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フロ庭通信!No.24

上演間近の直前特別号!
第24回は虚空旅団主宰であり、本作の作演出をされている高橋恵さんにお話伺いました。

— いよいよ小屋入りですが、手応えいかがでしょうか。
手応えは、そうですね。自分がお客さんだったらと思って私が見たときに、面白く見れるんじゃないかというふうには仕上がってると思います。

— 『フローレンスの庭』初演は15年前。今回再演を決めた経緯は?
再演を決めたのは、去年のアイホール存続問題が出たときですね。今は3年間一旦継続っていう結果になって、こうやってお芝居できるんですけど。本当に、使用用途が変更になる可能性が出てたんですね。なので、アイホールが劇場ではなくなってしまうかもしれないと聞いた瞬間に、すぐ予約を入れて。お芝居をしよう、演目はフローレンスにしようと。その時点で決めてました。だから、去年の夏くらいですね。

— 『フローレンスの庭』にしようという、決め手は?
自分にとって劇作家として認めてもらえたような気がするのが、この『フローレンスの庭』だったんですね。初演当初、劇団でお芝居は年に1回とかやってたんですけど、劇場制作……つまり、劇場が、企画制作をしてくれるお芝居の作品だったんですが、そういう関わりかたっていうのが初めてだったんですよ。自分の劇団で、自分で書いたものを自分で演出して、小さい50人以下の小屋でやるっていうのはあったんですけど。アイホールが作ってくれるお芝居に、書き下ろしをさせていただくっていうのが初めてで。そうすると、企画書の書き方だったり、記者会見だったり、稽古場にいる人たちに劇作家としてどういうふうに何を言ったらいいのかっていうのとか、演出家といっしょに作品を作ることとか。そのときにあらゆる初めての経験をさせてもらったんですね。それがその後いろんなお仕事させていただく上で、一番ものすごく勉強になったんで。自分を劇作家にしてくれたお芝居だなというふうに思うんで、これをしようと決めました。

— 『フローレンスの庭』執筆のきっかけは?
アイホールさんから企画の段階で、群像劇にしてほしいというふうに言われてました。で、全キャストオーディションになりますというのも、聞いていて。で、そうなると、たぶん女性が多いだろうなっていうのと、若い人が中心になるような感じにしたいというのも、演出の岩崎さんと、アイホールさんから言われたオーダーだったんですね。で、どこを舞台にしたらいいんだろうな、まあ学校がいいかなと思ってたんですけど。
ちょうど、うちのその時いた劇団員の旦那さんが、看護学校の事務員というお仕事をしてまして。それまで病院付きの事務の人だったのに、同じ病院の付属の看護学校の事務のほうに配置転換になって、そしたらそれまで嫌々病院行ってたのに、看護学校になったら喜んで行くようになって腹が立つっていうのを聞いて。なんか、そんなに若い女の子がいいのかみたいなやきもちを焼いてるという話が面白いなあと思って(笑い)

そっから看護学校ってどんなとこだろうと興味を持って。エピソードに出てくる注射打ちあったりっていう話とかも、看護師になった友達から聞いてたので……多分過酷なんだろうな、いろんなドラマがあるだろうなって。成長譚としてはとてもいいんじゃないかということで、これを選びました。
— 稽古中にも、ヤヨイちゃんとかにはモデルがいてって話もされてて。結構取材もされたとか。
本とか文献もあたるんですけど、執筆の際、期間的には結構あったので、取材はたくさんさせてもらいました。実際に看護師だった人、やめた人とかも含めて、いろんな人に、とにかく知り合いがいたら紹介してほしいってお願いしてお話を聞いて……たぶん24、5人には聞いたと思います。

— この作品を作るにあたって大事にしたこと
キャラクターが22人で、いっぱい出てくるんですけど、なるべく全員に見せ場を作ろうと思いました。エピソードと見せ場を作ろうって。
— 再演になって追加したシーン
最初に上演されたのが15年前の2007年で、しかも物語として描かれてる時代は2004年なんですよ。それをそのままやってもいいんですけど、今医療物をやるときにコロナのこと全く触れずに、昔こうでした、みたいな話のままするのはちょっと……なんで今この『フローレンスの庭』を再演するの?って。それを考えたときに、このままでは足りないなあと思ったので。
あんまり、直接何かが起こったときにその後すぐ書くっていうタイプではないんですけど、さすがにちょっとコロナのことは。触れないといけないなあと思ったので、書きました。
— 意気込みを!
追加公演を決めたので、お客さんが来てくれたら嬉しいなと思ってます!

高橋さんありがとうございました!
『フローレンスの庭』はいよいよ明日、開幕です!

文:足達菜野
撮影:山下真実

『フローレンスの庭』
2022/12/16(金)~18(日)
* 16(金):19:00-
* 17(土):13:00- / 18:00-
* 18(日):13:00- / 17 : 00-←new!
※受付は開演の60分前、開場は開演の30分前
会場:アイホール
 特設ページ↓ ご予約はこちらから!
https://kokuuryodan.jimdosite.com



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