見出し画像

違法勧誘の見分け方

 電力自由化に伴い新電力会社が多数誕生しました。これらのサービスの内容をよく理解し納得して契約したのであれば問題ないのですが、最近では、新電力会社との契約であるとは明確に説明せず、料金プランの変更と誤信させたり、料金の請求元が変更になるだけと誤信させて、契約をとる事例が出てきています。

 新電力会社との契約の締結は、単なる料金プランの変更等ではなく、現在利用している電力会社との契約を終了させ、新規の電気供給契約を締結する行為です。契約に当たってこのことを告げずに料金のプラン変更などと言った場合には不実の事実を告知したことになり、特定商取引に関する法律(特定商取引法)違反として処罰されます。このような違法な勧誘は新電力会社から契約締結業務を委託された会社が手数料や報奨金を目当てに行う例が散見されます。このような違法な勧誘を行う営業には一定の特色があります。

 まず、彼らは、どこの会社から来たのかを最初に名乗ることはありません。たいていの場合、「この地域の設備担当の者です。」「この地域を担当している〇〇の××と申します。」などというだけで、電気供給契約の新規締結のために訪問したという来意を説明することはほぼありません。むしろ、なんとなく東京電力、関西電力等の大手電力会社の地域担当者であると誤信させる「設備担当」「電気設備担当」などという紛らわしい名称を名乗ります。

 次に、彼らは、「電気料金が安くなります」という料金面のメリットのみを強調し、「電気の利用については今と変わりません」「電気は従来と同じように供給されます。」「特別な工事は必要ありません。」などと今までと特に何も変わらないことを強調します。

 そして、「この地域に適用されるお得な料金プランができました。」「料金の請求元が〇〇〔新電力の会社名〕に変わります。」などと言い、飽くまでも料金プランの変更や請求元の変更にすぎないと誤信させるような紛らわしいトークをしてきます。

 このように、彼らは、新規の電気供給契約の締結であるとは一切言わずに、飽くまでも、従前から利用している電力会社の料金プラン変更や請求元の変更であるかのように装うのです。彼らを撃退するのは簡単でスマホの録音アプリを面前で起動させたうえで、「どこの電力会社と契約するのか」と尋ねるとよいのです。彼らも自分の勧誘が違法であるという認識があるので、録音されることを非常に嫌います。また、どこの電力会社と契約するのかを確認され、それでも新電力会社との契約であることを明らかにしなければ、そのことをもって特定商取引法違反が認定されるので、正直に答えあるを得なくなります。

 このように①会社名を明かさずに、地域担当である旨だけを告げ、②電気料金が安くなるというメリットのみを強調し、③あたかも料金プランの変更、料金請求元の変更であるかのように告げてきた場合には、特定商取引法違反を疑ってください。もちろん、料金が安ければどこの電力会社でもいいという方は、そのまま契約するのも自由です(もちろん契約を締結するか否かは自己責任です、)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?