まあ、まあ、まあ、そうだよね
ニムロッド。
題材に仮想通貨が取り上げられているということで、久しぶりに芥川賞受賞作を読む。
アマゾンのレビューほど悪くはないと自分は思った。作品の完成度はまあ高い方ではないか。
小説としてのフォーマットはしっかりしており、基礎体力の高さを十分に認識させられた。
ただ、中身は題材に比して新しくはない。むしろ古典的で路線としては王道の部類に入るか。
たまたま今の時代にある題材で書いたらこうなりましたという感じで、まあ、まあ、まあ、そうだよなって。
デジタル化が進み、生身の体より、情報自体がその人本人である世界。
コピーが蔓延し、シェアされ、アイデンティティは喪失。人の寿命もカウントレスになる。
そうやって希求したものが手に入ったのに、人ってのは、今度は存在し続けることに飽きてしまい、生き続けることの意味ってなんなんだろうって考えるようになる。
こういうこと想像するのって文学のチカラを借りるのが一番。まあ、まあ、まあ、いいんじゃない。
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