マガジンのカバー画像

エッセイ まとめ

8
自作のエッセイをまとめました。全て、2分で読める短編です。
運営しているクリエイター

#エッセイ

苦しみの只中にいる人に

若かりし頃。 人生に絶望し、自分が嫌いで嫌いでどうしようもなかった。 自分をこの世から抹…

10

スロースターター

 あまりにも、トロくてバカな子供だった。ポヤ〜ンとして何も考えていなかった気さえする。私…

15

幸せのモノサシ

 人が日々、幸せに暮らすためには何が必要不可欠か。 お金、健康、家族、仲間、仕事、自由に…

16

帰っておいで、私のミミ

 ミミは、両方の耳としっぽだけがキジトラで、あとは全身真っ白な、きれいな猫だった。  新…

14

私の神様

 私は20代半ばから、朝の祈りを日課にしている。特に信じている宗教はないので、対象は漠然と…

9

どうしても捨てられなかったもの

 十九の夏、両親が離婚した。三人の子供それぞれの個室と、父の書斎、仏間や縁側まであった一…

4

癒しの窓

 私が4歳から19歳まで暮らした家は、京都府南部の、小さな田舎町の郊外にあった。 そこは文字通りの〝町外れ〟で、本当に辺鄙な所だった。何しろ、私が中学3年生になるまで、私の家より先には人家がなかったのだ。  集落から延びる道は我が家の前を通り、緩やかな勾配を持つ広々とした田畑の間を、1キロ半ほど続く。 そして大阪との県境である山に突き当たり、頂上へと至る山道に変わって、行き止まりになっていた。  子供でも小一時間で楽に登れる、標高217mのその山が、町の最高峰だった。小学

むっつり君バンザイ

 恋愛に積極的でない若い男子が増えているとか。世間では「草食系」と呼ばれ、何かと取沙汰さ…

5