見出し画像

海外で過敏性腸症候群と闘う

私は昔からお腹が弱い。

普段の生活でストレスや疲れが溜まるとまずお腹に出るし、
旅行中は特にお腹の調子を崩すことが多く、
ずっと頭を悩ませてきた。

お腹の悩みがない人は羨ましくて仕方ないし、自分の身体のどこかを誰かと交換できるなら腸と言うと思う。


お腹は身体全体の調子を測るとても分かりやすいバロメーターで、お腹を崩したらちょっと休憩を増やそうかな、くらいに気楽に捉えるように努めてきたが、
お腹の調子が悪いことを考えることが更にストレスを呼び、更なる悪化を生むという、
お腹弱い族の方ならきっと共感していただけるだろうこの気持ち。






最近、なんとかこれにケリをつけたい、という思いがふつふつ湧いてきている。


きっかけは2週間ほど前。
自宅で筋トレをしたあと、たまたまプロテインを切らしており、なにかタンパク質を…と探していた時に目に入ったのが冷蔵庫の卵。


この卵、妻が自宅で鶏を飼っているお友達からいただいたものだったのだけど、推定2,3ヶ月前の卵であることに気付かず、半熟卵にして食べた私は地獄を見ることに…。


鶏に含まれるカンピロバクターという種のウイルスは、ケースにもよりますがおおよそ36時間〜48時間後に腸内で繁殖を起こして症状を起こすようで、
日曜の昼に卵を食べた私は火曜の昼頃から明らかにトイレにいる時間が長くなっていた。



『なんだ、、何を食べたんだ……?』
疲れによる腸の不調とは明らかにレベルが違う症状から、最近旅行や出張が続いたことによる疲れの蓄積のせいではないと思われる。
そして、冷蔵庫から例の卵が無くなったことに気付く妻。


『もしかしてアノ卵、食べた……?』




整理整頓が得意ではない妻が、買ってきたものを冷蔵庫内でダメにすることはよくあること。
お腹の弱い自分のリスクマネジメント力の弱さが悔やまれ、その後悔で更に増す腹痛。




この手のウイルスと戦うときは変に薬を飲んだりせず、とにかく水分を取って身体から最速で排出し終わることを目指さすことが大事。
具体的には、正露丸とかをすぐに飲むことは控え(正露丸は腸の蠕動運動をゆっくりにする、つまり腸の過剰な動きを抑える薬なので、ウイルス排出を妨げてしまう!)、ほぼ無意味かもしれないが気休め程度にミヤBMやビオフェルミンなどの整腸剤を飲み続け、3日間ほどひたすら腹痛と戦う。


3日間の戦いの間は、安心のために日本から持ってきておいた粉末ポカリスウェットが大活躍。これがなければ干からびて死んでいたかもしれない。
ポカリスウェット、本当にありがとうございます。




結果、完治するのに1週間くらいかかった大変な週だった。






海外で体調を崩すと、ストレスのかかり方が日本にいる時とは全く変わってくるのはご想像に難くないと思います。


もし何かあったら、という不安や、手持ちの薬を飲むべきなのか、飲んでも効かなかったらどうするのか、そもそも何が原因なのか、、
不安の種が多すぎて更にストレスが増大の悪循環。






しかし、不安がっていても仕方ない。
ただでは転ばない諦めの悪さも大事ですよね。



お腹が弱い体質は変わらないかもしれないけども、異国の環境で仕事で成果を残すためには、
身体のメンテのルーティンは必須だと思います。
そして、薬が必要になる前に、自分の身体と免疫そのものを高めていく努力をしたいと思いました。



・常に体力を維持して100%の自分でいたい
・私にとって最大のリスクであるお腹の調子を安定させたい









まず、今回の件の前から、
食生活のベースとしてはオートファジーを取り入れている。
オートファジーとは、身体が一定の飢餓状況になると、細胞内で古くなったタンパク質の分解が行われ、身体の浄化機能の活性化が向上するというもの。
日本は世界でも突出したオートファジーの研究国家で、オートファジーに関する研究でノーベル賞
受賞者がいます(本当に尊敬。すごい!!)。


具体的には夜8時までにご飯を食べ終わり、朝ごはんを抜いて昼12時から初めてご飯を食べます。


これ、結構身体が軽くなります。
私には合っていました。


最初の1ヶ月くらいは、午前中の空腹に慣れるのに時間がかかりますが、案外慣れます。
もうかれこれ、3年半は続けています。




昼12時から夜8時の間に食べるものは、
3つだけルールを設けています。


①炭水化物は必要最低限のみ
②タンパク質摂取をプロテインで強化
③アーモンドとブルーベリーを毎日一定量食べる




①について。
人類が農耕を学んで、小麦粉・米・穀物、つまり炭水化物を食べ始めてまだ数万年程度。
糖質として早くエネルギー源になる炭水化物はすぐに活動源になる便利さがあるものの、
人が生まれたのは500万年も前。
それまでは肉や魚でタンパク質、
木の実やフルーツで食物繊維、
それぞれから天然の脂質を得ていた期間が圧倒的に長いわけです。
そうであれば、ここ最近出てきたようなものである炭水化物群へ人類の身体がそこまで完璧にフィットしているかと言えば疑問符がつくわけで、
これによる糖質の過剰摂取がヒトの身体の中で様々な不具合をもたらす、

という趣旨の本を読み、、なるほどと思ったのでした。


②について。
現代の生活ではタンパク質を必要量摂取するのが大変なのはよく言われる話。

今はホエイプロテインを昼食と夕食の間に2回に分けて飲んでいます。


③について。

プロテイン、つまりタンパク質を摂取すると、
一般的に腸内環境が悪化します。
タンパク質を分解する際に窒素が発生し、それが悪玉菌のエサになるからです。

これを緩和するには、腸内環境を整えてくれる魔法の薬、食物繊維の摂取が必要です。
そのため、プロテインと共に、アーモンドとブルーベリーを毎日一定量、間食で食べてみている。
このふたつにはそれ以外にも多くの効能があるため、他にどのようなポジティブな効果が表れるかすごく楽しみにしています。





この3点を守れば昼食・夕食の中身はそこまで制限はしないものの、
やはりよく言われる通り、塩分や加工品(ハム・ソーセージなど)は控えるようにしています。


他にも、フランスにいるからにはワインやシャンパンを飲みたい欲は出てしまいます。

一方、アルコールは大腸がんのリスクを高めることは既に医学的に断定されており、お腹にとっては明らかにネガティブな要因です。
私は飲む回数はせいぜい週一度程度ですが、
特にお酒を飲む前後は整腸剤(ビオスリーHi)も飲むようにしています。





これ以外にも、本当にたくさんのことに手を出し、自分に合う合わないを調べてきました。




例えば、ヨーグルトを食べること。


欧州に来られたことがあればご存知の通り、フランスもヨーグルトやチーズなどの乳製品が人々のお腹を守っています。


スーパーに並んでいるヨーグルトを片っ端から試してみました。
多分30種類くらいは試したのではないでしょうか。結局、自分に合っているなと思うものには出会えませんでした。
なので、私はヨーグルトは食べないことにしています。


次に、チーズ。この2年半で試したのは実に50種類。

ここではある程度傾向を見つけることができました。
私のお腹にはハード系のチーズ(水分が少ないもの)の方が合います。例えばパルミジャーノやミモレットなど。
一方、カマンベールなど、柔らかいものはお腹に合っていませんでした。



結局、そういったハード系チーズや、高額ではあるもののアジア系食品店で何とか手に入る納豆・キムチなどの発酵食品群を組み合わせることが私にとっては良いという結論に至りました。






自分に合うものを見つけるまでいろいろ実験をしてみましたが、チャレンジしてみたことの3/4くらいは身体に合いませんでした。


まあ命中率としてはそんなもんなのではと思います。こういう実験が楽しくて、何でも試さないと気が済みません。

まだ実験の途上ではありますが、
この取り組みをしてみて考えが変わったことが1つあります。


それは、より良いものを選んで食べる意識が向上したことです。


例えば、私はチョコレートもすごく好きです。
フランスのスーパーに並んでいるクラスのチョコレートは100種類程度あると思われますが、おそらくその8割は食べたことがありますし、私が住む街にあるショコラティエで行ったことがない店もほとんどありません。


チョコレートに含まれる砂糖(糖質)は、確かに身体には悪いです。
ではだからと言って、チョコレートを食べずに健康を守るだけの人生は幸せなのでしょうか。
絶対つまらないです。


となれば、やるべきことは『チョコレートを食べない』ではなく、選りすぐった本当に良いチョコレートを時々食べる、が良い選択だと思います。


具体的には、
日常レベルでは、それこそスーパー等で手に入るようなチョコレートの中から高カカオのチョコレートを選び、砂糖やミルクを控える。
そして、時々ご褒美で本当に質の高いショコラティエのチョコを買ってきて大事に食べる。

フランスの本当に質が高い(そして値段も高い…)ショコラティエのチョコは、びっくりするくらいたくさんの味のエンターテイメントが隠されていて大好きです。

私は一年かけて、カカオ85%がようやく最近食べられるようになってきました。
もう少し上も挑戦し続けてみます。




また、これまでは成分表などあまり気にしてこなかったものの、多少は見るようになってきました。


こういったことは最後はやはりバランスが大事で、過度な節制がストレスになっては何の意味もありません。


自分のペースで、少しずつ美味しいと思えるように身体を慣れされたり、好きなものを食べるにしてもその内容を少しずつ変えていくという長いスパンでの自分改善だと思います。

ポジティブに捉えれば、今まで美味しいと思っていなかったものを美味しいと思えるようになるって、すごく人生の幅が広がったことと言えるのではないかなと思います。



高校生くらいの時、学校の自動販売機でカフェオレしか飲めなかった私は、ブラックを買う友達や教師たちを『あんな美味しくもないもの飲んで大人みたいな顔してカッコつけやがって』とひねくれた心で羨望の気持ちを押し隠していました。

今はコーヒーはブラックが1番好きですし、
当時のひねくれていた自分も今となってはかわいく思えます。


上記の例は、あくまで私の身体にとってどうだったか、という実験結果で、同じことをやっても皆さん一人ひとりにとって結果は異なるはずです。

だからこそ、ネットや人の情報を試し、自分との相性を調べてみることはとても大切だと思いますし、それはすごく楽しいことです。





私の住む地域はいまオマール海老の季節。
市場には新鮮なオマール海老が並びますので、
年に一度は食べるようにしています。

今年はちょっと奮発し、2匹も購入。
でかい!!


なかなか2匹を買う人は少ないようで、
お店のおじさんがカニをおまけでつけてくれて妻も大喜び。



家でシンプルに鍋で茹で、殻を割ってかぶりつく。

プリップリなんてもんじゃないです。

ブリンブリン。
最高。

明日は殻を使ってビスクを妻が作ってくれそうです。


ありがとうおっちゃん。

また買いに行くね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?