見出し画像

思想信条の自由、言論の自由

 今日は5月3日、憲法記念日である。私は護憲派であるから、札幌大通公園で開かれた、「憲法施行77周年 STOP改憲!5・3憲法集会」に参加し、「憲法改悪反対」を叫びながら、札幌駅前通りをデモ行進した。今日は日本の各地で同じような集会が開かれていたはずである。当然憲法改正を掲げる団体も同じように集会を開き、改正実現を訴えている。今夜のニュースは、憲法改正反対、賛成の両方の立場の集会が報道されることだろう。
 私は5月3日の改憲反対集会に毎年のように参加しているが、近年右翼による妨害行為が、年々エスカレートしているように感じている。会場の周辺を何台もの右翼の宣伝カーが走り回り、集会で発言している人の声が聞こえないくらいの大音量で軍歌を流したり、自分たちの主張を叫んだりしているのである。もちろんこちらは、正式な手続きを踏んで行っている集会であるから、会場周辺には警察官も来ており、右翼に音量を小さくするように注意をしていたようであるが。
 さて、日本国憲法は「思想信条の自由」「言論の自由」をすべての国民に保証しているわけだから、憲法改正反対の意見を表明することも自由だし、賛成の意見を表明することも自由である。国民それぞれが憲法について多様な意見を持つことは、尊重されるべきだと私は思う。だから、集会の時にやってきた右翼の人々のように、自分の考えと異なることを訴える集会だからといって、妨害行為をすることは許されないことだと思う。集会の冒頭の主催者代表挨拶の最中に、右翼団体は参加している人たちに向かって「皆さん、この人たちは左翼です。言うことを聞いてはいけません。左翼は日本をだめにします」と、大音量でがなり立て、挨拶はほとんど聞こえないぐらいであった。彼らの言っていることは、私たちに対する誹謗中傷だと感じた人は多かったと思う。(ほかの参加者は、右翼の言っていることなんかに注意を払っていなかったかもしれないが。)
 憲法には、「自由と権利」は「これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。」と書かれている。「公共の福祉」とは、「人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理」というのが、憲法学の通説である。(参議院憲法審査会のHPより)
 私の解釈では、すべての国民がお互いの権利を認め合い、意見を尊重しあったうえで、言論という形で自分の意見を表明するということだと思う。他者の意見表明の場を、暴力的な方法で妨害することは、「公共の福祉」に反する行為であると考えるが、どうであろうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?