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悪魔

「本当の悪魔とは、巨大に膨れあがったときの民意だよ」

ドラマ・リーガルハイのシーズン2第9話にある印象的なセリフです。
放送からもう11年経ちますが、近頃このセリフがよく頭に浮かび上がってきます。

今や誰もが自分の意見を世界に発信できる時代です。
昔はメディアが意図的に取り上げさえしなければ形すら見えなかった"民意"が、現代では誰もがその手の中に毎分毎秒存在し続けている。
恐ろしい。

民意に殺された人間の報道を見て
「誰のせいでもない」
じゃないんだよ。俺たちだよ、殺してるのは。
なんの関係もない人がどっかで死んだだけなのに、何故か居た堪れなくて、何故か悲しくて、何故かほのかな罪悪感を感じるのは、どこかで大きな民意という中に自分が存在していると認識しているからで。
それでも少し時間が経てばすっかり忘れて飯食って屁こいて笑ってる。
まさしく悪魔ですね。

じゃあどうすりゃいいんでしょうか?
Xが無くなりゃあいいんでしょうね、きっと。
でももう無理だろうな。引き返せないところまで来てしまった感があります。
言いたいことが言えすぎるこんな世の中POISONですよ、反町さん。

そんなこと言うならお前が辞めればいいじゃん。って僕もそう思います。
でも恩師に「辞めないで」って言われてるんで辞めません。恩師なんで。恩師が死んだら辞めようかな。

自分が正しいと思うことを信じすぎない程度に信じて、誰かを殺す"民意"の一端を担わないように誠実に生きていきたいものですね、本当に。


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