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犬山城主のお土産(尾州焼)

今回紹介するのは幕末の犬山城主であった成瀬正肥が実家の篠山藩青山家に土産として持って来た尾州焼の硯蓋です。硯蓋とは食べ物を乗せる盛り皿のようなものです。

成瀬正肥は、老中であった青山忠良の三男で、尾張徳川家附家老の成瀬家の養子となりました。現在は国宝の犬山城は、明治28年(1895)に正肥の所有となり、平成16年(2004)までは代々成瀬家の個人所有でした。


尾州焼 御硯蓋の箱


尾州焼 御硯蓋の箱の裏

蔓延元申年四月
成瀬隼人正様御参府後
初而御入之節 御土産之
由して同月十四日御小納戸ゟ
被相渡之
         青山御道具方

硯蓋の入っている箱の裏には経緯が書かれています。
万延元年(1860)4月に正肥は江戸へやって来て、青山家へ土産として尾州焼を渡したようです。

尾州焼の硯蓋には富士山の絵が絵描かれています。重さは1kg以上は感覚といてあります。MacBook Airより重さはあると思います。

正肥が養子にいった縁から、青山家が治めた丹波篠山市と成瀬家の犬山市は、現在は姉妹都市となっています。犬山市役所には丹波篠山の特産品である「丹波焼」で、両市のマスコットキャラクターのオブジェがあるようです。今も昔も焼き物をプレゼントにするんですね。


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