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Day.2 第六の幸福をもたらす宿

30days song challenge、二日目のテーマは「数字が入った好きな曲」。本日は吹奏楽が好きな人ならばきっと一度は出会う「第六の幸福をもたらす宿」をお送りします。

わたしがこの曲に出会ったのは中学生の頃、コンクールの自由曲の候補の一つとして譜面を手にしました。
作者であるマルコム・アーノルドは映画音楽を多く手がけた人物であり、今曲は映画「The Inn of the Sixth Hapiness」(邦題「六番目の幸福」)の劇中曲として作曲・編曲されました。タイトルの「第六の幸福をもたらす宿」とは、主人公が劇中で営んでいた宿の名前であり、「第六の幸福」とは中国の書経に登場する五福(長寿、富、健康、徳、天命)に続く六つ目のことを指しています。

映画「六番目の幸福」は、第二次世界大戦中に実在したキリスト教宣教師グラディス・エイルワードをモデルにしている。ヨーロッパから遥か遠い中国へ単身訪れたグラディスは、迫り来る戦火や多くの苦難、文化や信仰の違いを乗り越えて布教と市民救済に尽力した。

楽曲は、イギリスを発つグラディスの決意を表すI.ロンドン・プレリュード、現地将校リン大佐との恋を描いたII.ロマンティック・インタルード、迫り来る日本軍から孤児を連れて見事に逃れるⅢ.ハッピー・エンディングの三楽章構成になっています。

第三楽章で日本軍から逃れるシーンでは、緊迫した重低音の後に、スネアドラムとピッコロが軽やかに奏でるマザー・グース「This Old Man」が印象的。(日本でも、カルビーのCMソングに起用されたこともありました。)
最初は小さく可愛らしく、何度も繰り返されるメロディは調子を変え楽器を変え、第一楽章の「決意のテーマ」を対旋律にしながら大きく盛り上がり、ハッピーエンドへと向かって行きます。

第六の幸福が具体的に何であるかは、劇中で明確に示唆されていません。グラディスにとってはおそらく、自分の道を貫くための「勇気」や「信念」、大切な人たちとの「愛」だったのではないかなぁと思っています。六番目の幸福はきっと人それぞれ違った形をしていて、追いかけた先にあるものかもしれないし、ひょっとしたらもう最初から手の中にあるものかもしれません。

わたしは、、、何だろう。やっぱり家族や友達、周りの人たちかな。たまに一人になりたい時もあるけど、嬉しいこともちょっと悲しいことも半分ずつして生きていけたらいいなぁって思います。

なかなかお出かけもきびしい大型連休、映画と一緒に第六の幸福を探しに行ってみてくださいね。


喫茶店に行ってきます〜