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"ベストを尽くして努力してれば、実現しなくてもそれなりのことは出来るようになってるもんなんですよね" HIDEYUKI KATSUMATAインタビュー(後編)

K ブラジルは絵だけ持って、身1つで行ってきました。SNSで知り合ったブラジル人がいたので(笑)
3ヶ月滞在したんですけど、初めの1ヶ月でギャラリーを探して、2ヶ月目で準備をして、3ヶ月目で展示をして帰ってくるっていうのをやりました(笑)
KG ヤバいですね!実際にそんなことできるんですね!(笑)

ブラジルでの展示会

K はい(笑)それで今度はMy spaceで知り合ったスウェーデンの"LITTLE DRAGON"っていうバンドのプロモーションビデオとアルバムカバーを描いたんですけど、そのバンドがすごい売れて、レッチリ(Red Hot Chili Peppers)とかと一緒にツアーを周るくらいになったんです。それから海外の仕事が増え始めまして。
KG その流れすごいですね!

Little Dragon

K それでアメリカで展示しに行くことになったんですけど、そしたらロウブロウアートみたいな絵を描く人が山のようにいたんです。もちろん自分より上手い人も沢山いて。で、アメリカっぽい絵を描いても勝てないなと思いましたね。洋服屋の時のような感覚です(笑)

アメリカ・オークランド

ダンディー・スコットランド

KG それからどうされたんですか?
K 元々浮世絵とかも好きだったというのもあり、もっと日本のアイデンティティを出さないと海外では勝負出来ないなと思ってスタイルが変わっていきました。その頃から海外志向というか、もっと海外に向けて発信しようという考えになってきましたね。
KG 確かに面積で考えても世界からみたら日本はめちゃめちゃ小さいですもんね。
K そうなんですよね。それから浮世絵っぽいものを描いていたんですけど、浮世絵の世界のチョンマゲとか着物とかは自分の生活の中にリアルにあるものではないなと思い始めて、自分の小さな頃は日本の漫画とかアニメが身近にあったから、そういうものを作品に取り入れていこうと考えるようになりました
KG アイコン的キャラクターのハナウタくんもそのくらいに生まれたんですか?
K いや、実はハナウタはもっと前からいたんですよね。2004年くらいから。ブラジルに行ってたくらいにはもういましたよ。
KG あ、結構前からいたんですね!今でこそSNSなどで海外に発信しやすい環境になってきてると思うんですが、その当時で海外に向けて発信してる人はあんまりいなかったんじゃないですか?
K そうなんですよ。それが良かったと思います。当時My spaceで海外の色んなバンドを調べてて、好きなバンドには直接メッセージ送ってCD買ったり。で、絵を描いてるって伝えると気に入ってもらえることが多かったですね。1番最初にアートワークを提供したのがアメリカのRainbow Arabidってバンドで、そのバンドも何年後かに石野卓球さんがやってる"WIRE"に呼ばれて日本に来てましたね。
KG おぉ!デザイン提供したバンドが売れていくのは嬉しいですよね!
K はい!嬉しいですね。
KG 漫画の方は何で描いてたんですか?
K フランスのインディーズの漫画雑誌に連絡して、漫画を描きたいって言ったら、じゃあ次から載せてやるよって話になって描くことになりました(笑)
KG それもすごいですね!(笑)セリフはフランス語ですか?
K セリフの無い、イラストのみの漫画でした。
KG なるほど!シュールなやつですね!
K はい、そんな感じのを描いてましたね。
KG 台湾、タイとかのアジアにも毎年のように行かれてますよね?それは何がきっかけだったんですか?
K タイの方は、元々タイ料理が好きで行きたいとずっと思っていたんです。
で、ちょうど友達の紹介でタイのアーティストと繋がったり、タイのギャラリーとも繋がってたんで、向こうで展示するってなった時に彼らと会ったりしましたね。それから一緒に何かしようって話になって、それがきっかけで毎年タイで展示するようになりました。
KG それが"STRANGER TWINS"ですね!

Stranger Twins(タイでの展示の様子)

K そうです!それから個人的にもタイでイベントを企画するようになりましたね。
KG そうなんですね!ちなみにタイってめちゃめちゃ物価が安く印象があるんですが、絵は売れるんですか?
K 絵を買ってくれるのはお金を持ってる外資系企業のヨーロッパの方の人達ですね。
KG なるほど。タイの中でも富裕層の人が買ってくれるんですね!台湾の方はいかがでしょう?
K 台湾の方は、日本で会った台湾の友達のアーティストのキュレーションで呼んでもらったのがきっかけです。そこからWRONG GALLERYを紹介してもらって台湾でも毎年展示させてもらうようになりました。

台湾

KG そういった経緯があったんですね。国内外フットワーク軽く動き回っているかと思いますが普段はどんな生活をされてますか?
K 普段は昼くらいに起きてご飯食べて、日中はずっとダラダラして、夜10時くらいになってから絵を描き始めます(笑)で、朝まで絵を描いてって感じです。

KG 自由ですね(笑)大阪の方に引っ越されると伺いましたが、それも含めて今後の動きはどんな感じで考えていますか?
K 大阪では向こうの友達と遊びながら、若い子達と新しいことができたら良いなと思ってます。
KG 若い子をフックアップしていく感じですか?
K はい、そんなことができたらいいですね。
大阪人のノリとかも好きなので(笑)
KG いいですね!
そういえば今日、色々とお話を聞かせてもらって思ったんですが、カツマタさんの行動力すごいですよね!?普通に話を聞いてましたがブラジルに1人で行ってギャラリー見つけて個展を企画したりっていうのも言うのは簡単なんですけど実際なかなかできることじゃないと思うんですよ(笑)
K 出来るっていう気持ちというか、実現させる為にベストを尽くすって気持ちで行ってますから(笑)
ベストを尽くして努力してれば、実現しなくてもそれなりのことは出来るようになってるもんなんですよね。それの繰り返しです。
KG なるほど!勉強になります。あとはMy spaceで海外のバンドにメッセージを送って直接やり取りするってのも普通の人はやらないような気がして・・・。
K 英語は全然分からなかったし、今でもこの人何言ってんの?って感じになることありますよ(笑)
KG コミュニケーションを取ろうとするのが大切なんですね!英語を上手に話せたって仲良くなれるとは限りませんから。
K あ、そういえば海外の友達からは発音ちゃんとしてないのに堂々としてるのがいいって言われたことありますね(笑)
KG やっぱり気持ちが大事なんですね〜!大阪に行ったら若い子達にそういった経験を伝えていく感じになりそうですね!
K おっさん、うるせー!とか言われてそうですけどね(笑)でも楽しみにしてますよ。
KG (笑)関西のノリですね!本日はお忙しい中ありがとうございました!

HIDEYUKI KATSUMATA instagram
@hanautah

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