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わたしがなかなか攻略できない日常会話という音ゲーム。

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会話の中で聞くとつい受け流せずに躓いてしまうセンテンスについて。
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#社交辞令

「マスクも着けておらず申し訳ありません」

 東京オリンピック開会式の何日か前の出来事。  玄関前に腰かけて、子どもたちとがやがやしていたら、お向かいさんが急に訪ねてきた。  その時に口をついて出たのがタイトルの言葉です。  自分の家の敷地の中にいて、他人に会う予定もなかったからその時の私はマスクをしていなくて、そこへいきなり来た人に対してこのような挨拶をしたわけです。  こんなふうに謝る筋合いはなかったな、と当時を今振り返っても思うんだけど、でも何となく、口から出てきたのでした。  社会通念に照らすとこれが正しいセ

愛のはじまりの言葉のこと。

「日常会話は音楽ゲームと同じでテンポ良く進めばよく、発言した内容の真偽はどっちでもよい。人の言ったことは半分程度信じればよい。」  この真実に、私は昨年末まで気づいていなかったのでした。  人の言ったことの十割をいちいち真に受けて、一喜一憂していたのです。しかも私は記憶力が良いので、十年前に一緒にお茶したときの一言とかを無駄に覚えていて、あの発言の真意はなんだったのか…などと悩んだりしていたのです。  現在は、自分の物覚えの良さも加味して、人様の発した言葉の信憑性は三割程度だ