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何てことない忍ぶの日常〜どうにもならないこと〜

最近忍ぶはよく夢を見る。
洋服の販売員になった夢だ。
なった、というよりも、であったという方が正しい。
なぜなら店にいるのは元同僚や上司だし、隣のショップの人まで同じ。
忍ぶはもともと服を売る仕事をしていた。

忍ぶは焦る。何故なら忍ぶの今の会社は副業禁止。見つかったら懲戒モノだ。
頼まれたから仕方ない…でも、今の会社にバレたらどうしよう。というか、なぜ私はここにいるのだろう…。
と途方にくれた気持ちのまま目覚める。

転職したことに後悔はしてない、ハズだ。
仕事量は段違いに増えたけど、そのぶん生活が安定していて、奨学金の支払いやマンションの更新に怯える必要がない。
ストレスの多い仕事だが、それでもじぶんのさがにあってると思って選んだ仕事…のハズ

なのになんでこんな夢を見るの!?

忍ぶは叫びたくなる。
心当たりがあるのです。
ある懸念事項を抱えていて、社会人5年目にして、二度めの転職を考えている。

それは、すばり、小池くんとの結婚だ。今の仕事をしている限り、小池くんと結婚は出来ないからだ。
忍ぶの会社は全国転勤有りだが、それもいずれは東京に戻ってくる前提。
つまり、小池くんが地元で就職してしまったから、ふたりが将来一緒に暮らせる可能性は今の段階では0。
別居婚でもいいけど、子育てという問題に直面したとたん、別居婚は根本的な原因を先延ばしにしているにすぎないことに行き当たる。
つまり、いずれは小池くんか忍ぶのどちらかが仕事を辞めなければならないだろう。

で、仕事、やめる?


辞めたくない。正直辞めたくない。
予備校に通ってまで勉強して、やっと手にした仕事だ。経験を積んで、ようやく面白さを見出せるようにもなってきたのに。

そう思いながらも、小池くんと天秤にかけるとその思いすらぐらぐらと揺れる。

そのうち、忍ぶがおとこだったら、なんて考えてもしょうがない恨み言まで思うに至り、最後には思考を放棄する。

ひとりでかんがえてもしょうがないんだから。


これまた問題を先延ばしにしているにすぎないのに、すべてては結婚に踏み切れない小池くんのせいだわ、と他人のせいにして、ふりだしにもどる。


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