海亀)のデザインの意味は、長寿、健康、繁栄、調和など。守り神や幸運の象徴として描かれることもあるそう。
そして、ホヌと波は一緒に描かれることが多く、永遠に途切れない2人という意味もあるらしい。
軽く調べた程度ではそれ以上のことはわからなかったのですが、植物のようなデザインといい、Kingとのことを示唆しているような気もします。(胸にもタトゥーがある?)
原作ではその描写が描かれているのか…Ramが答える前にKingが眠ってしまったので意味するところは分からないまま。忘れた、と前置きしながらもふわりと微笑み答えようとしたものが何だったのか、2期でその辺りが紐解かれたらいいなと思っています。



それから2日後。
キャンプ当日に寝坊したKingとRam。Ramが安心してぐっすり眠れるくらいには、Kingの怪我もよくなっているよう。

3日前、家出したRamを招き入れた時は、ベッドをRamに譲りソファーで寝ようとしていたKing。(最終的には一緒に寝た?)
怪我のお世話をする都合も相まってか、2人でベットで寝ることに違和感はないらしい。

一緒に暮らしていることに違和感がなく、心地よい。
無口なRamとおしゃべりなKing。世話を焼くRamと気遣い屋なKing。
2人の相性が良いことの証ではないでしょうか。


寝ぼけているRamを叩き起こし、「一緒にシャワーを浴びるぞ」と声をかけるKingに目を丸くするRam。

“一緒にシャワー“に動揺し頭が冴えたRamと、そんなことよりも遅刻しそうなことに焦っているKing。
ここでもまだ、Ramの方が恋心の気持ちは強いようです。

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なんとか、出発するバスに間に合った2人。
Teeの「昨夜一緒にいたのか?」にドアの前で会った、と誤魔化すKing。頭の怪我についても同様に誤魔化します。家出騒動から心配していた1年生たちもRamが現れてホッとしている様子。

2人で一緒に暮らしていることは内緒にしたKing。
それは、恋心を誤魔化そうとしたのではなく、Ramの秘密を守るための理性的なKingの判断だと思います。

昨夜は一緒だったといえば、なんで一緒にいたのかと聞かれるだろうし、Ramが家出していることを知っている1年生たちにも、Ramの居場所が分かってしまう。
怪我をした理由も、犬を助けようとして暴漢に襲われたと素直に言えば、犬嫌いのKingが犬を助けた?何で?など深く追及されてしまうだろう。
KingはRamの悩みに誰もが触れないように配慮しているのだ。


ところで、一緒にシャワーを浴びて急いで出てきた2人。同じ匂いがしたりしないんだろうか…。
めざといTingTingがバスの中の様子に癇癪を起こしているけれど、もちろんその相手の中にはRamKingペアも含まれている。「お似合いだね」といったTangを嗜めたように、RamKingが良い仲になっている雰囲気は、TingTingはもとより、側から見たらバレバレなのではないだろうか。
自分たちの空気の変化に気づいていないのは、むしろ2人だけ(特にKing)なのかもしれない。


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バスでのキャンプ場への移動中。スマホの電源が落ちて音楽が聴けなくなってしまったRam。その様子に気づいてKingはイヤホンを片方貸す。以前、Ramがそうしてくれたように。その2人の思い出に笑顔になるRam。

「その笑顔は(この曲が)気に入ったんだな」と得意げなKingに、「好きですよ」とだけ告げて、窓の外へ視線を移すRam。
この時のRamの表情が本当に優しくて、とても嬉しそうで、その「好き」は曲のことを指し示している訳ではないことは分かる。

“バスで2人でイヤホンを分け合い、同じ曲を聞く”
同じシチュエーションでも、こんなにも2人を取り巻く空気は変わっている。

あの時は、Ramは仏頂面で自分の中の恋心の片鱗に少し居心地が悪そうにしていて、KingはというとRamの腕を肩に回して自撮りしたり恋心に気づいてはいなかった。
今やRamはKingに柔らかな微笑みを向けて幸せそうで、Kingは自分の中の気持ちに戸惑っている。

(SOTUSのED曲で、同じラブソングを聴くだけで心が温まる、って歌詞があったな、などと思い出す私。)


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頭の傷を気にするKingを心配するRamに、今まで以上に心が揺れるKing。

♪愛にルールはないとあなたに伝えたい
恋をするときは女も男も関係ない
知っておくべきことは本当の気持ち
大事なのはそれだけ


Kingが抱くRamへの気持ちの種類。
少しずつだけど確実にKingは気づいてきていた。そして、2人で暮らすようになってから、Kingの理解が追いつかないほど加速してきているのです。



【Ep.13 深くなればなるほどに】

Kingが意外と危なっかしいところがあることに気づいているRamは、怪我したばかりのKingが心配でならない様子。
キャンプ場に着いて早々、地面につまづくKingの腕を掴んで支えるRam。
水の中に入っていくKingを心配しているRamの視線に気づいて、Kingは「頭の傷には気をつけるよ」と応えながらも、結局足を取られて頭まで水の中に入ってしまいます。
眉間の皺が一層深くなるRam。まだ遊び足りないKingを強引に引っ張っていきます。

Kingの方が先輩なのだし、Ramに怒られても気にせず遊んでもいいところですが、駄々はこねつつも素直に従うKing。
Ramが本当に心配して世話を焼いてくれているこの二日間があればこそ、なのだと思います。

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つまらなそうに川辺に座っているKingの頭にそっと花冠をのせるRam。
はしゃぐKingを嬉しそうに見てるRamの柔らかな眼差し。

川で遊べず落ち込んでいるKingを喜ばせたくて、Kingに似合うと思って作った花冠は、以前のように、Kingがくれた何かの“お礼“で渡したわけではありません。Kingを喜ばせたくて渡したRamからのプレゼント。

♪OP曲「The  Person」は、My  Engineerの全CPに当てはまる歌詞だと思うのですが、RamKing目線で見ると、最初から最後まで本当に当てはまりすぎて胸が苦しくなります。親和性が高すぎる…。

あなたが私を心配してくれていることを知っているだけで
それだけで 心が温まる
あなたは私に愛が与えるものだって気づかせてくれた


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通りかかったTingTingに写真撮影をお願いするKing。自分で作られたんですか?の問いに、「すごく親切な人がくれたんだ」と答えるKingに、照れたように目を伏せるRam。
写真を撮った後、Tangは2人がお似合いだと溢して去っていく。Kingはその言葉をRamがどう感じたのか顔色を伺うようにして目が合ってしまう。

KingはRamと一緒にいると、いつもカップルだと囃し立てられた。
偶然出会った女の子達、Kingのお姉さん、MekBossにも。その度に、違うんだけど?という気持ちだったKing。

なのに、Tangに「お似合いだね」と言われたこの時の心情は違った。お似合いだと言われて、お似合いに見えて、悪くない気持ちだった。
それはKingのゆっくりで鈍い恋心の自覚としては、とても大きな進歩だと思います。

他者の影響を受けずに2人で進んできた関係性に、初めて誰かの言葉が響く瞬間。
誰かが何かを言おうとも気にしたりはしない2人。
そんな2人が「お似合いだね」という他者の言葉を嬉しいと思う。そう他人から見えるのだろうか、と喜ぶ。


「ここ楽しいな、天気もいいし、悩みも忘れられる」
いつもは言葉の選択を間違えないKingが、Ramに悩みを思い出させてしまったことに気づき、慌てて訂正するが、Ramは顔を曇らせ、その場から席を外してしまう。そんな自分に苛つくKing。

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この事により、Kingは自分の恋心に急ブレーキをかけてしまったのだと思います。
少しずつRamへの自分の想いに気づいてきていたKing。戸惑いはありながらも、心地よさを感じること自体にはブレーキはかけてはいませんでした。
友達もこのキャンプに来ていたのに、Ramと一緒にいることに疑問はなく、後輩に庇われたり嗜められても嫌ではなかった。本当だったら、このまま気持ちをゆっくり受け入れていったかもしれなかった。

けれど、Kingはブレーキをかけてしまう。
お似合いだという言葉に浮かれて、自分らしくない不用意な形でRamに悩みを思い出させてしまったという後悔。
悩み苦しんだ上に夜中に犬を連れて家出し、どうしようもなく泣き崩れたRamの悩みを唯一知っているKing。
自分の気持ちを無かったことにはできなくても、今ではない、と無理矢理押し込め、気持ちを切り替えようとしたのではないでしょうか。いつものP’Kingに戻るために。
おそらくKingは、Ramの気持ちが恋心で自分に向いているとは思っていません。だからこそのねじれになってしまう。

急に深くなった2人の関係。
それまでもKingはRamには驚かされてばかりだった。なかなか心を開いてくれないかと思ったら、想定外の反応を見せる。それが2人一緒に暮らすようになったら、Ramの心がどんどん近づいてきて、真っ直ぐに惜しみなく受け渡される。
たくさん喋るわけではないけれど、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれ、犬が苦手なことにも植物が好きなことにも寄り添ってくれる。
あなたがいます、そういって警戒心の強いあのRamが自分を信頼してくれているという優越感にも似た嬉しさ。
冷静沈着でも、しっかり者のKingでもなくていい。自分の方が先輩だけど弟のように世話を焼かれてもいい。
Ramが何を考えているのか、瞳の奥を覗き込むうちに、熱量に絡め取られていたKing。
だけど、Ramが心を許した人にはそんな目を向ける人なのか、それが恋情を含んだ視線なのか、最近になってようやく目を合わせ話してくれるようになったばかりのKingには分かりません。分かるのは、その度に自分の心がひどく揺れるということだけ。

KingはRamの些細な心の機微には気付くのに、自分へ向けられた視線が恋心なのか親愛なのかは見分けられません。
親友のDuenと喋っているRamと、自分と喋るRamが違うなんて、Kingには分からない。比べることができないし、周りのみんなは2人の世界を知らないから、比べられることもない。
Kingにいくら洞察力があっても、Ramが「P‘Kingのことが好きです。付き合ってください」とでも告白しない限り、Ramの気持ちの名前はKingには伝わりません。だけど、そこまでRamは饒舌でもない。まさに両片思いのすれ違いが起きてしまうのです。





BohnとDuenの喧嘩に巻き込まれるカタチで、RamがKingのテントにくることになります。
ここでもKingは1人は寂しいと口にしている。1人でも平気なRamとは違うKing。Ramは弟のいる長子、Kingは姉のいる弟、というのがまた良いバランスなのかもしれない。
面倒見が良いが思い詰めやすいRamと、パッショナブルな姉と母の中で育ち、状況判断ができつつ自由人なKingというバランス。
(陰陽、月と太陽、補う凹凸なニコイチが大好きマン、大歓喜。)

「夕方、ごめんな。父親のことを言うつもりじゃ無かった」
Ramに自分がストレスを与えてしまったのではと後悔しているKingに、「大丈夫です。わかっています」と返すRam。
ありがとう、と返すKingは許されてホッとしていると言うよりも、しっかりしなきゃと改めて決意したような顔をする。

確かにRamはKingの言葉で悩みを思い出したのでしょう。だけど、それでKingを責めるつもりはないし、意図せず出た言葉だということも理解している。そしてそれを口にも出した。だから、Kingがこんなにも深く気に病んでいるとは思ってもいないでしょう。

♪誰かを愛することに理由は必要ない
愛に関してルールはない
大事なのは本当の気持ちだけ


その夜、体調が悪くなったKingは夜中に目を覚ましますが、薬が手元にないことに気づきます。隣で寝ているRamを一瞥しながらも、声をかけずに一人で救護室へ向かってしまう。
しっかりしなきゃ、甘えすぎていた、と、Ramを頼りにすることを躊躇してしまったKing

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(“薬を取りに行きます”“緊急の連絡(急用?)”と携帯電話の番号らしきものが書いてあるので、救護室には人がいない模様)

途中で起きたRamはKingがいないことに気づき、ひどく心配して探しに出ます。Kingは電話をしようとしたのか携帯を握りしめて救護室の前で倒れていた。

「どうして言わなかったんですか?」
「迷惑をかけたくなくて」

Ramの立場からすると、自分が寝ている間にKingが倒れているということは、2回目です。
もし自分が目を覚まさず、気付かなかったらと思うとゾッとするでしょう。頼ってくれたらいいのに、守りたいのに、迷惑をかけたくない、なんて今更他人行儀なKing。

熱が上がってきて寒そうなKingを抱きしめて添い寝しようとするも、振り払われてしまいます。

“友達“の距離感じゃないからRamの腕を振り解くKing。
“友達“じゃないからこそ、抱きしめたRam。

明日は付き添わなくていい、友達といなよ、友達と来たんだから、と、やたら“友達”をKingは強調します。
側にいるRamごと拒絶するKingに問いかけるように「Would you mind」が流れる。

誰かを愛することに理由は必要ない
愛に関してルールはない
大事なのは本当の気持ちだけ




翌日の植樹作業から2人は別行動をします。けれど、昨晩倒れたばかりなのに皆んなの前でなんとも無かったように振る舞うKingがRamは心配でなりません。

BohnとDuenの様子がおかしいことに気づいたKingが声をかけると、
「多分、俺がまだ怒ってると思ってるんだ。だから俺を避けてる」というBohnの言葉でRamを見てしまうKing。Ramを急に遠ざけた自分をRamはどう思っているだろう。怒っているだろうか。
そうは思っても、以前のように側にいることも、理由をRamに説明することもできない。

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DuenがBohnとMilldとのことを知っている可能性をKingは示唆します。
「(Bohnと)話さないし、見ないし、気に留めない。存在を否定するみたいに」
意地を張って、本当にそれでいいのか、失うことになってもいいのか、とBohnを諭すKing。
だけどその言葉は、全てブーメランとなってKingに刺さってはいないでしょうか。
Ramの存在を否定するみたいに、話さないし、見ない自分。

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Kingの姿を追うRamの視線。それに気づいて振り返るKing。2人だけお互いを見ている集合写真。
こんなにもお互いを見ているのに、一緒にいない2人。

Kingの本心はRamと一緒にいたい。だけど、Ramの瞳を見るほどに、側にいるほどに、気持ちが加速してしまう。回った歯車をコントロールできるようになるまでは、“いつものP’King“を取り戻すまでは、距離を置くことを選ばざるを得なかった。例えそれが一方的で、Ramが自分に怒っていたとしても、構う余裕はKingにはないのです。


Ramにとって、Kingの態度はどんな時も変わりませんでした。
自分が無視していた最初から、一緒に暮らすようになった最近まで、一貫して、KingはKingのままだった。
父親にも親友にも裏切られたRamにはそれが、安心できて、とても嬉しいことだったのではないでしょうか。
だからこそ、突然自分を避け始めたKingの理由が知りたかった。
「行動には意味がある」という以前のPinの言葉を覚えていたかは分からないけれど、Kingが意味もなく自分を拒絶するとは思えない。
苦手な犬ごと部屋でお世話になっている現状。怪我もした。迷惑をたくさんかけている。自分と一緒にいることが嫌になったのだろうか。Kingはいつも優しかったが、本心では迷惑だったのだろうか。
離れている間も、Kingの姿を見ながらその理由を考えていたのでしょう。
Ramを悩ませたくないはずのKingの行動が、Ramを悩ませてしまっていることにKing自身は気づいていません。




Teeが主催するカードゲームの場に揃って参加している2人ですが、離れた席に座っています。飲み会でも、バーベキューの時でも酔い潰れることはなかったKingは、Ramとのことが気がかりでゲームに負け続けたのか、早々に酔いが回ったのか、珍しく潰れている。
距離を置かれていながらも、Kingを介抱しテントへ連れ帰ろうとするRamを言葉も荒く拒絶するKing。そんな姿は珍しいのかTeeも驚きます。


最終回の詳しい感想は、昂った気持ちのまま書き連ねたこちらがあるので省略しますが、


テントでのキス。それは一方的な想いではないことが私たち視聴者には伝わるのに、やっぱり2人がお互いの気持ちを言葉にしないと伝わらないのだなと思うシーンでもあります。

衝動的にキスをしてしまったKingは苦しそうに顔を歪め、突然のことに驚きながらもKingの頬を手で包み応えるRam。
その後も何度もキスを重ねるのは、Ramが空気に流されたわけではありません。2人の回想から見ても、Ramの方が先に恋心を感じているのもわかります。
もしかしたら、Ramもこのキスで、ふんわりと感じていたKingへの恋心を確信したのかもしれない。

“いつものP‘King”などほど遠く、言動も荒く一歩的に気持ちをぶつけてしまったKing。時間をおいてコントロールするはずが全て裏目に出て、全てを吐露してしまった。

忘れていて欲しいKing。忘れていないRam。
RamがKingのことをそういう意味で好きだとは思っていないから、同意のうえのことではなかったから、朝目が覚めた後ももやもやが晴れないKing。

片やRamの方は、ほっとしているかもしれない。
避けられている理由が、嫌われたからなわけでも、迷惑だったからなわけでもなかった。Kingからキスされたのはびっくりだったけど、一緒に眠って、朝起きたら、昨日までとは打って変わって普通に話しをしてくれたのだから。

けれどKingはRamは酔って覚えていないと早合点し、なかったことにして、おばあちゃんの家へと行ってしまいます。
両片思いのすれ違いは、キスをしてもまだ続いている現実。
キャンプから帰ってからの2人が楽しみ…早く2期ください(わくわく)




この2人は、自分の世界が確立している2人。
1人でも、大概のことはできるしそれで不満もなく、無理に他と足並みを揃える必要もない。
だけど、1人よりも誰かと一緒に何かを共有する楽しさや、世話を焼いたり焼かれたりする嬉しさ、1人では耐えられないことも一緒なら乗り越えられる心強さなど、2人で暮らすうちに知っていったのでしょう。

RamとKing。
最終回の昂りのままnoteを書き綴り、満足したかと思ったものの、2週目3週目するうちに、好きがさらに募っていく。
考察(というか感想文)を、ずーっとこねこねしているうちに、夏の終わりどころかもう11月も目前になっておりました。
本当に好きすぎて、私の心がダメになっちゃいます(それは違う作品)

タイ語原作がスラスラと読めるようになりたいけれど、その前に2期がきてしまいそうです。


そして改めて、TwitterでMy Engineerの布教シートを作ってくださった皆様、日本語字幕をつけてくださった女神様、本当にありがとうございます。
布教シートをお見かけしなければ、My Engineerに出会えなかったかもしれませんし、タイ語が分からない私は言葉が分からずこんなにハマることもできなかったかもしれません。本当にありがとうございます。
恩恵を甘受するばかりで、何かの形で私もタイ沼にお返しをしたいなと常々思っております。

このnoteを書ききるまでは、他の方のRamKingの考察文や感想文をなるべく見ないようにしていたので、今日から心置きなく見に行けます!(晴れやかな顔)

My Engineerの2期、心より楽しみにしています。
このような長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。




【引用元】

OP曲「The  Person」説明文内のタイ語歌詞→英語自動翻訳→日本語訳にしたものを本文中に引用


ちなみに、OP曲「The  Person」は、こちらのMVには日本語字幕があります。
ぜひこちらをご覧ください。(日本語訳し終わってから、そのことに気づきました…;;)



挿入歌「Would You Mind」※日本語字幕参照


ED曲「Love with out Rule」※日本語字幕無しの為、説明文内のタイ語歌詞→英語自動翻訳→日本語訳にしたものを本文中に引用


【My Engineer Ep.1】


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