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触覚書道刻字プロジェクト(0)刻字ってご存知ですか?

まず、このストーリーをはじめるにあたって

”刻字って何? 篆刻とは違うの?” ってよく言われるんです。
書道をやっていても、刻字を初めて知った という方も。

私がやっている刻字は、
自分で書いた文字を木に写して、文字の部分を残して周りをほったり(凸彫り)、逆に文字の部分を彫り込んだり(凹彫り)して、彫った部分に色をつけたり、字に箔を貼ったりして一つの芸術作品として仕上げていきます。
これを”自書自刻”と呼んでいます。

篆刻はハンコなので左右逆に彫りますが、刻字はそのまま鑑賞するので
書稿(最初に墨で書いたもの) をそのまま彫ります。

日本で約50年くらい前にこの”自書自刻”の運動がおきて毎日書道展の中に書道の新しい部門として取り入れられ、日本刻字協会という団体が設立されました。

このあたりの歴史的背景は、こちらのブログに書いてます。

私が刻字と出会ったきっかけは、中学のときから家の近くで習字を習っていた先生がこの刻字協会の設立にかかわられた方で、大学生の時に刻字の面白さを教えていただきました。
その時以来、書道とともに刻字を今まで続けてきています。


では、実際に刻字はどのようにして作っていくのでしょうか?
(音楽が流れます)

書道は瞬間の作品、
それに対して刻字は、子供を育てるように時間をかけ、色々な工程を経て一つの作品を作り上げていきます。
なので、もし同じ書稿から出発したとしても、彫り方・彩色などで全く異なった印象の作品になるのです。

この時間を取り込むということで、制作しているときに起きたことや想いが作品に自然に注ぎ込まれていきます。
後にその作品を見た時に、走馬灯のようにその時の想いがよみがえってきたりします。

いかがだったでしょうか?

へー、刻字ってそういうものなんだ
と少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。


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