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予定にない撮影への対応

2020年12月19日 (土) AM 8:00、デンマークの Marc Olsen からメッセージが入る。日本とデンマークの時差は - 8 時間だから、向こうは凡そ0時ぐらいだろう。

"プレイヤーのインタビュー映像撮ってくれる?" 

予定には無かったが、ゲーム以外の映像素材が必要なことは分かっている。
幸い、設営時間に余裕がある現場なので時間的には問題ないだろう。

"もちろん OK"

直ぐに返事をする。

インタビューなんて撮れば良いだけと言ってしまうこともできる。
だが、ちゃんと撮ろうと思えば、それなりの準備は必要だ。
インタビュー内容は別として、撮影側としては①ロケーションをどうするか、②構図をどうするか、③音声をどのように撮るか、の3つは最低限決めなければならない。

① ロケーション
人物がメインの映像ではあるものの、周辺や背景をどのようにするのかによって印象は大きく変わる。

② 構図
適当に人物を立たせておくだけということもあるが、フレーム内の構図、立つのか座るのか、真正面からか斜めからか、インタビューアも映すのかどうか、ロケーションも踏まえて照明は足りているか、など、いい加減に決める訳にはいかない。

③ 音声
実は、これが一番の問題。
今回はバックギャモンの撮影なので音声については、ほぼ考慮しておらず、ゲーム中の音がそこそこ録音されていれば良いだろうと考えていた。ゲーム中の音は、最終的にはほとんど使われない。実況解説を乗せるからだ。

Marc からは、インタビューアの音声はカットして字幕を入れるから気にしなくて良いと言われたので、インタビューを受ける側の音声だけ考えることにした。(結局、使われてたけど)

インタビューに使えるカメラは2台。他はゲーム撮影用に設置しなければならない。そして、マイクを持ってきていない。ということもあり、GoPro を音声収録用とて、人物の近くに置くことにする。(畳なのが幸いして、残響音が出ないのは助かった)

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これらを頭に入れて、会場入りする。
まずはゲームを撮影するためのセッティングが第一の仕事である。

いろいろな準備が立て込んだ結果として、インタビュー撮影はかなりバタバタだった。

UBC の対局場所は和室である。
会場は LED の長細い蛍光灯タイプで、ほぼ白色ではあるが、照明は木に挟まれるようになって設置されており、また畳の照り返しなども相まって、部屋全体がやや黄色みがかっている。
これをどこまで修正するのか、というのは難しい問題だ。
加えて、Raw 撮影ではなく ProRes で撮ったので、編集の可用性も低い。(RAWで取るべきだったかなぁと後で少し反省した)
1時間ぐらいあれば、測定、データの編集などをしてみて決めるのだが、残念ながら、そんな時間は無い。

私は撮影だけ行い、編集は Backgammon Galaxy チームの Willson が行う。
彼が、どこまで映像的に追い込みたいのかが事前に聞いていなかったこともあり、結局、この素材については私の方で色補正もせず、生データで渡した。(MOV を文句も無く受け取っていたので Final Cut を使ってるのかな?)

ということで、YouTube にアップロードされた映像は色補正しないままの映像になっている。そんなには悪くないと思うし、そう思ってもらえると撮影者としても助かる。

さて、この映像ですが、どのような機材で撮影されたのかを一発で当てられる人はいないと思います。
シャープでありながら柔らかく、背景を適度にぼかしてくれ、辺縁の歪みも気にならない。

それは、
BMCC 2.5K  + Zeiss Planar T 35mm/F2 の組み合わせです。

BMCC はまだ使えます!
Planar T は 50mm も持っており、スチールでの私の常用レンズです。

スチールの人は BMCC (しかも初代) なんて使わないだろうし、動画の人は MF の Planar なんて使わないでしょう。
だから、この組み合わせはかなりレアです。
でも、これだけの映像が撮れるのなら、私は悪くないなと思っています。


(@totheworld)

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