第146回中山大障害(J-GⅠ) 出走各馬雑感

2023.12.23 中山10R中山大障害(J-GⅠ) 4,100m(直・芝)

騎手想定はnetkeibaの記事から引用


エコロデュエル(牡4)

岩戸孝樹厩舎
草野太郎騎手(34歳)

2023年7月22日 障害オープン出走時

レースでは入線後に騎手を落とし、前走でも落としかけた(調教でも何度か落としているらしい)。京都ジャンプSではその悪童を駆って久しぶりの重賞制覇を飾ったのが草野太郎騎手。自らが作った馬でタイトルを獲ったのはこれが初。なかなかJ-GⅠに騎乗するチャンス自体も掴むことができなかったが、所縁のある厩舎と叩き上げの人馬で大舞台に挑む。

ギガバッケン(セ8)

岩戸孝樹厩舎
上野翔騎手(37歳)

2022年7月16日 障害未勝利出走時(写真は伴騎手)

中山では結果が出ていないが、得意の福島コースでは重賞で実績のある馬とも互角に渡り合える実力馬。主戦を務めた伴騎手が負傷のため引き続き上野騎手が手綱を執る。苦労人とのタッグで挑戦者の立場から思い切ったレースを。

ケンホファヴァルト(牡10)

森秀行厩舎
森一馬騎手(30歳)

2022年4月16日 中山グランドジャンプ出走時

大障害コースで2着2回の実力馬もはや10歳とベテランの域。近走は結果こそ出ていないが、順調さを欠いていたことも確か。入障戦からコンビを組んだ同じく大ベテラン・熊沢騎手が鞭を置いた今年、若い鞍上と共に餞の勝利を目指す。

ジューンベロシティ(牡5)

武英智厩舎
西谷誠騎手(47歳)

2023年6月24日 東京ジャンプS出走時

今春の中山グランドジャンプにチャレンジ後は東京ジャンプS、阪神ジャンプSと連勝で一皮剥けた。「障害を見切って跳んでいる」と評する通り障害の大きさは気にならないセンスの良さがあり、鞍上曰く「サナシオンタイプ」は最高級の賛辞。天才が果たせなかった夢を追う。

ダイシンクローバー(セ7)

安田隆行厩舎
高田潤騎手(43歳)

2022年10月16日 東京ジャンプS出走時

入障から約3年半。じっくりと時間をかけて悲願のタイトル奪取となった晩成馬。その背に高田騎手はいなかったが、下地を作ったという事実は消えない。負傷による約1年のブランクから不死鳥の如く蘇った鞍上と更なる高みへと羽ばたく。

ニシノデイジー(牡7)

高木登厩舎
五十嵐雄祐騎手(39歳)

2023年10月15日 東京ハイジャンプ出走時

一気に障害界の頂点へと駆け上った2022年から、2023年はもどかしいレースが続いた。平地の時も出していたように気の悪さが顔を覗かせるようになってきたのは気がかりだが、昨年も馬具を工夫して走る方に気持ちを向かせたのは主戦の五十嵐騎手。豊富なスタミナで気持ち良く走れるところを作れれば侮れない。

ネビーイーム(牡5)

佐々木晶三厩舎
小牧加矢太騎手(26歳)

2023年9月16日 阪神ジャンプS出走時

精神的な幼さを指摘されてきた同馬だが、そんな性格とは裏腹に入障後の成績は掲示板を外さぬ堅実派。前走では重賞初挑戦ながらも強力な相手に食い下がって見せた。当然J-GⅠも初となるが、その対応力で翌日が誕生日となる小牧加騎手の前祝いといけるか。

ハーツシンフォニー(セ6)

辻哲英厩舎
蓑島靖典騎手(41歳)

2023年7月22日 障害オープン出走時(写真は石神騎手)

前週の平OPを除外となって急転直下のスライド参戦は奇しくもエコロデュエルと兄弟同時出走ということに。大きな障害のコースや重賞では結果が出ていないものの、ハマった時の末脚は目を見張るものがある。鞍上の蓑島騎手は今年久しぶりの重賞勝ちなど好調で、2010年にはバシケーンでこのレースも制しているし、じっくりと終いの脚を引き出すスタイルなどは手が合いそうな印象も受ける。愚直に自分の競馬で。

ビレッジイーグル(牡6)

竹内正洋厩舎
大江原圭騎手(33歳)

2023年3月18日 ペガサスジャンプS出走時

3年連続の参戦も、今年はローテーションを変えて平地のレースをたたき台に。その平地レースで勝利を収めて目下の充実ぶりを感じさせた。過去2年や今年春の中山GJではタフな馬場に泣かされた面も考えれば、今年のイルミネーションJSでレコードが出たくらいのスピード勝負は歓迎。今回も先行得意な大江原騎手を背にハナは譲らない。

マイネルヴァッサー(牡10)

土田稔厩舎
小野寺祐太騎手(33歳)

2023年11月11日京都ジャンプS出走時

これまで入障後56戦して落馬はなしの超安定株。同じくステイゴールド産駒で昨年引退したオジュウチョウサン同様、障害競走の経験で力をつけてきた。なかなかタイトルに手が届かないが、10歳となった今年も62kgでOP戦を制し、小倉サマージャンプでも3着とまだまだ元気。意外にも大障害コースは今回が初めて。一足早く重賞初制覇を果たした小野寺騎手と成り上がる。

マイネルグロン(牡5)

青木孝文厩舎
石神深一騎手(41歳)

2023年10月15日 東京ハイジャンプ出走時

昨秋は故障に泣いたが、今年に入ってからは破竹の3連勝で東京ハイジャンプを快勝。状態的にも叩いて今回がメイチというローテーションで、それでも勝ち切る辺りが成長の証。中山では幾度も高いパフォーマンスを見せており、なかなか主戦が固まらなかった中で誰よりも頂点の景色を知る石神騎手が継続騎乗。一気にスターダムへと駆け上がる。

マイネルレオーネ(牡11)

清水久嗣厩舎
平沢健治騎手(42歳)

2022年4月16日 中山グランドジャンプ出走時

ここ2年は中山に照準を合わせたローテーション。ただし前哨戦がチグハグな内容に終わっていることもあり、本番ではキッチリ見せ場を作って年齢は感じさせないのはやはり血の為せる業か。この騎乗で引退が発表された平沢騎手もJ-GⅠでは未だ未勝利。名手が無冠では終われない。

ヤップヤップヤップ(牡7)

宗像義忠厩舎
江田勇亮騎手(45歳)

2023年1月8日障害未勝利出走時

スッと先行する脚がないものの、道中で動いて押し上げられる機動力が持ち味。上りもスパッとキレるタイプではないだけに福島で好走した時のように馬場が渋って浮上してくる部分はあるが、中山でも未勝利勝ちの際にスピード決着に対応したように自在性も持ち合わせる。大きな舞台ではめっきり騎乗機会が減ってしまったが、2010年の中山グランドジャンプでは惜しい2着も。オープンガーデンの忘れ物を取りに来た。

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