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これはあざといな マーケティングは何処へ行くのか。

この本は、なんというかあざといのである。筆者はいわゆる意識高い系の人達をアレだと思っているのだが、この本の読み手は誰かといえば、まさに意識高い系の人を想定しているのだから全くもってタチが悪いのだ。

まあヒットする「もの」や「こと」の理由を説明するのは困難だ。なぜ流行るのか?それがわかれば苦労はしない。もちろん後付けでいろいろと理屈をつけることはできるが、それは屁理屈以上のものにはならない。

だから、コテコテに理詰めでマウント取るくらい力を入れてもヒットするとは限らない。むしろ少し力を抜いて、こんなんでいいのかというくらいがちょうどいいのだというのが筆者の主張だ。

確かにそうかもしれない。行動経済学ひとつ取ってみても、理屈どおりにならないのが世の中なのだから、これがエクセレントなマーケティング理論に基づいたプランなのだといわれてみても、ちっとも面白くないものはごまんとあるし、綿密なリサーチの結果に基づいた商品が魅力的だとは限らないのだ。

結局のところ、なんでヒットするのかなんて誰もわからないのだ。しかもデジタル化の流れは従来のB2Cの流れをC2Bに変えてしまった。

今や、セルフブランディング、セルフマーケティングの時代である。企業側が消費者をセグメントし、ターゲットへプッシュするのではなく、ユーザー側が自分に合ったものをユーザー側が検索してチョイスする時代になったのである。

デジタル化はあらゆる「もの」や「こと」に対して破壊的に作用する。マーケティングの分野においても、このルールは当てはまる。

マーケターと言われる人達は、もはや今までのマーケティング理論は、一旦全て破棄して再構築するぐらいで行かないと自分の身の置き場がなくなると思った方がいいと思うのだ。

バカにつける薬はないのと同様に、従来のマーケティングに効く特効薬は存在しないのだ。


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