【ワンコイン品質工学】ホッカイロの機能とは?
はじめに
こんにちは、熊野コミチです。
普段はyoutubeに仕事で使える統計学を分かりやすく解説する動画を発信しています。
さて今回のワンコイン品質工学で紹介する機能案はホッカイロです。
文献はコチラ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/qes/3/6/3_28/_pdf/-char/ja
ホッカイロは知らない人はいないし、冬になったとき殆どの人がお世話になっていると思います。
仕組みはご存じですか?
「なんとなく鉄を錆びさせるとか聞いたことがあるなぁ」
といった理解の方も多いでしょう。
一応解説しておきますと、上述の通り鉄を酸化させるときの反応熱で暖が取れる仕組みではあるのですが、それだけでは成立しません。
鉄の酸化するスピードは緩やか過ぎて、通常人が触って暖を取れる程の熱が発生しないからです(厳密に言うと瞬間的には発生しない)。
この鉄の酸化反応を暖房器具として成立させるためには、反応速度を上げて単位時間当たりの発熱量を上げてやる必要があります。
そこで活用されるのが、塩水と活性炭になります。
ホッカイロにおける鉄の酸化反応は次式で表されるものになります。
この反応を促進させる上で、塩類は酸化速度促進に使用され、活性炭は空気中の酸素を吸着することで酸素の供給量を増加する役割を担います。
更に塩水を単純にカイロに入れるとべしょべしょになるので、保水材も同封して塩水を蓄えているそうです。
このようなありとあらゆる因子によって、ホッカイロは成立しています。
しかしながらこのホッカイロ、常に同じパフォーマンスを発揮出来るかと言えばさにあらず。
化学反応を使っていることもあり、様々な因子の組み合わせで運用しているので気温を始めとした環境によって発熱量に大きなばらつきが生じてしまうそうです。
という事で本論文では、ホッカイロに対してパラメータ設計を導入することでSN比の改善を試みています。
ちなみに、品質工学における重要な概念動特性が絡んでくるのですが、あんましよく分んないんだよなという方は先にコチラの記事を読んで頂くことを推奨します。
https://sigma-eye.com/2022/05/21/fanction/
本記事ではこのホッカイロの論文を分かりやすく解説し、更に熊野的にはこうするべきだという提案もします。
この記事を読むことで、ホッカイロに関わりのない技術者の方も品質工学による改善活動をイメージ出来ると思います。
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