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【イラスト小説】”チョコレート”が甘いものになった瞬間
「バレンタインデーだからチョコって…
私が食べられないの、知ってて用意したの…!」
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誰もが当たりまえに、気軽に美味しく幸せそうに食べているチョコレート。
―――私にとってあれは、私を殺してしまえる危険なお菓子だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1677859823881-qoLxYjQzCm.jpg)
ある日彼女に、バレンタインデーにサプライズがある と言われたことから
ずっと私は、「そのバレンタインデー」までワクワクして過ごしていました。
ほんと、なんだろう? 指輪? 花? 詩?
・・・でも実際は、”あの”チョコレートだったのです。
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チョコレートからとっさに目を逸らし、彼女への怒りがこみ上げてきた私は
コートをつかみ、その場から飛び出していた
![](https://assets.st-note.com/img/1677859841686-3tL6BLx5mc.jpg?width=1200)
待って、聞いて と彼女の声がする
「これは本当のチョコレートじゃないの。アレルギーがあるって知ってたから、代わりに作ったんだよ」
![](https://assets.st-note.com/img/1677859849982-q6eF2ffNHS.jpg?width=1200)
驚いた。
![](https://assets.st-note.com/img/1677859855614-Up1QET4ZdL.jpg)
箱を受け取って中身を見ると、チョコレートに本当に似せているだけで、そこに並んでいたのは
木の実、ドライフルーツ、豆腐、ハチミツ…それぞれ違う素材 でできていたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1677859861571-BQRmBgxIYs.jpg?width=1200)
「全部食べられるものだから大丈夫だよ」と彼女は笑った。私は「こんなに苦労して作ってくれたの?…ごめんね、ありがとう」と思わず彼女に抱きついていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1677859867948-NVhoTPGYai.jpg)
それからして私は一つ口に入れた。それはもう甘くて美味しくて。彼女も同じものを食べて微笑んでくれていて。
―――私たちは幸せなくちづけをした。
”あの”チョコレートが甘いものになるなんて、生まれて一度も、思いもしないことだった
(おしまい)
![](https://assets.st-note.com/img/1677859875515-NsWlr0m91f.jpg?width=1200)
こちらの作品は、
<ノーコピーライト・コンセプトストーリーズ>です
■じっと見れて、さっと読める "大人のフリー素材"
・「個人利用◯」「商用利用◯」
・「素材自体をコンテンツ・商品として再配布・販売☓」
素材投稿やりかけ部室 より
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