見出し画像

医師国家試験予備校Q-Assistのまとめ・勉強法

  開始数年にして一気にユーザー数を増やし従来のMEC, TECOM, MACなどの対面型をメインとしてきた予備校に並んだMEDIC MEDIA発のQ-Assist、筆者自身CBT対策時に国試用動画でお世話になったのでまとめていこうと思います。
 私の他の記事である「国家試験予備校まとめ」と合わせてみて貰えばと思います。

【歴史・現状】

  もともとMedic Mediaで働いていたDr.清澤とTECOMにいたDr.盛永で立ち上げた新しい予備校。流石のメディックメディアの資本力で一気に台頭、他よりも圧倒的に値段が安い。世間の医学部では低学年で取る層が多いとのこと。サブスクの様に年会費さえ払えばCBT, 国試用の動画も全て見放題なのが嬉しい。ただ、まだ新しいせいか講師の問題か大学に出講するほどではない。有名ツイッタラーのDr.さとみなが最近追加。最近、浪人生向けに対面の講義も始めた。
  講義は内科〜マイナー科まで全て揃っており、最近医学英語なども入ってきて充実していると言える。講義動画は疾患・問題ごとに分かれているので気になった疾患のみを調べるのに向いていると言える。講義は主に電子黒板を用いて行われる、書画カメラの映像を併用する場合も多く授業スピードは結構速い。

【提供教材】

① メインテキスト:pdfで配布され、疾患の基本と問題演習がセットになっている。紙媒体はないので別途印刷の必要がある。iPadを用いた勉強を前提としており、Dr.清澤の教材ではハイパーリンクの埋め込みなどあらゆる工夫をしてくれている。講義資料は他の講師よりもDr.清澤のもののほうが優れており、疾患のまとめや解説問題以外の問題も綺麗にまとめてくれている。Dr.盛永も講義はわかりやすいがレジュメは練られていないので、自分で適宜足していく必要があるかもしれない。
②サブプリント:講義内容を網羅した暗記帳...というコンセプトだと勝手に思っていたのだが結構漏れがあったり内容に重大な欠陥があったりする。ただ、暗記の媒体としては非常に優れているので講義に合わせて書き込んだり編集していくのが良いと思われる。
③Question Bank(購入の必要あり):問題を解くだけなら購入しなくても使用できるが、解説まで含めると購入しておかなければならない。紙媒体を大学で購入するところも多いと思うので、紙でもonlineでも活用すると良い。

【メリット】

・とにかく値段が安く気軽に始めやすい。
・無駄話がなく、講師の喋りもわかりやすいので他の予備校のおじ様先生たちの語りより耳に残りやすい。
・疾患ごとにビデオが分かれているのでスポットで分からないものを調べられる辞書的な使い方ができる。
・講義は電子黒板を用いてテンポよく進んでいくので、時間に無駄がない

【デメリット】

・講義に間違いが多い、動画テロップで修正は入るが時々不安...
・講師によってレジュメの作りに差が大きく、病みえとか読んだほうが良いかも?となる科目がちょくちょく...
・質問対応はない、medu4のようなフォーラムもない
・マイナー科目は数年アップデートされていないものが多く流石に不安
・内科でさえもアップデートの時期がバラバラすぎて6年でメインに受けるには少々困ってしまう。
・マイナーな疾患も取り上げてはくれるが網羅性に不安が残る程度には教材の中身が薄い
・内科の疾患でも複数科目に登場するものもある。そんな時に「〜先生の方で解説があると思いますが」とは言うもののない時がある。後から追加されたりするが、6年で計画を立てながら勉強する人には不向きと思われる。
・MECなど大きな予備校はどの科目も(救急・老年などでさえ)ガチって講義してくるが、Q-Assistでは重複する内容などはバッサリと省く傾向にある。
・電子黒板・書画カメラの映像を映して進んでいく分、黒板形式の講義に比べてかなりスピードがはやい。

【Q-Assistの勉強法①、こんな人におすすめです】

  「既にある程度の勉強はきちんと済ませて後は問題演習で良い人」
→既にきちんと勉強してある程度を終えた人は予備校の動画を一から見ても飽きてしまうでしょう。本を読んだりQBを解いて仕上げるだけ、そんな人でもたまに疾患の概念がわからなくなることもあるでしょう。その時に、Q-Assistなら特定の動画だけを検索して視聴できるので問題演習時・仕上げの時期に良い見方となるでしょう。(ただ、この点で言えばMeditunesの方が安くて問題解説もあるのでいい気がしますが...)

【Q-Assistの勉強法②、こんな人におすすめです】

          「やばい、6年になるまで部活ばっかで何もやっていない...」   
→MEC, MAC, TECOMなど大きい予備校はきちんとした系統講義をウリにしていますが、その分講義時間が非常に長いです。しかし、部活などで忙しく6年生まできちんと勉強していなかった人は最後の一年の追い込みが鍵になります。そんな時、Q-Assistなら復習もサブプリントでサポートしてくれますし、問題演習も講義内できちんと終わらせてくれるのでそれをきちんとやれば大丈夫、最短で合格を目指せるでしょう。

【Q-Assist一本で受かるのか】

  国家試験は10%が落ちるくらいに上手く調整している試験です。したがって、大学受験のようにトップを目指すよりも平均を常にキープしていれば大丈夫です。みんなが解けない問題を解けるようになるのではなく、みんなが解ける問題を解けるようになる必要があるのです。不安になってあれこれやろうとする人もいるかと思いますが、「この予備校なら受かる!」というのはナンセンスで「この予備校なら自分のスタイルにあっているから最後までやり切れる!」というものを見つけるのが大事です。

【まとめ】

  Q-Assistはいまだにデメリットも多く(アンチではありません、むしろファンです)、同様の形態であるmedu4を超える良さがないのが現状です。しかし、医学部は6年間で膨大なお金がかかりますし、そんな中でQ-Assistは年3万円でほとんどが完結するようなサービスを打ち出してくれているのは革命的といえます。今後、臨床の最前線を走る講師の採用・学習システムの再構築を繰り返して10年後にはトップを走る予備校になっているかもしれません。   

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?