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Day.4 絵のない絵本

30day song challenge」、四日目のテーマは「忘れたい人を思い出させる曲」。
本日は、クラリネットアンサンブルの一曲「絵のない絵本」をお送りします。

忘れたい人は、あの頃の自分です。初めてアンサンブルを組んでコンクールに出た、高校1年生のわたし。
このアンサンブルは1年生がわたしだけで、正直先輩に助けてもらえることが多くて。それほど難易度も高くないパートだったし、先輩も優しい人たちばかりでした。

練習は結構ハードだったけど、気分的にはぬくぬくとやっていたと思います。そこまで突き詰めなくても、先輩たちと楽しく音楽できればいいやぁ、みたいな。

そのツケが回ってきたのかなぁ、コンクール本番、1:15あたりで一瞬だけ自分一人になる箇所で、音が出なくなりました。何も難しくない、ただ息を吹き込めば音は出るはずなのに、大きな会場に呑まれたのか「カシュ・・・・ン」みたいな音しか出なくて。お腹の辺りがヒュッて冷たくなって、頭がフワフワしました。そのあとのことはもう朧げですが、練習の通りにはできなくて、自分がやりたい音楽ではなかったことを覚えています。結果的に上位大会へ駒を進めることはできましたが、会場から帰るバスの中でぽろぽろ泣いて、帰ってからもポロポロしてました。


やっぱり、物事を楽しむには強さや技術がいるんだと思います。音楽は優劣を競うものではなくて各々が好きに表現すればよい、という意見もあると思うのですが、好きならばなおさら上手になりたいと思うんじゃないでしょうか。吹けなかったフレーズが吹けるようになった、自分以外の誰かと綺麗なハーモニーを作ることができた、バンドの音がひとつに聴こえた、、、そういう瞬間があるから、音楽は楽しいんだと思います。


さてちょっと話が逸れましたが、部室に帰ったわたしは次の日から先生と先輩たちから実に様々な矯正を施され、無事に「カシュ・・ン」から卒業いたしました。笑 
とはいえ、初めての舞台で盛大に失敗したことは今でも闇にしまっておきたい思い出ナンバーワンなので、今でもこの曲を聴くとすこーしだけ苦味のある気持ちになるのでした。

おしまい。

喫茶店に行ってきます〜