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フロ庭通信!No.17

第17回はミキ役、藤井愛希子さん!

撮影:村上信六(三等フランソワーズ)

藤井愛希子(ふじいあきこ)
大阪府出身
1994年9月15日生まれ
おとめ座
"あっこ"と呼んでもらうと嬉しいです。
白い食べ物はだいたい好きです。
特に白米を愛しています。
日課はハムスターの吉田くんと触れ合うこと。
ハムスターの裏側のにおいは日常を潤わせます。
突然思い立ち、突然OLを辞めて、突然小劇場の世界へ飛び込み、色々あって今に至ります。


— とうとう12月に入りましたね。
あと二週間ちょっとなんですけど、意外と……ステージングのとかの稽古もあるし、それだけでも結構ちゃんと稽古しなきゃいけないなあっていうのが、昨日の稽古見て思ったりして。意外と、個人個人のお芝居を試せる時間っていうのが、限られてきたっていうか。多分本当に数えるくらいしかないんだろうなって。ちょっと、焦りつつ。そろそろ固めつつ、みたいな感じで探ってます。

— 今回の公演の見どころは?
たぶん大筋を見ると、ユウコの心の変化とかがいちばんお客さんが見やすいというか、一番注目しやすいとこだとは思うんですけど、周りの学生とか先生方もドラマチックじゃないですか。ドラマがそれぞれにあるんで、いろんなとこ見て欲しいなって。ここが会話してても、あっちでもすごいリアクションあるよ!みたいな。そういうシーンも結構あるんで、チラチラ(笑い)見てもらいたい。

— あっこさんといえば、(本作品のモデルの看護学校のある)舞鶴にも行かれてたり。研究家ですよね。
いや、ほんとにわからなすぎて(笑い)お母さんが看護師とかだったら、もっと身近にわかったのかもしれないですけど、私はそんなに身近じゃなかったんで。とりあえず、舞鶴に行って。空気を感じようと思って。なんか、病院の近く歩いたら、川が流れてたりとか、病院の近くにはコンビニがなくて。やっぱり車で降りていかないとお店がなかったりとか。そうかそうか。と思ったり。そりゃなんか、ここの人間関係がこじれるよなっていうか。ここに集結してるから……劇中も合コンが話題に上がったりしますけど、そりゃ合コンもしたくなるかって(笑い)出会い、ないですからね。

私去年、手術して、入院したんですけど。子供の頃からほぼ病院にかからずに元気に育ってきて。で急に去年、病気して……こみこみで二週間くらい?入院して。ほんとに病院に行くことがない人生だったので。たまに体調崩して、とかはあっても、通ったりとかは全然なかったんで。だからその入院で、看護師さんとかお医者さんっていう医療関係の方と、しっかり関わる機会がほぼほぼ初めてくらいであったんですけど。
おんなじ病室に入院してる患者さんで、看護師さんに対してえげつない暴言を吐く方がいて。やってもらってるとかっていう感謝も最初はあるとは思うんですけど、でもそれが当たり前になってきて、エスカレートして……もっとこうしてよああしてよとか、こんなにしんどいのにとか、ぶつけられる身近な存在って看護師さんなんだなって。で、私が入院した時がちょうどコロナ渦だったんで、面会が一切禁止やったんですよ。だから看護師さんとかお医者さんとかとしか会わないわけじゃないですか。私は、入院期間も短いほうやったけど。一番不満をぶつけるって相手が、そうなるんだろうなっていうのは、わかるんですけど。そんなこと言われるんや!っていうか。お医者さんはお忙しいからそんなに会えないんですけど、看護師さんは常にいらっしゃるじゃないですか。ていう部分で、こんな……なんていうか、思ってたよりしんどい仕事っていうか。こんなことも言われるんやっていうのが結構衝撃的で。


術後とかって動けないから、体とかも清拭をしてもらったり、代わりにお茶汲んでもらったりとかが、個人的にはその入院が初めてやったんで、すごい申し訳なくて。なんか、もう、そんなことまでやらせてしまうのかっていうのが、ほんと……汚いのにすみませんみたいな気持ちになって。看護師の友達と元気になってから喋る機会があって。大変な仕事やなあって言ったら、「いや、毎日やってるからなんとも思わんけど」みたいなこと言われて。そういう感じなんやって思って。やっぱプロの方なんで、割り切ってると言うか、やるべきことみたいな感覚で、やってはるんやなっていうのが。
医療って、聖域っぽい感じのとこ、あるじゃないですか。でも意外と、汚い仕事が多いし、辛いこととかも多い仕事だなあって思って。その中で、看護学生も、生き残れるかどうかって、結構あるなって思ってて。実際ついていけない子も、そりゃいるなって。看護師さんとして働いてる方って精鋭っていうか、生き残りなんだなって。「全然大丈夫、いつもやってるから」って、ね。お腹を開けて臓器を見るってことに対しても、「別になんとも思わんけど。普通やで?」みたいな感じで言ってて。私たちが想像する学生ってなんかもうちょっと「きゃー怖っ」とかって思うんかなって。けど看護学生はそういう仕事として選んで来てるから。臓器を見たりとかお腹を開けてとか血が出るとか、そういうことに対する抵抗が、わりとない?みたいで。仕事と思ってるからなのか、わからないですけど。それって凄まじい精神力だなって。私の想像してる看護師と、めちゃくちゃ違う!って思って。そのへんが、なんだろ……この台本で看護学生やるにあたって、どこまでその乖離を埋めれて、役に近づけるかっていうのが結構大事やなって思いました。

— ミキの人物像は?
最初高橋さんに言っていただいたのが、ユウコに対して遠慮してるっていう。その「遠慮」っていうのが自分の中ですごい腑に落ちたと言うか。ミキに決まってから改めて台本読んで、印象的だったのが、都度「ありがとう」を言う子だなって。お母さんの育て方なのか、なんかわかんないですけど。そういう、素直さというか、謙虚さもありつつ。ユウコに対して行ききれない部分があって。それが「遠慮」って言葉でちょっと腑に落ちたと言うか。なかなか、ちゃんと言わないじゃないですか。同級生相手とかに「ありがとう」って。でもそこをちゃんと言う子なんだなあって。私の中で、ミキ像みたいな筋が通ったと言うか。

— ミキとあっこさんの共通点
あたしも結構、人に対して遠慮するかもなあって意味では、共通してるなって。なんかこう、一歩踏み込んでいいのかとか。相手がどう思ってるとか、どう見てるっていうのを意識しすぎちゃうとか。自分が動くことによって、お母さんがどう思うのかとか。周りを見すぎて動けなくなってる、みたいな感じがちょっと似てるなって思いますね。気にしすぎて動けないみたいなことが、私もあるんで。

— 今回の公演への意気込みを!
私は、虚空旅団さんには『春はやて』って作品でほんとは出る予定だったんですけど、公演中止になってるんで、実質初めてなんですけど。高橋さんの作品はいろいろ見させていただいてて。どれもこう……あったかいけど、ちょっとひやっとするような人間関係のリアルさみたいなのもありつつ。でも見終わった後に、ちょっとあったかくなって、持って帰れるような。そんなところがいいなと思ってるので。今回もいろんな人のドラマがあるんで、誰を見るかによってもちょっと違うかもしれないんですけど。でも一貫して、悲しいこととか辛いこともありつつ、希望があるお話だと思うので。そういうところを、表現できたらなあというか、感じてもらえたらなあと、思っております。

あっこさんありがとうございました!

文:足達菜野
撮影:山下真実

『フローレンスの庭』
2022/12/16(金)~18(日)
* 16(金):19:00-
* 17(土):13:00- / 18:00-
* 18(日):13:00- / 17 : 00-←new!
※受付は開演の60分前、開場は開演の30分前
会場:アイホール
 特設ページ↓ ご予約はこちらから!
https://kokuuryodan.jimdosite.com


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