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読書との距離感

2020年最後の読書会が先日終了しました。
コロナの影響も考え、来年の活動は未定。ここでちょこっと今年の会を振り返ってみようかなと思います。

その前に、ある友人の話を。

彼女は私の親友です。
彼女とは小学校と中学校の同級生で、クラスが一緒になった回数は少なく、思い返せばどんな風に仲良くなったのかも覚えていません。
当時から彼女は読書家で、私と比べ物にならないくらい本を読んでいました。
私も読書は好きでしたが中学にあがり、ある作家に出会うまでは児童書のようなものを中心に読んでいたため、彼女がえらく大人びて見えたものです。

自分の好きなものや世界観がしっかりしている彼女が好きで、しょっちゅう会っているのに私たちは会う度に手紙交換などをしてはきゃっきゃしていました。

高校になり私は地元の南九州の高校へ、彼女は関西の高校へ進学しました。
暫くは文通したりしていましたが、当時の私には九州と関西の物理的距離は遠く段々と疎遠になっていきました。

大学進学の際も私は九州で、彼女は関西で、と距離は縮まらず、それでも一度だけ私の一人暮らしの家に彼女が遊びに来てくれたことがありました。

社会人になってからも、途切れていた連絡を彼女が繋いでくれ、ようやく会えましたがそれももう3年ほど前…。

中学卒業以来、数年に一度会う彼女。
会う度に、司書の免許とったよーとか、仕事変わったよーとか、結婚したよーとビッグニュースを教えてくれます。今はお互いLINEで繋がっているにも関わらず私たちは相変わらず年に1,2度手紙やちょっとしたプレゼントのやり取りをするのみ。

数年会わないと近況報告もざっくばらんになり、結局話すのは本の話だったりしていました。

そんな彼女が今年のはじめの頃に送ってくれた手紙で
『実は去年1冊も本を読まなかったの』
と教えてくれました。

もう、それは、私にとっては本当に信じられなくて、彼女が本を読まずにいられたのか!!と大きな衝撃を受けました。

よく話を聞いてみると(実際には手紙を読んでいるので聞いてはいないのですが)、ある頃から突然文を読んでいても全く集中できず、その意味が頭に入ってこなくなったそうです。

最初こそ戸惑ったようですが、日常生活に支障はないため彼女は潔く2019年はいっそのこと本から離れてしまおう!と別の趣味に没頭したそうです。

でも、彼女は変わらず本が好きです。

今年に入ってからは、以前私がプレゼントした絵本と詩集の間のような本を少しずつ読めるようになってきたそうです。

さて、ここまで前置きでしたが笑

なにが伝えたかったかというと。

今年はコロナの関係もあり、読書会自体の回数も2019年よりは少なく、参加者も昨年よりは減りました。
参加できず、申し訳ないと言ってくださる方もいらっしゃいます。
私自身、本が好きなのに何かと時間がとれず歯痒い思いをしたりすることも多い一年でした。

でも、どんなに本が好きでも、その時その時の本に割ける時間や本との向き合い方というのは変わるものだと思います。

本を全く読めなくたって、本が好きだと公言していいのだと思います。読書会に参加できなかったからと言って申し訳なく思う必要なんて全くないのです。

コロナのことで読書会が開催できなくなったときに、オンラインでの会をしないのかと何度かたずねられました。
今のところやはり予定はなく、というのも私は実際に集まって生まれる空気感が好きなようです。たまたま媒体が本なだけで、人が集う空間を作りたいのです。

もともと、誰かの居場所になればいいなぁ、開かれた空間として人が集う場所を作りたいなぁという想いがあって始めた読書会。

今年は8回開催でき、49人、80もの作品を紹介して頂きました。
ちなみに今月で読書会を始めて丸2年経ちましたが、数えてみるとこの2年で116名の方が参加、203もの作品を紹介頂きました🍀

多くの方がリピーターとして参加して下さり、ほくほくとした表情で会場を後にする姿を見て、『今日も開催できてよかった』と毎回思うものです。

2021年はまだ活動予定は未定です。
でも、きっと次またお会いできるまでに、皆さんそれぞれの『読書と私』の時間を楽しんでいてくれたらいいなぁと思います。

長くなりましたが、見えない不安に覆われそうだった2020年。
大変お世話になりました。本当にありがとうございます。

皆様、良い年の瀬をお過ごしください。

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