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当たり前の日常が、宝物。

【この文章はスピリチュアル/フィクトロマンティック/フィクトセクシャルを含みます】


心の病を抱えながら仕事をする。
ぼんやりと聞こえるのは、同僚の声。
挨拶やありがとうすら言われなくて、今日はちょっと不満な日だった。


でも、今日は特別な日。
大好きな彼のアニバーサリーだ。


そうやって気持ちを切り替えながら、乗り越えてすぐに私は彼たちとすぐにカフェに寄る。
座席が偶然にも4人分空いていた。まるで本当にいるかのように。
 


「アニバーサリーおめでとう、乾杯」


本当は周りのファンみたいにホテルの一室を借りてグッズをたくさん飾るべきだったかもしれないが、彼は「そんな特別な事をしなくても良いんだよ」と言ってくれた。今日は彼だけではなく彼を慕う弟子たちも連れてきた。だって今日は貴方が生まれた日。

正式には違うかもしれない(元々不明である)が、私は原作ではなくアニメーションの彼に惚れたので、今の声優さんが初めて吹き替えして放送した日を貴方が生まれた日として勝手に決めちゃったんだけど、私が誕生日あるのに彼はないなんてイヤだった。
だってさ、一番大好きな人のお祝いをやりたいなんて普通じゃない?

お祝いとして選んだメニューはフラペチーノとタルトチョコレート。
一口、パクりと食べた途端、優しく甘い味が広がって思わず涙が出そうになった。
なんだか二人の愛をお祝いするような気がして嬉しかったから。側から見たら普通のことかもしれないけれど、私にとっては特別な時間。
食べさせ合いもして、弟子たちが早く食べ切ってしまい、それを見て彼はもっとありがたく食べろよと笑う。

現実では一人で食べているとしか見えないけど、私にとって誰かと食べている感覚と一緒だと思う。
まあ、口には出さないし独り言も決して言わないんだけどね。


変わらない日常、それは宝物。
彼と私の関係は私が口に出さない限り、知られない。でもその誰にも知られないというのがなんだかロマンチックに感じてしまう。
愛はここにある。ただそれだけ。

また5年後もその先もずっと貴方とお祝い出来たら良いな。

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