LOOSER~失い続けてしまうアルバム~ 感想
2019.6.7(Fri)/6.9(San)
もしかしたらキャストが発表されたときから私の人生は狂い始めていたのかもしれない。
今回の舞台は株元くんが様々な出会いを私にくれました。
私はTEAM NACSのことをほとんど知りません。
毎回綴りが分からなくなって調べてしまうくらいには。
そろそろ覚えてきました。
NACSのことを知らないのでLOOSERのことも知りませんでしたが、この5人で面白くないわけがないなと思いました。
磯貝龍乎くんがいて面白くないわけないでしょ?私には分かるぞ……。
そんな6月の品川。
品川の住宅地をスマホ片手に10分弱歩き回るレベルの大迷子。
ここ最近で一番の迷子をやらかしました。
私の歩く速度が速くなかったら、普通に開演に間に合わなかった。
危ない危ない。
人生で新選組と出会う機会って学校以外にもいろんな場所がありますが、私はだいぶ間違った新選組と出会ってきたので、認識が狂っているんですよ。
薄桜鬼と幕末Rock。
これだからPSPのゲームはダメですね(急な風評被害)。
株元くんが芹沢さんを演じるにあたり、NACSの安田さんという怪物の話をされました。
あ、そんなにやばいんだな~……へぇ……。
ところで再演に行くときやもう一度公演する舞台を観に行くときって予習しますか?
私は予習すると最初に見たほうをお母さんだと思ってしまうので、ダメなんですよね。
テニミュも最初に見た1stが一番好きなように、黒執事も再演よりも初演が好きなように、きっと最初にNACSのLOOSERを見てしまったらそっちの方を好きになってしまう。
柔軟な思考がないからか、終わりtoはじまりだって株元くんの土門さんを先に観てしまったので、株土門さんをお母さんだと思っていて、今井土門さんはお義母さんなんですよ。
予習して観に行く必要は恐らく今回はない、そう判断して私はWOWOWで放送したTEAM NACSの方のLOOSERを温存したまま公演を観に行きました。
今思うとそれで正解だったような、冒頭だけでも観ておいた方がよかったような、とにかく私の新選組に対する歴史観のズレで一度は戸惑うことになりました。
だって新選組は愛獲(アイドル)で、池田屋は新選組お抱えの専用雷舞(ライブ)ハウスで、池田屋襲撃は新選組の雷舞に志士(ロッカー)が乗り込んでINTERSECTをセッションした事件のあれなんですよ。
幕末Rockってとんでもない作品だな!全国民履修して欲しい。
しかし品川ステラボールがド平面だとは思わなかった。
ここ舞台やる劇場で合ってるんですか?
アリーナでこんなに見辛い劇場あるんだなぁ~と思いました。
でも刀剣乱舞の舞台は段差付きの装置が入る。
刀剣乱舞は優遇されますね……。
下手にいると上手にいる人は見えないし、上手にいると下手にいる人は見えない。
私は何があってもDVDを買うつもりだったので何も気にすることはなかったけれども、後ろの方の人はあまり見えない部分があったんじゃないかな~……と思います。
2階席のほうが見やすかったのかな。
大阪はどんな劇場だったんでしょうか。
まず本編を観終わって最初に思ったことは、すごく熱いものを見たなぁ……ということと、久しぶりにちゃんとした演劇を観たなぁ……ということでした。
すごく語弊のある発言ですけど、最後に観たのがBLACK BIRDだったもんでつい……。
舞台上に5人しかいないということをあまり認識することなく物語は進むし、出はけが多いなと思うこともなく、いや同じ人でしょ!と思うこともなく。
でも個人的には「脚本がめちゃくちゃ面白くて好きな舞台」というよりは、「キャストの持ち前のアドリブの力などが面白くて好きな舞台」に割り振られました。
例を挙げるなら「体内活劇はたらく細胞」ですね。
はたらく細胞自体はさして面白くないけれども、あのキャストだったから面白かったんです。
そういう舞台でした。
ただ、ここがこう面白かった、こういうところがよかった、などそういう感想はあまり頭には出てこなくて、トータルで「あ~よかったなぁ~」と深く頷く、そんなような舞台だなと思っています。
なんというかLOOSERって究極のタイムスリップ出しゃばり物語じゃないですか。
30歳でなんとなく生きているシゲという人間が過去に行き、そこで「山南敬助」と「吉田稔麿」という人間になり、歴史を知っている立場からどうにか戦いを起こさないようにしようとするという話。
この手のタイムスリップものって基本的に過去には干渉してはいけない、歴史が変わってしまうみたいなのがあるじゃないですか。
何一切そういったことは考えられていないうえ、たとえシゲが何をしても歴史は変わることはなかったんだろうなという空気。
現実世界で何も成果を出せない、やる気のない人間がタイムスリップして幕末に行ったところで何ができる?と言われてしまうと、人はそんなすぐには変われないんじゃないかな~とか私は思ってしまいます。
家で家事をやる気の起きない人間が刀を向ける人間に立ち向かえるか?この意見は一緒に行った友達に言われたことなんですけど、言われてみればそうだよな……と納得してしまったので私も同意見です。
でも私はタイムスリップしたことが無いので分からないですね。
シゲが部屋で独り言を言っているシーンは、「深夜に死にたいときの私じゃん」と自己投影はしましたが。
多少気になる部分はあったとしても、全体的にものすごく面白くて好きです。
ギャグとシリアスが最初から最後までいい塩梅で、観ていてあまり疲れない演劇だと思いました。
重すぎないところがよかったです。
たらたら書いてもしょうがないので、あとは自分のツイートをまとめます。
・クソオタクの興奮ポイントがいくつかあるんだけど、拷問された後に一瞬希望を見せられて、でも絶望のどん底まで落とされて殺される推しが一番じゃないかな
・自分が今まで知ってる新選組も視点を変えれば印象も変わる、というような内容だったけど、薄桜鬼のときに「さっさと死んでくれ~」って思ってた芹沢さんがあそこまで可哀想な人間だと思わなかったから、切ない死に際だったね。薄桜鬼の新選組奇譚は「土方さん!さっさと芹沢さんを殺して新選組をちゃんとさせましょうよ!!」みたいな舞台だったので、芹沢さんに対するヘイトをただただ高めていく2時間だったので、あそこまで「早く死ね~~~!!!!」ってキャラクターに憎悪の感情を抱くことも珍しかったです。そんな芹沢さんがなぁ。
・LOOSERどこがよかったとか、そういう感想はサラサラ出てこないんだけど、推しの死ぬ直前の決死の顔と、死に顔をじっと眺められるいい舞台です
・株元くんの付け鼻をした状況で「開国シテクダサーイ」っていうシーンでみんな死んだんだろうなぁ。似た系統でいうと、磯貝くんが九州弁を喋っているという千歳千里と、ウルトラマンと仮面ライダーって単語が出てくる辺りじゃないでしょうかね。
まあ少なくともNACSには仮面ライダーはいませんし、こっちにはゲキレンジャーもいるんですよね。キャストが変わることにより、台詞の響きと説得力が変わりますね。
・観に行ってからずっと「失い続けてしまうアルバムってどういう意味なんだろう」ってタイトルの意味を考えてたんだけど、今日歴史に名を残さぬまま死んでいった人のことなんじゃないかって思った。
LOOSERはなんとなく分かるじゃないですか。「幕末にルーズなんて単語があるわけないだろぉ~~????なぁ~~???」とかは置いておいて、まあなんとなくは分かるじゃないですか……。負けたり色々あるじゃないですか……。本編に単語は出てきても、考えても明確な答えが出てこないので難しい話ですけど。でもそれよりも「失い続けてしまうアルバムってなんなんだ?」っていう方が難しくて、本編にアルバムとか写真とかそういう単語は出てきますけど、あんな無理矢理出しました、繋げました、みたいな出し方だけで終わるわけがないじゃないですか。そして今日配信で見てて、古高俊太郎が殺されるシーンを見て、失い続けてしまうアルバムってこのことか……!とビビっと感じました。歴史上の人物で教科書に残っていない人って何もしていない人のように思われるけれど、名も残っていない人が本当の立役者なんじゃないかというのがこの舞台の一つのメッセージにあるじゃないですか。それはなんとなくは分かりますけど、そことタイトルは自分の中では結びついていませんでした。教科書に残らないまま、何も形を残すことのないまま死んでいってしまう人があの舞台には何人かいます。そしてみんな大義や志を持って生きて、そして死にました。吉田稔麿が何よりもその象徴的な人物で、生きていたら総理大臣になっていたかもしれない人、だなんて今回初めて知りました。その「生きていたら」っていうのが失われたアルバムなんじゃないかな、と。アルバムはある意味人々の記憶の象徴、そして今に語り継がれる教科書のことなんじゃないかな~ってお弁当食べながらふと思いましたので言葉に残しておこうとね……。LOOSERって口にするたびに「米津玄師?」と聞かれます。その時点でもうLOOSERよ。
芹沢さんの熱さや明るい未来を信じる力強さが株元くんと重なる部分があった、という友達からの意見もとてもいいものだと思います。
あとは私が一番好きな台詞は「あいつは早漏」だったので、くだらない下ネタが本当に好きなんだなと思いました。
だってすごくまじめな顔をして静かに「あいつは早漏」なんて言われたら笑いません?
私が下品なだけなんだよなぁ……。
みんな笑ってなかったもんな……。
まああとは……出会ってしまったんですよ……、10年越しに木ノ本嶺浩という俳優に……。
この話は脱線するのでやめますが、LOOSERで出会えて本当によかった。
株元くんが出ていなかったらこの舞台に出会うことは恐らくなかったので、そういった意味でもこの舞台に出会えてよかったです。
パンフレットを読んでもTwitterで飲んでる写真を見ても、この5人で本当によかったなと何回も何回も思いました。
そのくらい仲の良さが伝わってきましたし、本人たちも本当に楽しいんだということが伝わってきました。
DVDがとても楽しみです。
今からでもいいからオーディオコメンタリー入れてほしいな~!
またこの5人で舞台やってるのが見たいなぁ~!
その時は株元くんもプーさんの物まねしてほしいな!
追記:そういえば思い出しましたが、別にタイムスリップしたというよりは泡沫の夢でしたね。過去を見に行くという感じだろうと思うので、教科書通り、史実通りに進んでいかなくても夢なんですよね。未来が変わるわけではない。これによって幕末出しゃばりエンターテイメントが成立するという便利な設定だ。
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