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触覚書道刻字プロジェクト(1-1)きっかけはお客さまの一言から!

私 池山光琇(Kousyu)の刻字作家としての活動は、千歳会という刻字の社中(グループのことです)に所属し、

毎日書道展(六本木の国立新美術館)、日本刻字展(上野の東京都美術)、千歳会展(銀座の鳩居堂画廊) などの展覧会で自分の作品を発表すること

しかし、刻字の知名度は今ひとつ、
このままただ大きい美術館や画廊に出品するだけでは来館していただける方は決まってきてしまう、もっと多くの方に刻字の魅力をしってもらいたい

そこで、2019年夏、
「《刻字- KOKUJI》千歳会本部チャリティー女人展」
を、東京の小田急線狛江駅にある
”泉の森会館ギャラリー”
で開催しました。

この企画は、私が刻字を学んでいる 千歳会 の本部に所属するお仲間と
”刻字を少しでも多くの方に知ってもらい、お気に召したものがあれば身近においてもらいたい”
との思いから、何かできないか、話し合っているうちに生まれたものでした。

また、通常の刻字の展覧会とは違い、作品を鑑賞していただくだけではなく、より刻字に親しんでいただける機会になればとの思いでチャリティーコーナーを設けることにしました。
そして、チャリティーコーナーの売り上げは、泉の森会館を通して、”あしなが東日本大震災遺児支援募金”に寄付させていただきました。

刻字ポスター

何故ここでー
ちょうど4人展メンバーの一人がここの館長を務めていること、
地域密着型のギャラリーで日頃から色々な教室や催しをしているので、刻字を知らない方でもふらっと入っていただけるのでは 
との思いからでした。

このグループ展はチャリティーも兼ねていたので、地元の方をはじめ沢山の来館者があり、刻字を知ってもらえるよい機会にもなりました。


さて、ここからがはじまりです!!

この展覧会に来てくれた私の従兄が、作品を購入してお知り合いの病気がちの方にプレゼントしました。

作品はこちら 「日・月」 

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ー太陽が昇り ”日” が支配する昼の世界から、”月” が主役に代わる夜の世界への 時間の移ろいー
を表現した作品です。

作品をお渡しした時の従兄からの報告
”昨日夕刻前に作品をお渡ししました。
作品を手に取ると、刻面を指でなぞりながら、凄い凄いを連発してました。
自宅に戻ってからしばらくして、作品を横に置いたまま寝てしまったようです。
久しぶりにグッスリ眠れたようです。”

そしてご本人からのお礼のメール
”改めてたいへんな作品を頂いたことに感謝致します。
昨夕、日没と共にすっかり寝落ち。。。作品を眺めていると凄いパワーを感じます。
海じゃなくて空だったかなー、、、など、本物を眺めるってこんな凄い事だったんだと思いました。
毎日一度はじっくりと眺めようと思っています。
感謝の気持ちをよろしくお伝え下さい。”


そうか、このお客様は作品を指でなでながら、作品(材料は桂の木です)からパワーを感じてくださったんだ!!

たまたまこの作品が額に入っていなかったのも良かったのかもしれません。


そこで閃いたんです。

それまで、考えたことがなかったのですが、刻字には、目で見て鑑賞するだけではなくて、手で触った触感を味わっていただける、という潜在的なポテンシャルもあるのでは(木がもっている生命エネルギーもあるかと)

それならば、例えば視覚障害のある方で、書を目で鑑賞することはできなくても、それを彫って刻字にすれば、書の芸術性を触覚を通して味わっていただけるのではないかと。


ただ、これをどう具体化していったらよいのか

ずっと心に秘めたまま、このあと一年の歳月をすごすことになります。









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