『となりの現代妖怪ずかん』編さんに寄せて
妖怪、とは------、いったい、何なのでしょう。
ぬりかべ? いったんもめん? はたまた天狗や河童?
ぱっと思いつくそういった存在だけではなく。
姿かたちが見えなくても。
不思議なコト、怪しいコト・・・・
昔の人々はそれらを総じて「妖怪」と呼んでいたようです。
山に海に、人里に。
それらは、あちこちに現れて、
人間(と、呼ばれる存在)は妖怪たちと共存してきました。
科学が発達し、自然現象の謎が解明されていくにつれ、
この世から「妖怪」は消えゆきつつあります。
でも。
待てよ。
まだまだ私たちのまわりには「不思議なコト」はごろごろ転がっていやしないでしょうか。
あの人は何であんなことをするのだろう?
どうしてこんな理不尽なこと、むかつくことが起きるのだろう?
なぜ、この世には「間違っていること」が溢れてしまっているのだろう・・?
理解し難いことがたくさんあります。不思議です。
ひょっとしたら、その「不思議なコト」の周辺には、
現代の妖怪たちがひそんでいるのかもしれない。
ふと、そんな風に思いました。
民俗学者の小松和彦先生は唱えます。
『妖怪研究は、人間研究』
私たちのとなりにいる(かもしれない)現代の妖怪たち。
それらの姿を追い求め、共存のあり方を探ることで、
世界の見え方がちょっとだけ変わるかもしれない。
そんな願いをこめて、
「となりの現代妖怪ずかん」の編さんを試みます。
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