リビオタワー品川(仮)の環境影響調査書案に関する説明会に参加してきた

2022年4月8日に開催されたリオタワー品川(仮)こと、(仮称)港南三丁目プロジェクトの環境影響調査書案のあらましに関する説明会に参加してきたので、説明会の概要やそこで得られた新情報について記事にしておく。

対面説明会に参加しなければ得られない情報やここだけの話として資料にないが頑張って回答してくれたこと、住民が懸念するようなネガティブな環境情報を一般に公開するのも不適切かなと思い、実験的に有料記事にしてみた。(冒頭30分を使った主催者からのプレゼンの内容は無料、その後、60分強を割り当てられた会場との質疑応答を有料に設定してみた。)

妻にワンオペお願いして参加してきたので、収益は妻に渡して、この活動に理解が得られれば(ランチくらいご馳走できれば)今後、何回か行われる説明会にも参加して記事化できるかもしれない。

なお、今回の説明会は専門的な公衆縦覧書類を住民向けに解説してくれる会なので非公開の新規情報が山盛りや!という感じではないが、周辺住民として認識しておくべきことが含まれているし、リビオタワー品川(仮)を買いたい人、単純にマンションが好きな人、デベの人には興味深く感じてもらえるような内容を含んでいると思う。また、質問者が全員住民なので、赤裸々な周辺情報としても役立つかも。ぼくも知らない情報が結構あった。

○説明会の概要○

主旨:港区環境影響実施調査実施要項に基づく、環境影響調査書案についてその概要を近隣住民へ説明するもの

環境影響調査書案https://www.city.minato.tokyo.jp/kankyoushidouasesutan/documents/kounan3honpen1.pdf

日時:2022年4月8日(金)18:30−20:00(19:45くらいには終了)

場所:品川インターシティ貸会議室5

参加者(主催者側)
日鉄興和不動産株式会社(事業者):2名 住宅事業本部の若い方、上司っぽい方
株式会社環境管理センター(環境アセス担当):1名、司会1名
実施担当者4名(基本設計の建築研究所:2名、実施設計:ハセコー2名)
その他、日鉄興和不動産のスタッフ(おそらく):10名弱

参加者(住民側)
20−30人程度

男性が多いが女性もパラパラおり、ぱっと見、50ー60代くらいの人中心だがリーマン風の人も数人、近隣住民ぽい人中心、ぱっと見、同業他社のスパイっぽい人はいなかった。活動家みたいな人もおらず、落ち着いた感じ。ぼくはポストに案内が入っていたので参加してみた。

説明会の内容と時間配分

・出席者紹介(数分)
・事業者挨拶(数分)
・環境影響調査書案について説明(30分程度)
・質疑応答(60分程度)

司会の方は環境調査を受託している株式会社環境管理センターの方で、事業者の日鉄興和不動産の方は挨拶だけという感じ。環境影響調査書に関する説明は環境アセス担当の方がパワポでパラパラ表示させながら説明していた。配布された資料以外のもう少し突っ込んだデータとかが入った資料を用意していた。質疑応答ではハセコーやデベの担当者も話をしてくれた。

質疑応答が長く取られており、質問への受け答えも紳士的であった。会場参加者にも計画にいちゃもんつける人や演説やお気持ち表明する人はおらず、建設的な内容であった。ただ、工事の説明会、計画の説明会は別途行われるそうで、あくまでも環境影響調査結果という硬めの内容である。これは開催する方も結構疲れるなという感じ。調査書案についての説明はぼくの感想やツッコミを入れながら書いていく。

○環境影響調査書案について○

・港区環境影響調査実施要項では、建物延面積5万m2以上のものを対象としており、本事業が該当。環境調査書は4月20日まで公衆縦覧中であり、住民から環境影響に関する意見書を受付中。
・工事期間は2022年度から2026年度(工事期間は36ヶ月(完成後の検査含まず)、供用開始予定は2026年度予定。
・建物は台形型、西側は車路(駐車場動線)
・芝生、水面など植栽を充実させる
・工事車両は計画地の西側を中心に出入りする予定

→知ってる内容が多かったが、工事の中でタワーパーキング工事に1年くらいとられていたりそんなにかかるんかと思ったり、2026年度に引き渡しということは、2024年度くらいから売るのかなぁとか思いながら聞いていた。車の出入口は建物の西側、PT品川が接している道側に作られる。広い道だから問題なかろう。駐車場はタワーパーキングだそうだ。

影響調査項目:交通、静穏など9つの要素について影響調査予測を実施

交通については、工事に伴う車両の往来が333台(のべ)/日、ピーク時25台/時程度を見込んでいるが、周辺交差点の交通量に著しい悪影響は与えないレベルと予想。引き渡し後の交通量の増加も同じ。

廃棄物(可燃ごみ等)は3337kg/日、再利用1631kg/日。地球温暖化対策として、太陽光パネルや急速充電器を設置。ヒートアイランド対策として、通り抜け可能な歩道上空地や屋上に太陽光パネルを設置。

大気汚染(自動車による排ガス)については、工事中、供用後について、排気ガスによる二酸化窒素、浮遊粒子状物質の増加は大気汚染の環境基準を下回る。

水、土への影響について、水の排出量は1日あたり440m3/日(住宅)、店舗で1.4m3予定。土においては一部エリア(元ガソリンスタンドだった場所)で油(ベンゼン)による汚染があり、法令上必要な対策を実施。

→それぞれの数値や評価基準については土地勘がないので妥当なのかよくわからない。また、言われてみれば、昔物流基地があった際にはトラックにガソリンを入れるための施設があった。これについてはQAで突っ込んだ説明があった。

静穏について、建物が建った後も騒音レベルはほとんど変わらない65デシベル以下。振動についても基準を下回る、ほとんど変わらない。工事中騒音についても65デジベル未満。

→ここはパラパラページを切り替えられてよく見られなかったのだが、そもそも結構騒音のある場所なので基準値ギリギリだったが、工事による影響ではなく、もともとうるさい場所という感じで、騒音を懸念している人はほとんどいなかった。

建造物影響について、電波受信状態は南西部に電波障害あり。

→スカイツリーからの電波が阻害される。コスポリの一部に影響のある範囲がかかっていた。電波障害としてどんな影響があるのか分かりにくかったが、みんなスルーしてた。今時、電波障害と行っても別にいいやって感じなのだろうか。

風について、風洞実験で影響を確認。周辺地点に一定の風環境を確保。

→周辺の物件をミニチュア模型にして実験したそうで、見ていて面白かった。というかこの模型欲しい。ケープタワーの形がかわいかった。

日影規制がない準工業地域であるが、参考として、日影のシミュレーション結果を表示。計画地の北側に影が発生(PT品川の前あたりには影が2.5時間程度かかる。4時間影がかかるエリアは極めて少ない。

→もともとそれなりの高さの建物、影があったので、ふーんという感じ。会場も影できるやんけ!という雰囲気ではなかった。

植物、動物について、港区及び東京都の基準を上回る緑化(緑地1752平米、港区基準は1693平米)港南三丁目のオープンスペース比率は42%だが、計画地では53%のオープンスペースの予定

→植栽は気合いが入ってそうだったが港区の基準では結構ギリやんけという感じ。他の港区のタワーと似た感じか。

景観影響について、芝浦運河側及び芝浦中央公園から見たイメージ図を表示。

→芝浦運河側からは高架越しに板のように見える。芝浦中央公園からは、PT品川の横に同じくらいの板がドーンと生じるイメージ(芝浦中央公園からよく見える=西側はガッツリ抜けてる)イメージ図では周辺建物と高さが揃って調和しているように見えた。

その後、地域貢献について、公開空地、防災設備等を設置と説明し、主催者側からの説明は終了し、QAに移行。

→もっと地域貢献するぞ!とアピールしても良かった気がするが、アピールする会ではなくて環境への悪影響は限定的だよと説明する会だからか控えめ。

○会場との質疑応答○

さて、前説30分が終わりここからが本番。今までの説明は公表されている資料を説明してくれただけで基本的には追加情報はないがここからはそれを踏まえた質疑となっている。

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