見出し画像

左利きの世界

「左利き」
この言葉を聞いて皆さんはどう思いますか?
個性?珍しい?ミンギュと同じ利き手?頭がいい?
そういったことを思い浮かべる方が多いでしょう。




右利きの人にはわからない世界、
初対面の人が左利きだとちょっと仲間意識が芽生えるほどに不便な世界。
きっとキムミンギュも見ている世界。
今日はそんな世界を紹介します。





それでは皆さん、頭の中にキムミンギュを召喚して
左利きの幼少期からその世界を追ってみましょう。







①「お箸を持つ方の手」がわからない
これは日本の場合ですが、まず小さい子に「左右」の概念を教えるために「右はお箸を持つ方の手だよ」という教育法が用いられます。しかし左利きの子はこれがわかりません、だってお箸を持つ手が逆なんだもの。だからこれを幼稚園や小学校で言われると「????」となってしまいます。しかも小さい子の集団の中にいるんですから、右利きのお友達が「ねえそれ逆だよ‼️」などと余計なコメントをしてきます。こういった余計な一言のせいで、たいていの左利きは幼少期に左右がわからなくなっちゃって半泣きになったことがあります。
焦っちゃってちょっと涙目のチビミンギュ、目に浮かびましたでしょうか?左利きはだいたい小2までこの左右問題に苦しめられますね。しかもほとんどの人は幼少期にこの混乱をした経験のせいで「あれ?結局右ってどっちなんだっけ?」となり、大人になっても75回に1回ほど左右を間違えてしまいます。

え、私ですか?私は1日1回くらい間違えてますよ☺️




②隣の席の子と肘がぶつかる
これは2つ並んでいる学校の机のような環境で頻繁に起こるんですが、じつはこの厄介な現象は学校を卒業して大人になってからも半永久的に続くんです。

よく見ますよね?左利きのメンバーが机の左端を死守している映像。あれは自分と相手との肘のぶつかり合いを防ぐために必要不可欠な行為なんです。だってうっかり真ん中や右端に座ろうもんならガツガツ隣の人と肘がぶつかり、お互いの不快指数が急上昇するから。しかも大抵の左利きの場合は無意識に置いたときのコップの位置ですらも右利きの人間と逆になってしまうので、人の飲み物を飲んじゃったり人に自分の飲み物を飲まれちゃったりします。最悪です。「飲み会でソジュを頼んだキムミンギュが右に、水を頼んだイジフンが左に座ったらコップを間違えたイジフンが潰れちゃった」などのハプニングが起こりかねません。左利きは世界を守るためにも左端を死守しているんです。ほぼプリキュアですよ。

ですから皆さんもぜひ会食・飲み会の際は左利きを気にかけてあげてください。気にかけてくれると嬉しいし、ちょっとキュンとします。特にキュアミンギュと会食する予定がある人は覚えておいた方がいいのではないでしょうか?






③おててが真っ黒!!
国語の授業で作文を書いた時、手の側面が真っ黒になった経験はありませんか?

小学生時代のあなたは「うわ〜最悪なんだけど」などとおっしゃっていたかもしれませんが、左利きにとってはそれが日常なのです。
計算をすれば手が黒くなり、英文を書けば手が黒くなり、落書きをしても日直日誌を書いても手が黒くなります。時には書いた文字がそのまま転写されて謎の鏡文字が手に刻まれます。試しに鉛筆かシャーペンでそこらの紙に「ユンジョンハンはイケメンなのに可愛いところもあって最高だね!」と書いてみてください。





書きましたか?





「特になんも起こらなかったけど?」と思った方、その通りです。右利きのあなたの手にはなんの変化も起こらなかったことでしょう。でも私の手の側面には「ンジョン」という謎の言葉が刻まれました。文字の一部が転写されているんです。セルフ版画といっても過言ではないこの機能、とくになんの役にも立ちません。しかもこれ、どれくらい勉強したかが親にバレるのでこの世の終わりです。「あんた勉強したって言ってるけど手が黒くなってないじゃないの、また嘘ついたね。」などと言われるわけですから。





④ババ抜きができない
「は?それは知能の問題では?」と思ったそこのあなた。今すぐそこに伏して【この夜は短くて君は当たり前じゃない】と100回復唱した後、日常にあるすべての当たり前を疑いながらこの画像を見なさい。

これが左利きの視界。トランプの持ち方が逆だから数字が全て隠れてただのイラスト付きペーパーと化したものが並んでいますね。実は私たち左利き、この視界で右利きの人間とババ抜きや他のトランプゲームやUNOをしているんです。こんなの常にハンデを与えているようなもの、そりゃ左利きは天才なんて迷信もできるわというレベルですよ。これに対してなんの文句も言わず微笑みながらゲームに参加している左利き、ハチ公よりも健気なのでは…?






⑤これが使えない


皆さん、これが何かわかりますか?
「今度は何?おたまじゃないの?」と思ったそこのあなた、大正解です。これはホテルのビュッフェのスープコーナーとかに頻繁に出没する、通称「左利き殺しのおたま」です。これを左手で持つと、せっかくの作り手のやさしい心・サービス精神から作られし注ぎ口が反対を向いてぜんぜん器にスープを注げません。かと言って右で持とうもんなら…そうです。皆さんが左でおたまを持った時と同じように普通にスープをこぼします。実際に私はこれで灼熱の味噌汁を手にひっかぶりシンプルに火傷をしました。私がしてるんだからたぶんミンギュもしてるし、他の左利きもやらかしているでしょう。

そうやって左利きはホテルのビュッフェに行く回数を重ねるたびにこのおたまへの恐怖が増し、時には美味しそうなスープを飲むことさえ諦めてしまうのです。そして後で家族に「とってきて🥺」などと頼む、嫌なループですね…

そう、このおたまは「これを見せて発狂したら左利き」と言えるほどの一品なのです。








⑥ボールペンのインクが出ない
日本語圏・漢字圏・ハングル圏・アルファベット圏の左利きは常にボールペンと格闘しながら生きています。

ちょっとわかりにくいので説明すると

「ウォヌ」「원우」「圓佑」「cat」

これらすべての文字の横棒は左から右に向かって書かれていますよね?そうです。右利きの人が書く分にはボールペンを寝かせたまま書けるので問題ないのですが、左利きの人が書くと


こうやってペン先で全てのものに逆らいながら書くことになってしまうのです。悲しいことにこの書き方をするとボールペンはその構造上インクが出にくくなります。おしまいです。


そして皆さん、「ペンで覚えたい部分に線を引く」という表現がありますよね?

でもその当たり前も捨ててください。左利きの人間は線を「押して」書いています。横棒しかり、蛍光ペンでさえも文の始まりからマークしようとすると線を「押す」ことになって線がガッタンガッタンになるので、左利きは蛍光ペンでマークをする時文章の尻から頭に向かって線を引いています。

…怖いでしょ?

怖いついでに言えば、左利きにはペン類に書いてある横文字や横向きのイラストはすべてひっくり返って見えています。全部右手で持つ前提でイラストと文字入れがなされているから。つまりせっかく「SEVENTEEN」と文字を入れても、それが横向きにプリントされていたら「N33ㅗN3^ 3S」にしか見えないわけです!!そんな仕打ちを受けながらも頑張ってノートをとった先にあるのがあの真っ黒な手の側面なんですから、地獄以外のなにものでもありません。

いらん苦労をしている分、頭が良くなりたい…!そう強く願ってしまった左利きから生まれた迷信が「左利きは天才」なのではないでしょうか…








さて、そろそろ皆さんが「左利きが不遇すぎて悲しくなってきた…」と思う頃だと思いますので、左利きのメリットを紹介したいと思います!
でもその前にここに入りきらなかったものを紹介していきますね〜!




それでは不便なところ一挙紹介、


・ピアニカを人と逆向きに持つから事情を知らない音楽の先生に「持ち方が違う!」ってしばかれがち
・教科書とノートを置く位置も逆だから隣の子と肘がぶつかんなかったところでお互いの教科書がぶつかって詰み
・習字は右手で書くと下手だし左手でやると手が墨だらけになる
・世間一般のはさみ(右利き用)なんて切れたもんじゃない
・まな板と包丁のポジションも逆だからお手伝いする時も保護者の手を煩わせがち
・腕時計も逆、そのまま左手につける人もいるけど当然のようにガツガツ当たる
・蛇口もなんとなく捻りにくい
・ホワイトボードと黒板は字を書いたそばから消えていく
・間違えて利き手で交通系ICを持とうもんなら改札でターンを決めることになる
・左利きって天才が多いよね!に対する返しがわからない、何を言えばいいの?
・ボールの投げ方とかフォームとか道具の持ち方とかを教えてもらう時全てを脳内で反転させなきゃいけない
・でも反転が難しいからといって「左利きなんですけどどうしたらいいですか?」と聞くと教えてくれる右利きの人もなんか全部がこんがらがっちゃって正解に辿り着けなくなる
・普段は理性で右手を使ってドアを開けているが焦っている時ほど本来の左手が出てしまうため、急いでるときほどドアノブをつかんでる自分の腕が進路を邪魔してタイムロス
・体育の時間にレフティーだからと切り札扱いをされるがそこまで活躍できなくて申し訳なくなる
・手書きの履歴書が地獄すぎる
・ダンスのフリが思ってたのとは逆の方から始まる
・フライパンを置く時は持ち手が右利きの人のそれと逆を向いてしまうし、パッと置いた調味料の位置とかも逆になっちゃうから一緒に料理をしようもんならプチストレスに見舞われる
・ソゴを演奏する時も手が逆

【右下のミンギュに注目】





では、ここからは良いところを紹介しますね!



①話題ができる
左利きってだけですでに3000字以上書けていることがこれの証明でしょう。



②ミンギュと同じ利き手
「ああミンギュ、突き詰めれば左利きになったその瞬間からあなたはすでに少し不憫だったのかもしれないね。右利きだったら起こらなかったハプニングだってきっとたくさんあるよね。でも私たちさ、強く生きていこうね。」という右利きにはない感情を味わうことができます。




はい、左利きのいいところ、以上です‼️





さて、左利きの世界はいかがでしたか?




一度でも「いいな〜左利き」とおっしゃった経験のある方はなんて恐ろしいことを口にしてしまったんだ…と震え上がっているかもしれませんね。

でも大丈夫です、ケガでもしない限りこんな不便な世界を経験することはないし、左利きの人間も右利きの人にそんな経験をしてほしいとは思っていません。




私たちはただただ、
無意識に不便な生活を送っているだけなのです。

ね!ミンギュ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?