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#44 裸で眺めると、


何も無い。
記事にするような溢れ出る感情は、何も無い。

そんなことはない。
無いものにしようとしているだけだ。
麻酔を打たれたように、頭も体もぼーっとして
物事や感情の輪郭が、そして自分の存在までもがぼやけていく。

そんな、よく分からない力が
私の中に蔓延している。


今日は絶対に、絶対に
何も書けなくても書かなければいけないと思った。書いて投稿する。絶対に。
さもなくば、私はもう、ただ生命を維持し続ける肉の塊になってしまいそうな気がして。


私は自分が、
どうしたいのか
どうすれば良いのか
どうしなければいけないのか
どうすべきなのか

分からない。分かりたくないよ。
分かっているから。


もっとお芝居がしたい。
私なんてダメダメなんだけど。

体を動かして、
ことばの意味を考えて、
音と風を口から出して遊ぶの。
目の前の人と、目で抱き合うような。

頭が痛くなる程の感情で支配されたい。
食べた物を全部吐き出すくらいの、
いっぱいいっぱいの感情で。



この一年。
5年に感じるような一年だったな。

沢山の事が嵐のように降り落ちた。

水浸しの床に力なく座って、悪魔の言葉を思い出す。「自由だ」と。
私は、自由なんだろうか。

この世の人は皆自由だ。
そしてきっと、誰も自由ではない。
自由。久しぶりに聞いた言葉だった。



1月におじいちゃんが死んじゃって、
11月に飼い猫が死んだ。

心臓が止まった生き物は、まるでレプリカのようで。でも先程まで確実に生きていたんだという証拠が、しわや毛の一本一本に残っている。

そこにいるけれど、もういなくて。
もう会えなくて。
話しかけても、揺さぶっても目を覚さないんだ。

うん。
命が終わった時、それまでの記録がはじめて、
思い出になる。


みんな、どこに行ったのかな。
また会えるかな。

どうして、離ればなれにさせられるの?




何度も試みる。

ベッドに寝て、目を閉じて、
意識をゆっくりと頭のてっぺんまで上らせる。
そして頭を通り過ぎて一回転。

くるって、体が回る感覚。



ありがとうね。
何か面白いことは、あったかな。


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