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五右衛門マジック 感想

2019.10.11(Fri)/17(Thu)

人は何故高いお金を出して舞台を観に行くのか。
それは面白いものを観るため。
間違いなく今年1番の舞台となった五右衛門マジック。
これを観て、笑って、幸せな気持ちになれたことにすべての意味がある。


10月3日、初日が一週間前に迫ったときに公人くんの降板が発表される。
友達と呑気にスマブラをやっている場合ではなかったと頭を抱える私。
その日は壮馬くんの休養の話もあったため、「孫みんな長生きしてくれよ~~」と幸せを思祈りながら寝た。

払い戻しという単語、推しがいない舞台、私は元々2公演チケットを取っていたが、大地からのレラ通いに疲れた私は1公演払い戻しをしてしまった。
でも払い戻ししないで2公演行っても絶対楽しいと分かっていた。
でも、面白くない舞台のために3回も渋谷に行ってしまった一週間前のことを思い出すと、どうもストレスがひどすぎて払い戻しをしてしまったのだ。労災。

そもそもこの五右衛門マジック、キャスト、スタッフ、全てにおいて信頼できるというくらいにガチガチに固められたエンターテイメントだった。
まず脚本・演出:磯貝龍乎、プロデュース:吉谷光太郎という字面だけで私は笑ってしまう。勝ち確。信頼の塊。
そもそも吉谷さんは幕末Rockの演出の人。勝ち。あの幕末Rockという世界観を現実に表現したという功績がある。
磯貝くんはもうすごく面白い人(ざっくり)。LOOSERでもテニミュでもなんかGet Backのプリングルスの人もそうだけど、何をしても面白い人。

そして主演、和田琢磨。
もう顔が好き……。お兄ちゃんにしたい俳優ランキング2位です(1位は太田基裕くんです)。テニミュ2ndのわだっくまといえば優しそうで穏やかな手塚部長。涙もろい手塚部長。わだっくまと公人くんが一緒に写真に写っているということがとてつもなく嬉しかった。(五右衛門マジックを観に行ってから青学6代目の女になってテニミュを見返しているという事実がすべてを物語っている。)

アンサンブルのキャストも幕末Rockでお世話になった池田謙信くんの名前が。そして振付には幕末Rockでお世話になったMAMORUさんが。いやもう幕末Rockかよ!

代役に決まった山口くんは宝塚BOYSで知っていたし、RIDER TIME 龍騎に出てたということも知っていて、知らない人じゃなくてよかった……と思いました。そして顔がかわいくて好き。
それから小野健斗くんも小沼さんも、知ってる俳優を観に行けることが嬉しい。テニミュの女、嬉しい!
そしてこれは後から知ったことだったのですが、音楽のROUさん、菊池卓也くんじゃないですか。ドリライ2011見てて知りました。
フルネームで呼びたくなってしまう菊池卓也くん。わだっくまの後輩の菊池卓也くん。歌の上手い菊池卓也くん。後から知って本当にびっくりした……。

以上のことから、今回の五右衛門マジックが面白くならないわけがまずなかったんです!というか私が好きにならないわけがなかった!QED.

そしてなにより、磯貝くんが信頼できるメンバーと一緒に楽しいものを作り上げることができたんだなということがいい舞台になった大きな理由にもなった気がします。
公人くんと磯貝くんとの接点はまだ私は知らないけれども、吉谷さんはウテナで一緒になってるしね、そういうあれです。いいカンパニー!


11日はバイト先の先輩と一緒に観に行きました。渋谷も行き慣れたもんよ。
公人くんのブロマイドを買うはずだったお金でわだっくまのブロマイドを流れるような手つきで買う。とっても顔がいいからね、しょうがない。
そこらへんの劇団と違って、2.5次元俳優の布陣で固められた舞台はネットニュースに取り上げられる回数が違うので、ゲネプロの写真がまあ出回ること。ありがとうスマボ!

ゲネの写真を見て、「やだ、わだっくまが椅子に座ってるわ……!かっこいい……!」とチョロくも心を撃ち抜かれたので、期待度はMAX。
でも楽しい中にも「あぁ、ここに公人くんがいたらなぁ……。」と思ってしまうんだろうなと開演前には思っていました。


公演が終わって真っ先に思ったこと、これは令和の幕末Rockだ。
(純粋な五右衛門マジックのファンに怒られそうな言葉だけど、分かる人は絶対わかる)
なにが幕末Rockかと言われると、アンサンブルの使い方と、舞台装置の使い方と、上下で行われる演劇と、日替わりネタのフリーダム感と、時代と文明がごっちゃになってる感。
これ無限にファンアート描けちゃう……。
そもそも世直しエンターテイメントが大好きなんですよ私。
五右衛門マジックのすごいところは、2時間10分に無駄なシーンがひとつもないところ。それでいて笑いがいっぱいあるところ。
最後の答えに繋がる伏線が物語のいたるところに散りばめられていて、初見では気が付かないものがたくさんあって、最後にそれらが繋がったときに思わず口元を手で覆ってしまうくらいの、そんなどんでん返しがありました。
そもそも舞台とか映画とか告知の時点で「最後にあっと驚くどんでん返しが」って言っちゃうと、どんでん返しがあるんだな~って警戒して観ちゃうじゃないですか。
全てを疑った状態で全部騙された。
気持ちよかった~~~~~!!!!!!
自分の好きな物とか好きなモチーフとか、好きな物というよりは自分を作り上げている存在があまりにも作中に在りすぎて、いわば性癖みたいなものですよ。
私の性癖のすべてがそこにあった……。それでいて実家のような安心感。これはもうお母さんの胎内では?????とか気持ち悪いことを思うくらいに最高でした。

和田琢磨さんのさぁ、声がいい、顔がいい、笑顔がかわいい、衣装がいい、立ち振る舞いがいい、底が見えない感じがいい、ひょうひょうとしているところがいい、全部がとてもいい。
自分が舞台を観に行ってとても楽しいと思う瞬間に、今までテニミュとかDVDで見たことあるけれども、実際に舞台を観に行ったことのない好きな俳優に出会って、そして応援したいと思って過去作品を漁る瞬間というものがあって、今回はそれで完全にわだっくまに落ちています。
前からずっと好きだったはずなので過去ツイート検索すると名前がちらほら出てきたりはするんですけど、本当にこの舞台で、佐治という役でわだっくまに出会えてよかった……。わだっくま好きな人は絶対みんな好きだろうなっていう役柄で、ファン曰く「これは磯貝くんそのものだ!」と言えるらしく、何が飛び出てくるか分からないビックリ箱のような感じが磯貝くんなんだろうな~と思いました。ところで磯貝くんの千秋楽のムーミンのタイツなに?

整形で肩幅3センチ増えた男


山口くんの引き受けているアドリブの量がすごい。あれを公人くんがやっていたと考えると、想像できなさすぎて笑えてしまう。
小平太という人間に公人くんの面影を感じる部分がなかったことが、多分公人くんでも楽しめたし山口くんでも楽しめた要素なんじゃないかなと思う。
そもそも山口くんの腕の太さでまず笑う。公人くんだったら細腕だもんな、弱そうだもんな、空手強いけど。
この十人十色の役を短い時間で仕上げてくれた山口くんには本当に頭が上がらない。
今回の五右衛門マジックは公人くんから山口くんにキャストが変わってしまったけれど、山口くんの作り上げた「小平太」という人間は間違えなくこの五右衛門マジックを面白い舞台にした大事な要素だったと心から言える。山口くんでありがとう。

後はもうなんか、全部すげえよ。
小野健斗という俳優がここにキャスティングされている真の理由みたいなのが本編見てる間に分かるっていうのがいいね。
あとアンサンブルの使い方なんですけど、ただ戦うだけじゃなくて、かなり自我のある人間として、町にいる人間や兵士や家来などそういったちゃんとした人間を演じているっていうのが好きなアンサンブルの使い方なので、私のツボです。とてもよかった……。
どのキャラクターも魅力がとてもあって、みんな好きになれるキャラクター。
舞台装置のパネルの使い方も本当にすごい。
幻影というものの表現が綺麗というか、色々緻密に考えられて作られたんだなと分かるのがいい。CBGKであそこまでできるのがすごい。
もう口を開けば褒めることしかできない五右衛門マジック。
同じ渋谷の帰り道で、こうも気持ちが違うのかと数日前のことを思い出す。
そもそも全てのものが素晴らしいと思える根底には大地からのレラという悲しい記憶があるので、それにも感謝しなければ……。
渋谷で「これだから生きるのはやめられないんだ!」と叫んだあの日。
大地からのレラのストレス返せ。相対的に大地からのレラの印象を更に落とすな。
人間いいものを観たときは「良かった」としか言えない、学びました。
幕末Rockはいいクスリ、という概念が令和の私を救ってくれた。


数日経ち、五右衛門マジックがあまりにも頭から離れない。
そして風の噂ではDVDになる予定はないという。
まっ!なんてこと!!!!!
払い戻しをして行かない選択をしてしまった公人くんのファンや、台風で行けなくなってしまったファンに絶対に見てほしい作品、そして何より私がもう一度見たい!!!!!!ということで台風による振り替え公演の木曜マチネに急遽当日引換券で行くことに。
大学は木曜休みにしているのでサボりではないです。サボらないで平日の昼間に舞台観に行けるの嬉しすぎる。
結局払い戻しにした分の金額プラマイゼロ。それでいいのよ人生は。

17日の公演の日替わりネタで、劇場で初めて手を叩くくらい爆笑しちゃったんですけど、わだっくまと生田斗真の顔が似ているという話。前から私も思ってたんですよ~というか、本人がそれに言及しているのを初めて聞いて、大爆笑。
わだっくまのお母さんも見分けがつかないだなんて。
あとは林明寛の釣り番組見てねという新聞の見出し。
五右衛門マジック一切関係ねぇ~~~~というかあっきー今漁師もやってるんですね!?!?!?
あっきーに関しては磯貝くんがTwitterにあげていた『林明寛による弁当芝居。「昔食べたお米の味を思い出す人」』が最高に面白いので見てください。

もしかしたらリンク貼るほどのものではない……?まあいいか。逆転裁判わだっくまもいるじゃん。いつか通らなきゃいけない道な気がします。好きな実況者も今実況やってるんで、くらえ!!!!(なぜか弁護士バッヂを突きつける)


いつか内容を忘れてしまったときのために内容にもちょっとだけ触れておきます。ほぼ個条書きの覚え書き。
今回の話で肝になる「果心居士は誰だ?」という問題。
最初私は佐治が果心居士なのでは……?と思っていました。
そんな容易に想像できる偏差値2の思考はちゃ~~~んと覆されて、石川五右衛門が佐治でしたね。でもきっと果心居士という概念も佐治でしたね。なんだそりゃ。一体何が真実で、この人は誰なのか。すべてを疑ったまま終わるっていうのがまたいいですよね~。それでいてもやもやがない。天才。
一回本編が終わったあと、また強引に終わらせようとしたときのあの勢い、あれ本当に好き。
一番興奮したシーンは佐治が小平太を止めようとしていたら音玉で形勢逆転されてしまうシーン。あれが私の性癖。しかしあれさえも伏線になるといううまさ……。天晴。
あとなんか日常生活で「とほほでやんす」って言っちゃう機会が増えたので本当罪深い。あれすごく磯貝くんっぽい。
石川五右衛門のタバコの「におい」という目に見えないものが伏線として使われ、しかも目に見えないし私たちにも香るものではないのにそれがちゃんとした伏線だと伝わってしまう巧妙さ。これが本当にすごい。
最後果心居士を殺す直前で腰のところにお花をすっと差し込むところ、Dream Live 7thのヒデ様のエクスタシー。
佐治が「さあ始めようか!」ってステッキ(?)を地面に突きつける仕草は幕末Rock超歌劇の龍馬くんの「始めるぜよ!」というシーンを思い出さずにはいられなかった。
17日公演で平賀に「お前は顔が綺麗だな、お母さん紹介してくれ」って言った小平太に対して「今日来てます」という返事。お母さんごめんなさいというあの山口くんの顔本当に面白かった。

ところで五右衛門マジック、なぜDVDになる予定がないんだ?
それなら再演をしましょう。私は公人くんのいる五右衛門マジックも見たい。
私は人生で初めて裏面までアンケートを書きました。
間違いなく今年1だって胸を張って言える作品に出会えて本当によかった。そしてそのカンパニーに公人くんがいたということが事実として残っているのが本当によかった。
本人が一番悔しいと思うけれども、やっぱり公人くんの石川五右衛門も見てみたいので再演を強く希望します。でも山口くんの石川五右衛門も好きだ。どうしようこの感情。とりあえず、

DVD出してください!

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