ゴールデンレコード 感想
2019.6.22(sat)
みなさんはDETROIT: BECOME HUMANというゲームを御存じでしょうか。
ざっくり説明するとアンドロイドと人間が共存していくゲームです。
ゴールデンレコードの情報が解禁され、ビジュアルが解禁され、「デトロイトじゃねぇか!」と思っていた人は私以外にもいたんじゃないですかね。
しかし私が予想していたキャラクター、ストーリー、全てが覆されるような舞台だったのです。
いい意味でも悪い意味でもここ数年で一番トンチキな舞台を観た気がします。
いい意味でも悪い意味でも。
まず最初に。
伊万里さんと太田将熙くん、どちらがアンドロイドだと思っていましたか?
私は伊万里さんだとしか思っていませんでした。
太田将熙くんのビジュアルが出た瞬間に「あっ、これ努力が空回りしてしまう系の若手の新米刑事だな」と私は思いました。
伊万里さんのほうが感情のないアンドロイドで、少しずつ人の感情を知っていくんじゃないかな~と予想していました。
開演の前に座席でパンフレットをちらっと開いてキャストを把握しようと思ったら衝撃の文字が。
太田将熙くんのほうがアンドロイドなんですよ!!!!!
これ開演前に知ってしまってよかったのか、知らないで驚いたほうがよかったのか、やっちまったな~~~!!!と思いました。
ストーリーもキャラクターも全体的に彩度が高くて、メインビジュアルや公式サイトからは想像できないくらいコメディで明るかったです。
ビジュアル詐欺だろ!!!と思うくらいに。
彩度が高いという言葉が自分の中ではかなりしっくりきます。
ビビッドで原色な感じ。
そして想像よりもテーマが壮大でした。
そもそもゴールデンレコードというタイトルを聞いたときに、どんな話か一度想像をしました。
ゴールデンレコードと呼ばれる国の機密情報を守るために獅子奮迅する人間とアンドロイドの刑事のバディ、みたいなのを考えました。
完全にプラチナデータですね。
でもこの本編、全くそんなことはありませんでした。
宇宙の神秘とアンドロイド、みたいな感じでした。
まぁ全く繋がりはないので、冷静に考えると一体あれは何だったんだろう?と思うこともしばしばありましたが。
舞台や小説を読んでいると、高次元の話過ぎて自分の理解が追いつかないときがたまにあります。
今回はそれ……というよりかは、急に宇宙に行ったりタイムマシンに乗るんで、私の脳みそだけが悪いわけではないんだろうな、という理解の追いつかなさがありました。
この舞台は特にメッセージ性などありません(と私は思いました)。
人間とアンドロイドの共存がテーマなわけでないです(と私は思いました)。
じゃあなにか刑事としてみんなを守る何かがあれかと言われると……ふわっとそんな要素があったかな~ってくらいですかね。
メッセージ性が特にない分、すごくフラットな心で気楽に観れました。
褒めています。
何も考えないで観れる、これはいい要素ですよ。
あとはDVDにするときにここの部分どうするんだろう、えっこれ本当にDVDにする?できる?というような要素がたくさんあったのでめちゃくちゃ楽しみですね。
まあDVD買わないですけど。
パロディが強すぎるというかそのまますぎる。
あと恐らくホチキスの中での内輪ネタ……みたいなのがあるんですよ。
この人が誰かに似ている、などという認識がきっとあるんですよ。
でもそれは初めてホチキスを観に来た私には分からない部分があったので、強く押し出されてもそこまで笑える要素ではなかった、というのがあります。
これは観る人によって完全に変わる認識なので何とも言えませんが……。
楽しかったけど何回も観る舞台じゃないかな~……と私は思いました。
でも一緒に行った太田将熙くんのオタクが楽しそうにしていたので私もそれで楽しくなりました。
いい意味でも悪い意味でもトンチキ。
冒頭の妄想シーンなど「ここの部分いります??」という部分はたくさんありましたが、それも含めてこの舞台は完成していて、それで楽しいものになったのでしょう!
とはいえ、なんだかんだいい話だなぁって思った瞬間に宇宙人の高須委員長がでてきたりと、瞬間的に「私は何を見ているんだ?」と冷静になる瞬間がたびたびあるのが、もったいなかったです。
あれなんだったんですか?誰か教えてください。
しかしトランプ要素があまりなかったのが不服です。
アンドロイドもちゃんとお賃金もらって働いているので、ポーカーで有り金を全部溶かすことができるんですよ。
あびゃ~。
でもポーカーしてるのに誰もワンペアとかフルハウスとか言わないんですよ。
言えや!
ロイヤルストレートフラッシュしなさいよ!
トレブロをトランプの仕様にしておいてそれかよ!というくらいのトランプ要素。
もうちょっと関わってくると思ったんですけどね。
トランプ投げて攻撃するくらいのあれがあると思ったんですけどね、そういう世界観じゃなかったですね(そもそも期待しているものがおかしい)。
あと個人的にあっさりとしすぎていて物足りなかったものに、主人公の警察になった理由と父親の死があります。
伊万里くんこと高山の父親は元警察で、アンドロイドと過去にバディを組んでいて殉職しました。
「俺の父親はアンドロイドに殺された。だから俺はアンドロイドが嫌いだ。」と言い、お互いの印象が最悪のまま一緒に行動することになった高山と太田将熙くんこと大下くん。
でもお父さんアンドロイドになって生きていたんですよ。
そもそも高山が警察になった理由があまりにもあっさりとしていたため、「父親の仇を~!」みたいな思想は一切無かったのですが、にしてもあっさりしすぎでは?
例えば復讐のために生きてきた人間が復讐を果たす前にターゲットが死んだらどうします?
俺は今までなんのために生きてきたんだ、と人生の生きてきた理由を、今までの人生なんだったんだと思ってもおかしくはないと思います。
それが一切無い。
まあ重くする必要はないので軽くていいと思いますけど、なんか軽すぎてなぁ。
父親は生きていたのでアンドロイドを憎む必要がそこまで無くなるので、大下くんとのバディは進んでいくんですよ。
アンドロイドとのバディが山あり谷ありの理由が軽すぎませんか……?
グッズのおみくじも世界観を理解してから引くのと、世界観を理解する前に引いたのでは「なんだこれ?」という感想も変わるのでは。
後は余談ですが、「刑事の心得!刑事の武器は口」って聞いたときは「キス~~~!?!?」とか思っちゃいましたが、そこまでアホではなかったです。
というか今私仮面ライダーWを見ているので、警察が事件を捜査しているときとか、謎を解明しようとしている光景、そして相棒と行動するというのがどうも仮面ライダーWに思えてしまって。
仮面ライダーWがめちゃくちゃ面白い分どこかで比べてしまっていたのかもしれません。
もしゴールデンレコードを見るのなら、仮面ライダーWのことは知らないまま見てください。
それが一番です。
苦言は呈してしまっていますが、楽しかったですよ。
というかここまで書いて思いましたが、私がゴールデンレコードに対しての第一印象があまりにも硬すぎたから、実物との温度差にびっくりしちゃったんだろ思います。
太田将熙くんのポンコツ刑事がかわいかったので良かったですにっこり。
あと劇場の天井がプラネタリウムみたいで綺麗でした。以上!
おまけにこれは池袋の駅前に置いてあったA3!の舞台のブロマイドです。
荒牧くん、濡れていい男になっちゃって……。
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