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仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ 感想

※第一前提として、「むしろよくこの映画を見ないで仮面ライダーWを好きって言っていたなお前」ということを忘れないでください。



放送当時、初めてリアルタイムで見た仮面ライダーがW。
恐らく何があっても「私の一番好きな仮面ライダーはWです。」と言えるでしょう。
(ディエンドと海東大樹は別枠です。)(今後仮面ライダーに推しが出ない限りは。)
そんな私がリアルタイムで見ていた頃からもう9年もの時がたちます。
仮面ライダーW自体は何年かに一度見返してはボロボロに泣いているけれど、なぜかこの映画だけは見たことがなかった。
そもそも映画を見るのが苦手だったからなのか、映画だから別に本編にそこまで関わらないだろうと思っていたからなのか。
でも修復されている風都タワーを見ては「一体何があったんだ」と数年ずっと思い続けていた。
それにようやく決着をつけました。
ひょんなことから仮面ライダーWをまた見返している最中。
今が見るタイミングだ、と44話まで見て立ち止まる。
「須藤元気が選挙に出て印象変わる前に見な。」という兄からの助言も背中を押す。
Amazonは400円で映画が見れるんだね。便利な世の中~。

ものすごくざっくりとしたあらすじと、NEVERが死んでいる存在だということ、照井竜と亜樹子ちゃんはまだ付き合っていないということ、フィリップが捕らわれるということ、風都タワーが壊れるということ、そのくらいだけの前情報を頭に入れていました。
結構知ってるじゃん。
あとは「照井、死ぬなよ」「知らないのか?俺は死なない」(バイクに乗り走り去る)くらい。
ファイナルトークショーでこの再現をやる桐山漣と木ノ本嶺浩のせいで笑ってしまうシーンになってしまった。
まあ見る順序を間違えた私の責任ですが。


あとはサクサクと感想を。

エターナルが風都タワーをバックにマントを翻している画でWのOPが入るのが、ものすごくにくい演出だなと思いました。同じ仮面ライダーとしていつもスカーフを靡かせているWとの比較。にくい演出。

にくい演出といえばナスカとウェザーを一緒に出してアクセルと戦わせるところ。昔の男たち(故人)再集結。そしてあっさりと倒される。井坂先生かどうか確認するあたり、やっぱり照井竜はそうでなくっちゃ……!と思いました。

風都の街の人々が映ると、みんな知ってる人なのでテンション上がりますね。私も心は風都の住人なんで、まるで知り合いが映画に出てるような。風都オールスターって感じで「あっ、あなたたち一緒にいるの!?」「おぉ元気にしてる!?」と嬉しい気持ちに。私もそこにいるはずなんだよなぁ。

あとはやっぱり映画ならではの派手なアクション。カーチェイスなんてもう治安の悪いマリオカート見てるのかなと思うくらい。普段は見れないマキシマムドライブがいっぱい。最後の風都タワーの頂上でメモリを入れ替えながら戦って、それぞれの攻撃を繰り出すのも映画じゃないとできないやつ。映画だからこそ楽しめるアクション。予算がある。

今回はフィリップのお母さんがテーマになる話だけれども、前回(44話 Oの連鎖/シュラウドの告白)でシュラウドが母親だと知ったフィリップ。本当に本編の間に挟まれてくる話で、これ見てなかったらフィリップのお母さんって言われても何もわからなかったんだろうな。こんなにも本編の間に差し込まれる劇場版だとは思っていなかった。むしろ普通に本編じゃん。ちょっと長めの本編じゃん。2話分の大作じゃん。夏の1時間スペシャルみたいな。

翔太郎がフィリップの気持ちを察したあたりから、フィリップに対して特に何も言わなくなるのがいいなと思いました。仮面ライダーWはハードボイルドが一つのテーマなので、聞かなくていいことは聞かないし、言いたくないことは無理に言わなくていいというというクールな流儀があるので。それもやっぱり翔太郎が鳴海荘吉の幻想を見て、仮面ライダージョーカーとして戦う決意をしたからこそ、また一つハードボイルドとして深くなったからなんじゃないかな~と。

そして仮面ライダージョーカーのえも言えぬ「原点回帰」感が本当かっこいいですよね!今時ライダーパンチするライダーいないでしょ。ライダーパンチってすごく久しぶりに聞いた気がします。というか9年前だから今時じゃないか。キャストの人みんなBLACK RXの話とかするけど、本当まんま昭和の肉弾戦仮面ライダーって感じがWの、そしてジョーカーの良さですよね。ジョーカーって強いんだよな~!メモリと人は惹かれ合う。切り札はやっぱりジョーカーだし、左翔太郎なんだよな!雨漏り、なるほど!!と気づいたときは感動しました。あとこれは私がユートピアとの最終決戦とその後の最終回を知っているから言えることなのですが、やっぱり左翔太郎が誰かを守ろうと一人で立ち向かっているときは強いじゃないですか。覚悟を決めた翔太郎は変身していてもしていなくても誰にも負けない……。本当かっこいい男だ……。それでいて誰よりも優しい。最高。

オーズが「ライダーは助け合いでしょ!」って言ってくれて、本当このいい子が仮面ライダーでよかったな~って思いました。(仮面ライダーディケイドは敵を欺くなら味方から、という精神の持ち主なので、度々関係性は崩れるし、それにより狂った男は巨大ロボに乗ってミンチにされるし。)

そしてやっぱり欠かせないのは街のみんなが仮面ライダーWの名前を呼ぶシーン。どんなヒーローものにもそう言ったシーンってよくあるじゃないですか。でも仮面ライダーWは「Wは風都を守る仮面ライダー」っていうのが視聴者だけではなく街のみんなに浸透していることなので、自分の知っている街のみんなが仮面ライダーWに「頑張ってー!」と声をかける。あくまで仮面ライダーWは風都の街を守る仮面ライダー。今まで見てきたこういうシーンの中で一番説得力がありました。仮面ライダーWで一番見たいシーンですよね。みんなの応援が風になり、Wの背中を押す。まさにCyclone Effectじゃないですか……!1年描いてきた仮面ライダーの像がまさしくここで完成するというか、みんなあれが翔太郎やフィリップだって知らない人もいるんですよ。いや~すごくいいシーン。

最後EDとして「W」が流れてハッピーエンド。花火が見れてよかったね。私はWをよく聞く人間なのでこの歌が大好きなのですが、仮面ライダーエターナルとして、人ならざるものとして「悪の仮面ライダー」として街を壊そうとした人が「この街を救うのは誰だ?と皆探している」って歌うんですよ。この歌松岡充氏が作詞なんですが、仮面ライダーにはなったけれども「ヒーローとしての仮面ライダー」になれなかった男の哀しい最期っていうのが表現されているような気がして、エターナルのための歌なんだなと思うのと同時にタイトルは「W」なんですよ。幼い頃憧れていたヒーローは自分ではなくWなんだなって……。まあ私Vシネの仮面ライダーエターナルをまだ見ていないので何とも言えないのですが、克己ちゃんにも色々あったんだなぁ……。それはまた本編見てから追々ね。

ところで余談。仮面ライダーWのキャラクターブック2「忘れないでくれ、相棒」のインタビューに気になる部分が。花火に誘った照井竜は別に亜樹子ちゃんに対して恋愛感情が無いと本人が言い切っているんですよ。振り向いてもらえないくらいの距離感がいいとか、竜くんは気持ちに気づいていないけど亜樹子ちゃん的にはそれでいいとか、そういうこと本人たちは言うんですよ。でも制作側は映画でいい空気にしようとしたらそれよりも前に親密になっちゃったみたいなこと言うんですよ。なんなんです!?結婚させようって言い出したのどこの誰です!?一体いつです!?花火大会の照井竜が不誠実みたいになっちゃうじゃないですか!その前に亜樹子ちゃんだって抱き付いたりしてるくせに!不用意に頭をなでる男はなぁ、イケメンしか許されないんだよ!


映画を見終わったあとに兄と話す。
そういえば仮面ライダーの夏映画をちゃんと見たのは初めてだった。
兄曰く、「仮面ライダーの夏映画なんてみんな1時間でそんなにいい内容じゃない。でもWは1時間ですっきりと見れる本編になってるからいいんだよ。」とのこと。
AtoZはすごくいい映画だと思ったけれども、みんなのなかでめちゃくちゃに評価がいい映画だということを私が実感するには、他のライダーの夏映画を見なければならないのかもしれない。
ところでジオウの夏映画の仮面ライダーマッハとベルトさんのなんか過去のために戦国時代行くぞ~みたいな、設定からして絶対面白くないんだろうな~って思ってるんですけど、そういうことなんでしょうか。
なんか大体わかりました。
恐らく見に行くことも無いので面白いか面白くないか確認はしませんが。

仮面ライダーWは街を守る仮面ライダーだって強く再認識できることがこの映画の何よりもいいところだと思いました!
私が言ってる感想ってどれもAmazonのDVDのレビューにあるような感想なんですよね。まあそれくらいかっこよさがドストレートにみんなに届く映画なのでしょう。映画として完成してると言われるのも深く頷けました。これはDVD買うかな……。

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