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本を書くにあたって-as someone said-

コ2マガジン上で韓氏意拳についての連載をしましょうという話をいただいて、新宿の「カフェ アルル」で行った最初の打ち合わせから編集下村氏は「連載が終わったらまとめて本にしましょう」と言っていた。

なんの教養もない私がいくら教えている事とはいえ一冊の本を書けるのかは正直なところ不安が7割だった。
残りの3割は「別に普段から教えてんだから、それを普段通りにまとめればいいんでしょ、なら楽勝しょ」と舐めていたのだが、いざ始めてみれば、喋るのと書くのでは全く別の事らしいと分かって不安100%になってしまった。

そこで頼りにしたのはある人が言った「誰でも自分の人生を書き綴れば一冊の本を書くことができる」という言葉だ。

自伝なんてのは精神的なヌードみたいなものだと思っていたので、よくそんな事できるなと思っていたが、思ってもみなく自分の番が回ってきてしまった。
韓氏意拳については、なるべく習ったことをそのまましようと努めたが、自分について語る部分では、今後本を出せるという保障などないのだから、水着写真集→一糸まとわぬ姿と宣伝しつつ全部は見せない写真集→ついにフルヌード公開みたいな「アイドルから女優への小出し作戦」は狙えない。どうせやるなら猥褻にならない範囲で全力フルヌードで行くのが上策というものだろう。

とにかく「かっこつけないで書く」と決めた。

今思えばかっこよくない奴がかっこつけてる事ほど愉快なことはないのだからそれはそれで面白かったかもしれないが、面白いのはやってる私ぐらいだろうからやらなくて良かった。

馬鹿は馬鹿なりに、下手は下手なりにやれることをやる。
そうすれば馬鹿と言われても、下手と言われても「だからどうした」の一言で逸らしノーダメージで切り抜けられるのでは?という馬鹿なりの小狡いディフェンスプランがないわけでもない。

こうした試みが上手くいったどうかは、今は分からない。
最後の校正作業を終えた後に数々の武術・武道関係の本に関わってきた下村氏から「この本は“大丈夫な本”だと思います。」と言っていただいたのはありがたい限りだったが、仮に上手くいっていたとしても反応はきっと微々たるものだと思う。
閑古鳥がのどを嗄らすか如くの講習会が賑わうことはないだろう。
今までも何度か期待するような出来事もあったが全て上手くいかなかった。

でもまあ、過去がそうであったとしても未来がそうであるとも限らないし、悲観しすぎても仕方がない。

サインの練習でもしようかなと思うぐらいには浮かれているから心配ご無用に願う。

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(2月4日よりアマゾンにて予約販売開始。発売予定日は2月20日)


諸注意と改めての謝意

1 この本の駒井式の部分は他の韓氏意拳の先生方とは見解が異なる部分というか、異なる所だらけだろうから「駒井さんはこんなように言っていますが」とか言って他の先生を困らせないように。私だって「他の先生がこう言ってましたが、それはどういう意味ですか?」とか聞かれても「本人に聞いて」としか答えません。

2 遊び稽古を中心に写真や動画でご活躍いただいた小磯直樹氏、高橋佳三氏。事前に打ち合わせもせず、ほぼ全てその場で「ああして、こうして」という私の無茶ぶり的要求によく応えて下さいました。遊び稽古は皆に試して欲しかったので、私が実演せずに無茶ぶりでもきっちりやってくれるであろうお二人に頼みました。本当はもっと練習してから撮影したかっただろうに。改めてご協力に感謝します。

3 画像は私が暇つぶしに書いたカバーイメージ。タイトルの副題はこれ書きながらSting の「Englishman In New York」を聞いていたので詩の一節を入れてみたくなりました。ちょっとカッコつけました。

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