水道工事狂想曲 第三楽章

開店してしばらくしたあと、店のどこかから悪臭がするようになりました。汚水のような臭いが床面から立ち上るように思いますが、それがどこからきているのかわかりません。

もともと古い物件で、もしかすると見えないところが汚れていたり、何かが漏れているのかもしれません。同じビルの他店に話を聞いてみますが、あまり同じような状況にはなっていないようです。

業務用カビキラーを片手に、一日がかりでシンク下や冷蔵庫の裏まで徹底的に店内を掃除・消毒してみましたが、少し経つとまた悪臭が漂います。お客様も指摘こそしてきませんが、気づかないはずはありません(実際常連さんに聞いてみたところ、気づいていらっしゃいました)。

とにかく排水口やトイレなど、「外とのつながり」さえ対策できれば臭いの入ってくる余地はないはずです。店内と外部とのつながりは、入り口のドア、店奥の小窓、トイレの排水、厨房の排水、客席の換気扇、厨房の換気扇。あとは水道管とガス管ですが、こちらはさすがに原因候補からは外します。

ドアと窓は流れるものは外気なので、これも候補からは外します。換気扇はそもそも排気する機械なのでこれも外します。トイレや厨房の排水にはトラップがあり水が溜まっている(確認もしました)ため、臭いが上ってくる余地がありません。

さて、原因がなくなってしまいました。でも臭いは無くなることはありません。消臭剤などで無力な抵抗を続けますが、苦悩の日々は続きます。状況に業をにやし、半ばやり場のない怒りも覚えながらもう一度状況を見直してみる事にしました。

すると、臭いの元はどうも厨房の床面あたりから上がってきてるらしいことがわかりました。

(第四楽章へ続きます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?