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旧北陸本線トンネル群 8月豪雨の後

2022年8月5日に北陸地方を襲った豪雨によって、福井県では国道8号線の通行止めにはじまる嶺南と嶺北の完全な分断が起きました。道の大半が旧北陸本線の転用である、福井県道207号線(今庄杉津線)では大規模な路面崩落等が発生し、2024年6月現在でも大型車に限っては通り抜けができません(普通車は迂回路を使って通行可能)。みち情報ネットふくいのページによると、通行規制の解消日時は「未定」とのこと。この災害のあおりを直接受けた旧北陸トンネル群は、遺構こそは無事でしたが電柱の倒壊により洞内照明に使う電気が通らず、1年以上照明や信号機が機能しなかったようです。現在は修復されている他、砂防や法面補強など道路状況がかなり改善されました。

旧北陸トンネル群の探訪ルート入り口(国道476号線側から)
葉原築堤 
葉原トンネル
杉津PA付近 "北陸線屈指の車窓風景"
県道207号線に合流

敦賀方面からトンネル群を辿ると、「南越前町方面大型車」通行止の標識をはじめ、「この先南越前町方面通り抜けできません」「落石注意」「崩土あり」のコンボ。なお普通車は現在迂回路で通り抜けができるので、蛍光色の標示板は少々誤解を招きそうな気がします。

罠山谷暗渠に入れる地点

この高さ制限の標識を目印に、旧北陸本線の遺構の一つである罠山谷暗渠に行くことができます。嬉しいことに、つい最近になって暗渠への道が綺麗に整備されたようで(おそらく周辺の砂防工事のため?)、かつてのように藪や倒木を越えて散策する必要がなくなっています。

なかなか急斜面。トレッキングシューズでないと厳しいかも
明治から令和に至るまで水路としての役割を全うし続けている
職人技が垣間見える坑門は存在感を放っている

そして崖崩れが著しかったと思われる区画は、入念に工事されていて通行がしやすくなっています。

芦谷トンネル手前 奥が今庄方面
将来的に何らかの土地利用がされそうな広場(迂回路があったと想定)
そしてこの絶景である

信号場やスイッチバック跡があるなど、旧北陸本線の遺構の中では特に存在感のある山中トンネルの付近もまた整備が進んでいました。

山中トンネル
扁額は長浜鉄道スクエアに展示されている

山中トンネルを今庄側に抜けてしばらくすると一部対面通行のゾーンがあり、さらに進むと完全に行く手が塞がれます。普通車は迂回路を使えますが大型車はもれなく引き返しとなります。

前方が工事の様子
右に迂回路
迂回路の先は通常の県道207号。ここから国道365号線&476号線に合流する起点に向かう
起点

ついでに湯尾トンネルも探訪しました。北側の横に長い坑門は存在感があり、当トンネル群のラスボス的存在…と当方は勝手に思っています。

南側坑門
北側坑門
北側坑門②

今回の探索は以上です。あの豪雨のせいで、幸か不幸か道路状況が格段に良くなった模様で、とりわけ罠山谷暗渠への道の整備は喜ばしいところです。

おまけ 

今回県道207号線を今庄方面に辿っていきましたが、敦賀方面にも車を走らせました。ただの逆走で特に紹介するものはないので、207号線の終点付近での画像一枚にとどめます。

終点付近。標識の仲良しコンボ

あと本編とほぼ無関係ですが、近かったのでウツロギ峠(福井県道209号線:五幡新保停車場線)にも足を運びました。最近になって起点が変更されたそうで、非常に狭隘な五幡交差点から、水田を突っ切る広い道が起点になっています。

起点
進路は左の整備された道ではなく右 
ガードレール手前で獣の侵入を防ぐゲート?が設置されている
「通行止」の看板がふて寝
歴史探訪に訪れる人がちらほらいるそうな


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