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"絵、洋服、ダンスに夢中だった10代の話"MAI NAGAMOTOインタビュー(前編)

今週土曜日から渋谷ロフト4Fにて開催する"KONER GALLERY ART SHOW 〜CAT ART SHOW〜" にも出展頂くMAI NAGAMOTO氏にインタビューさせて頂きました。
幼少期から現在までのお話を沢山頂き、絵に情熱を注ぎ続けて進化し続けるNAGAMOTO氏の熱い気持ちが感じられる内容となりました。
KG 活動の拠点はどちらになりますか?
M 東京を拠点に活動してます。
KG 生まれも育ちも東京ですか?
M 生まれは東京台東区で、育ちは埼玉県です。
KG では子供の頃のお話から伺いたいと思います。どんな小学生だったんですか?
M 3兄弟の末っ子。習い事のし過ぎでストレスフルな小学生でした。息抜きのファミコンも、主に兄から与えられるゲームのレベル上げのみを永遠に担当。毎晩プロレス技(大技ばかり)をかけられる。常に家に居たくないなあと思っていました。

KG おぉ〜そうだったんですね!このインタビューの為にわざわざ昔の友達から情報収集してくれたと伺いましたが!
M はい!今回の為に幼馴染達から情報を頂きまして、まとめると...
学校では"明るい変人"だったようです。
KG (笑)友達に言われてたんですか?変人って・・・。
M はい、変わってるとか変な人とはよく言われてたみたい。でも実際自分ではわからないです。。覚えていない。でも、中学でも何故かクラスの変態ランキングというのでは上位を争ってました。
KG なぜ変なんですかね?
M わからないです。これも友達から頂いた情報で、親とか兄弟と仲違いした後に、飼っていた犬の小屋で寝泊りしていたみたいです(笑)
KG ヤバいですね(笑)
M やばいのかなぁ?犬飼っている人なら皆やりそうだけど・・・。
KG 僕の実家でも犬飼ってましたが考えたことなかったです(笑)
M あ、でも私は友人関係に分け隔てが無くて、例えば、不良みたいな子達や、障害者の子とかとも普通に仲良かったから、子供の価値観からしたら変な子に見えてたのかも。あとはとにかくよく笑っていたみたいで。"一人でも全然平気、小さいことは気にしないタイプ"と友人達から頂いたLINEに書いてあります(笑)
KG お友達の方、情報ありがとうございます!男の子とも仲良かったんですね!
M はい。当時、高校生の兄は格闘技をしていて、そんな兄と毎日本気の殴り合いのケンカをしていたので男の子みたいな女の子だったかもしれないです。
KG 絵の方は当時から描いてたんですか?
M はい。教室の机が真っ黒になるくらい描いてましたね。友人曰く、近くに寄ってもとにかく黙々と描き続けていたらしいです。スケッチブックをいつも持ち歩いてて。
ただ、絵に興味を持った"きっかけ"っていうはしっかり覚えていて、小学1年生の頃の父の日の絵画コンクールで大賞を取ったんですけど、父親が凄い立派な金の額縁に入れて飾ってくれたんです。それがすごい嬉しくて。普段は褒めてもらえないのに、その時は沢山沢山褒めてくれた。あと、お前は頭は悪いけど勘がいいってお父さんに言われたのを覚えています。
KG おぉ!それは嬉しいですね〜。ただ、頭が悪いって・・・(笑)1年生の絵画コンクールで大賞ってことは元々絵を描くのが得意だったんですね。
M 小学校の写生会も6年間ずっと金賞を取っていたので、私はもしかして絵が得意なのかもな?っておそらく思っていたはず。
KG 6年連続って凄いじゃないですか!そうなると自然に絵が好きになっていきますよね。
M 皆んなが大っ嫌いな美術の先生も私の絵をいつも凄く褒めてくれて、そんな出来事も絵を好きになった一つかなと思っています。
あと、綺麗な色やモノに敏感だったのは覚えていて、景色とかお花とかガラスとか光とか、何でこれが綺麗なんだろう?っていつも考えて絵を描いていたのを覚えています。女の子の奇麗な足とかも好きでした。
KG 当時から独特な感性を持っていたんですね!中学生になってからはどんな感じだったんですか?
M 幼馴染の情報によると、とにかく明るかったみたいです。 友達を楽しませるのが得意だったみたい。あと...悪事は数知れず、先生は泣いていた、と情報を頂いたLINEに書いてあります・・・。
障害のある子を日常的にグループに入れたりして偏見無く接していたのを見て、クラスの皆が良い影響を受けていた、とも書いてありますっ!

「中学の時に描いたという大好きなキューピーちゃんの絵」

KG 個人的にはどんな悪事なのか気になるところですが、そこは別の機会に伺いたいと思います(笑)勉強の方はどうだったんですか?
M 美術は得意でしたが勉強は苦手で特に数学は終わってましたね。数字見ると寝ちゃう。本当に寝ていました。 今もそれは続いています。
KG (笑)部活の方はどうだったんですか?
M 剣道部で部長でした。
KG 強かったんですね!
M 強くなりたいとは常に思っていました。
あと、中学時代にロンドンにも行きました。
KG え!?ロンドンですか?
M その当時の兄の友人が、色んな国に行ってる子だったんです。ロンドンはその人に付いて行ったんですよ。
KG 詳しく教えてください!
M 当時、私は駅でたまたま見かけたゴッホとモネの広告に心を奪われてしまいました。調べたらその絵がロンドンで見れるっていうのを知りました。 。それでタイミングよく兄の友人がロンドンに行くって聞いて、貯めていたお年玉を全部使って一緒に行くことにしました。
KG え、学校を休んで行ったんですか?
M 冬休み中の1週間くらいだったかな。詳しくは覚えていないです。
KG 絵は観れましたか?
M はい本物を。でも実際2人(ゴッホとモネ)に会えると信じていたから、会えないのを知ってガックリした記憶があります(笑)ただ、絵を目の前にしたらガラスに顔をへばり付けて見ていたみたいです(笑)その時位から絵に関しては特別な思いがあったんだと思います。
KG なるほど!子供ながらに何か感じるものがあったんですね。他には何か覚えていますか?
M  服も好きだったので、ロンドンで買い物するのを楽しみにしてたんですが、高くて本当に何も買えませんでした。海外って光の色とか空の色が違く見えるなーと思いました。
KG そうだったんですね(笑)でも中学生でロンドンはなかなか行けませんよ!今にも繋がるすごく貴重な経験をしていたんですね!高校はどんな学校に通われてたんですか?
M 絵が好きだったので美術系の学校かなと漠然に思っていたけど、絵と同じくらい服も好きだったので、迷っていて・・・。そんな時に雑誌で見た"制服が可愛いランキング1位!"という甘い広告に惹かれてしまい、服飾の学校でも何でも無い、"制服が可愛い学校"に決めてしまいました。。。
KG 女の子ならではって感じですね(笑)どんな高校生だったんですか?
M やっぱり"変わってる"とか天然とは日常的に言われていました。
KG 相変わらずということですか!
M 皆んなその言葉使うの好きだなーって。未だにミステリー。
KG 何か周りと感覚のズレみたいなものがあったんですかね!?音楽はどんなのを聴いてたんですか?
M 親戚にHIPHOPのDJやってる人が居て、身近だったこともあり、HIPHOPに興味を持ち始めました。クラシックも好きだった。
KG おぉ〜そうなんですね。HIPHOPは意外でした。
M で、その延長でダンスに興味を持ち始めました。
KG ダンスですか!それも意外です。
M その当時ダンス甲子園てのがやっていたり、ダンスブーム来ていた時代だったかも。路上でやってる人達に声を掛けて一緒にやらせてくださいっ!て1人で話しかけて仲間に入れてもらったり、B BOY PARK(当時、日本最大級だった野外HIPHOPイベント)見に行ったり、クラブ行ったりしてました。グラフィティとかもその時知りました。フリースタイルのかっこ良さに心奪われたのもこの時代。
KG ストリートカルチャーにどっぷり浸かっていたんですね!他には何かエピソードはありますか?絵の話とか。
M 高校生活ではほとんど絵を描かなかったです。一応美術学科だったけれど3年間に数回位しか絵を描いていなかったと思います。
KG え!そうなんですか!
M それよりも当時はクラブとかにも行き始めたりして、とにかく遊び過ぎてしまって。今となっては家族に申し訳ない気持ちでいっぱいです。親は何回も先生から呼び出されていたし。遊ぶ以外は先生にいつもビンタされてた思い出しかない。
KG 反抗期ってやつですかね!その中で何か面白いエピソードはありますか?(笑)
M 特に覚えているのは、大学に行く前の春休みに私がちょっとした悪さをして家族に迷惑を掛けまして・・・(笑)それが原因でお兄ちゃんにボコボコに殴られて、着ていた白い服が血で真っ赤っかになりました。映画の"キャリー"の様でした。

KG ヤバいですね(笑)何をやらかしちゃったんですか?
M それは内緒です(笑)隣でおばあちゃんも泣いちゃってるし・・・。とにかくカオスでした。
KG ではこのことはまた詳しく聞きますね(笑)すごいエピソードというのは伝わりました(笑)その後どうなったんですか?
M バイトを掛け持ちして貯めたお金で家を出ました。やっと自分で自由を掴んだぜ!やったぜ!って思ったのは今でも覚えています。ただ、引越しは予算がギリギリで全ての荷物を電車で10往復して運びました。超大変でしたよ。
KG 電車の10往復は半端ないですね(笑)そんなの聞いたことないですよ!高校卒業後はどんな学校に進んだんですか?
M 服が好きだったことを突き通し服飾の短大に進みました。ここでも美大を選ばすに、また道を間違えてしまいました・・・。
KG 確かダンスもやってたんですよね?
M はい、学校行って、絵描いて、バイト行って、クラブ行って、ダンスやってっていう目まぐるしい生活をしていました。
KG 忙しいですねぇ・・・。
M それには理由があって、服飾の学校に入ってすぐに、(おそらく)家がお金持ちで、ブランド品の服を着ている子達と、ダンス練の時に居たスケーターの子達やダンサーの子達を見て、どんなに良い服を着ていても自分のスタイルを持ってないとカッコよくないんだなぁ~と気付いたんです。
KG その感覚分かる気がします。着飾ってなくても何かカッコ良いって人いますもんね。
M はい。でもそれに気づいたときにじゃあ自分は?って。薄っぺらくて何にも無い。絵も沢山描いてるだけで、色々理由つけてかっこつけようとしてるだけで。全然ダメじゃん、ヤバ!ダサっ!!って急に死ぬ程恥ずかしくなり、何故かそこも、服作りでは無くて、絵とダンスを頑張るようになりました。
KG なるほど!そういう理由があったんですね!
M 学校で一日中絵を描いていて短大の先生からは"貴方はなんでこの学校にいるの?こんなに絵が好きなら美大に行けばよかったのに"って言われてしまいました。
(後編に続く)
MAI NAGAMOTO instagram
@mainagamoto

KONER GALLERY ONLINE STORE
www.koner-gallery.com

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