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Day.1 ラプソディー・イン・ブルー

Twitterで見かけた「30days song challenge」、記念すべき一曲目はジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」をお送りします。

この曲を聴くといつも、深い海の底にいるような、紺碧の空にそびえる摩天楼を眺めているような、落ち着くようなワクワクするような、相反する不思議な気持ちが沸き上がってきます。

クラリネットとトランペットソロ、オールマイティな天才バーンスタインの弾き振り、ドンガチャ騒がしい金管群と陽気に突っ込んでくるトロンボーン。奔放なピアノと柔らかいホルン、きらきら光る音の粒が合わさって16分半の音楽になっていく。
まるで国籍も性別も、年齢も肌の色もさまざまな人たちとすれ違っていくような感覚で、歩いたこともないニューヨークの街にいるような気持ちになれる。このことが、ラプソディー・イン・ブルーが「アメリカ音楽」の代名詞として語られる所以なのでしょう。


1976年、指揮も作曲もピアノ演奏も何でもできる巨匠バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニーのヨーロッパツアーで行なった演奏が、個人的に一番好きな音源です。
16分間と割と短い部類なので、ぜひとも聴いてほしいなぁ。(以下、ちょっとした見所をご紹介します〜)

0:00 〜 曲の印象を8割方持っていくクラリネットソロ。運指と肺活量どうなってるんだ〜…自分も同じ楽器を吹いているとは思えない程に妖艶で凄絶。知っているかい、クラリネットはあのコンパクトさで約4オクターブもの音域をカバーできるんだよ。

1:25〜 バーンスタインのピアノはなんて表情豊かなんだろう。指先のタッチだけで、静と動、まったく違う世界に惹きこまれるよ。この人が生きた時代に生まれたかったな。

2:00〜 いや、始まらんのかーいっ。でも後ろでうごうごしているバスクラリネットが可愛い。

3:42〜 金管楽器のフラストレーション大爆発。

4:16〜 トランペットのフラッター最高にかっこいいね。バンド全体のダイナミクスの変化が大好き。

5:45 高校の頃、このソリストたちの「ふわんふわんふわわ〜〜〜ん」に憧れて、ベルをぷかぷかする人が続出した。

8:00〜 ここのピアノソロ、最高に好き。ピアノじゃなくて、渋いイケメンが柔らかくメロディを口ずさんでいるような錯覚さえ起こしそう。

10:12〜 心がふわふわ柔らかくほどけていくような美しさ。そして汗だくのバーンスタインがかっこいい。

13:20〜 ここからは楽しさ満点のパッチワーク。ラストに向かって豪快に突っ切るバンドと、連発するシンバルが気持ち良さそう。


うーん、いい曲だ。みんながこの曲を聴いた時、どんな青を感じるのか、聞いてみたいです。

喫茶店に行ってきます〜