DAOとは何か?実際の事例や注意点を調べてみた。
Web3関連でよく耳にするワードに、 DAOがあります。DAO はブロックチェーン上で成立する新しい組織の形態です。2022年時点でも注目を集めつつあります。
この記事では、DAOについて基本的な事項を取り上げます。実際にどのようなDAOがあるのか、参加する際の注意点、自分で DAO を運営するための方法まで解説します。
1、DAOとは?
DAO とは英語では「 Decentralized Autonomous Organization 」とされ、直訳すると「自律分散型組織」となります。このように表現するとわかりにくいですが、簡単に言うと投資家の集まりです。株式会社に似ており、同じ目的を持った人が集まって資金を集め、あるプロジェクトに共同出資したり、コミュニティを築いたりします。
DAO が株式会社と異なる点が組織の在り方です。それは、意思決定の際に中央で指令を下す管理者が存在せず、コミュニティのメンバー全員が同等の発言権を持っているのです。
DAOではガバナンストークンが発行され、それを購入することで組織に参加します。意思決定のための投票権を保有できる仕組みといえます。そして、DAOに集まった資金の使途や管理方法に関わる意思決定では、賛成が過半数を超えるとスマートコントラクトにより実行されます。
ここでいうスマートコントラクトとは、ブロックチェーンシステム上に設定されたルールに従って自動的に取引が実行されるプログラムのことです。DAOでは、年齢や性別、人種、国籍を問わず世界中の人々が参加できます。
さらにすべての契約や取引がブロックチェーン上に履歴として残ります。ブロックチェーンは改変が不可能であるため、透明性と公平性が確保されるのです。
2、DAOの事例やプロジェクトとは?
①BitDAO
世界的な規模を誇るのが「 BitDAO 」です。シンガポールの仮想通貨取引所である「 Bybit 」がサポートする DAO です。PayPal の創業者である Peter Thiel 氏をはじめとした多くの著名人も資金提供をしています。
設立目的は、将来性の高い DeFi や NFTプロジェクトに資金提供することです。スタートアップの 成長性の高い プロジェクトを中心に出資しており、今後の成長が期待されるDAO といえます。
②Ninja DAO
NFT の「 CryptoNinja NFT 」の公式コミュニティで、国内最大級のDAOといわれています。 NFT オーナーであるかどうかに関わらず、CryptoNinja NFT に魅力を感じた人たちが参加しており、メンバー同士の活動を行っています。
特徴として、二次流通が可能であるCryptoNinja NFT の特性を活かし、小説、音楽イベント、ゲーム制作、コスプレなどのプロジェクトが考案されています。
3、DAOに参加する際の注意点とは?
DAOに参加する場合のトラブルとして、情報漏洩があります。DAOは全てがブロックチェーン上で完結するためハッキングのリスクが残るのです。過去には多数の事件が起きており、2016 年にはイーサリアム上の「 The DAO 」がハッキングを受け、約 360 万 ETH(当時の価格で約52億円)を盗まれる事件も発生しています。
しかも、DAOに関する法的な整備は整っていません。たとえ被害を受けても補償されるとは限らないです。参加する場合は必ずリスクを理解することが前提となります。
4、最後に
DAO への参加は組織が発行するトークンの購入により可能となります。参加者は平等にコミュニティからの恩恵を受けられます。DAO が成立するためには、「投票メカニズム」「ガバナンストークン」「コミュニティ」「資金管理・投票・提案のシステム」が必要なのです。
ここまで、DAO の概要や実際のサービス、注意点などを紹介しました。DAOはまだこれから大きく飛躍する技術といえます。是非本記事を参考にして、DAOへの理解を深めてみてください。
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