悩み相談は可能か?

いじめで自殺する中学生が出るたびに、「悩みを相談できる環境が大事」みたいな話になる。実際そう思う。悩みを打ち明けられないまま苦しみから逃れられなくて死ぬくらいなら、誰かに話して楽になった方がいい。話せば誰かが助けてあげられるかもしれないのだ。


わたしは周りに就活とか恋愛とか困ったときは助けてくれる人が数えきれないほどいて、かなり恵まれていると思う。友達がいてよかったと思うことばかり。みんな何でも相談に乗ってくれて本当にありがたい。あまりにも恵まれているので、基本的にそもそも悩むことがない。
恵まれていると、そもそも人に相談するような深刻な悩みは生まれないのだ。


でもそれはやはり気を張っているからなのだと思う時もある。精神をコントロールできなくて、突然気持ちを支えられない瞬間というのは来る。普段自分が気を張っていることにはその瞬間まで気付かないので、気を張り直す方法がわからない。支えられないのでとにかく落ちる。しかしそれでは日常が成り立たないことを本能レベルでわかっているので、人と会えばまた気は張り直される。なので落ちていく瞬間は基本的に1人だ。

気持ちを張ったり落ちたりを繰り返してると、たまにだけどさみしくなるし単純に疲れる。


気持ちが落ちていく時、誰かがこういう自分を支えてくれる時が来るのかなと思ったりもするけど、それは結構難しいことだと思う。自分でコントロールできない精神のバランスについて他人に言語で説明するのは難しいし、何よりそんな話は全く面白くないので誰が聞いてくれるんだっていう。精神病んでますという話は、病名ついてるとかじゃない限り本当に面白くない(適当に断言してみたけど人によりけりだと思います)。

1人で落ちていくことを誰かに気付いてもらうのは無理だけど、だからって自分から話すのもかなり難しい。こういう、悩みとしてまだ世界に分類されてない悩みを、誰かに聞いてもらうことは可能なのか?と、疑問に思っている。


つらいことがあったらいつでも言ってねってみんな言うけど、少なくともわたしの日常にそんなわかりやすいつらいことはさして起こらない。本当につらいのは、誰にどう説明したらいいのかわからないくらいささやかな、自分でコントロールできない気持ちの揺れの方なのではなかろうか。


人に本当の意味で悩みを相談できている人っているんだろーか。いなくはなさそうだけど、意外とみんなできてないんじゃないだろーか。自分が何に悩んでるのかもよくわからないまま生きているのに、人生はどんどん進行して不思議な気分。わたしは意外とみんなも、こういうささやかだけど毒気の強い不思議なさみしさを時々感じてるんじゃないかと思っている。普段気づかないだけで。