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[第011話]兎角この世は為虎傅翼

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為虎傅翼
読み:いこふよく
意味:強い者にさらに強い力をつけること。「傅翼」は翼をつける意で、強い虎にさらに空を飛ぶ能力までつけてしまうということから。なかなかぶっ飛んだ発想からできた言葉だな、と思います。
(参考:日本漢字能力検定協会『漢検四字熟語辞典』)
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今年の10月に、将棋の藤井聡太竜王が八冠を達成されました。また11月にはメジャーリーグの大谷翔平選手が最優秀選手賞を2年連続で受賞されました。大谷選手は本塁打王も獲得しています。

彼らは一体、何者なんだろう。

藤井聡太竜王も大谷翔平選手も、将棋や野球の才能(・・と言うのが適切なのか分かりませんが)は多くの方が認めていらっしゃいます。だけど、このお二人には「才能」だけではない、「努力の天才」という共通項もあるように思っています。

トーマス・エジソンは、「天才は99%の努力と1%のひらめき」という言葉を残したとされます。「じゃあ【努力の天才】って何やねん」って話ですが、個人的には、「努力の方向性を間違わない観察眼に長けている」ってことなのかな、と考えています。

努力しない人が目標を達成できるかといったら、余程器用な方や運が良い方でもない限り難しいでしょう。
では、努力をすれば必ず目標を達成できるのか?と言われれば、それもちょっと違うと思っています。例えば極度の運動音痴である私が100mを10秒台で走れ、と言われても無理な話です。
(余談ですが、大谷選手は多くの盗塁も成功させる俊足の持ち主ですが、藤井竜王もかなりの俊足の持ち主だと聞いたことがあります)

自分ができることとできないことを見極めて、努力の方向を見定める。
藤井竜王も大谷選手も、おそらくこれがとても上手なのではないかと私は思っています。
お二人ともお会いしたことはないので推測ですが、自分が強化すべき分野を見定め、そこを補強することを繰り返して、今の活躍に繋がっているのでしょう。

たぶん、人間って余程の才能がない限り、「本当に何でもできる」って方は少数派だと思います。絵も上手に描けて、科学の知識にも長けていて、工学の分野にも精通していて、それからあれもこれもできる・・となると、レオナルド・ダ・ヴィンチです。
そういう稀有な方はいったん措くとして、大抵の方には(私にも)どこかしら「強化できる分野」があると思っています。弱点とまでは言わないまでも、そこを伸ばすことができれば自分の自信につながるかもしれないという分野が・・。
その分野を見つけ、自分が今持っている能力や境遇と掛け合わせていく作業が「努力」ということなのかな、と考えています。
そう考えると、エジソンはなかなか「天才」に高度な技術を求めているようにも思いますが・・

尤も、藤井竜王や大谷選手は、こうした「努力」だけでは語りきれないような超越した才能に加え、深い人間性も持ち合わせています。
人間性を磨くこと・・私にとってはこっちの方が「努力」よりも高度かもしれません。藤井竜王や大谷選手にはなれませんが、私ももっとがんばります。

(2023/12/25)

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