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Day.6 ブエノスアイレスの春

「30day song challenge」、六日目のテーマは「踊りたくなる曲」。ということで本日は、ピアソラの「ブエノスアイレスの春」をお送りします。


作曲者のアストル・ピアソラは南米の国アルゼンチンの出身ですが、その首都がブエノスアイレスです。「ブエノスアイレスの春」は他にも夏、秋、冬の3曲があり、南半球にあるアルゼンチンでは1月(夏)から1年が始まることから、連曲としてはこの「春」が一番最後に演奏されることが多くなっています。

しかし情熱的なメロディと力強い伴奏が聴衆をぐいぐいと惹きこんで、シリーズの中ではもっとも演奏される頻度が高い一曲です。不協和音をあえてぶつけることで生まれるアルトのハーモニーとバリトンの低音、ソプラノの軽やかなメロディ、テナーの流れるような中間部(ねっとりとした弦楽器のような伴奏が最高に好きです)・・・特に4:42〜のソプラノのソロは赤い衣装をまとった踊り子が石畳を鮮やかに舞っていく様子が目に浮かぶようで、自然に体がリズムを刻んでしまいます。

踊りのための音楽であるタンゴにアメリカのジャズやクラシックの要素を取り入れ、本場アルゼンチンでは「踊れないタンゴ」と酷評されていたピアソラですが、旧態のタンゴをぶち壊したからこそ、甘く切ないだけでなく命を燃やすように狂おしく舞う踊り子の足音がわたしの耳に聴こえてくるのでしょう。


より本場の音を味わいたいならば、こちらのバンドネオン奏者である小松亮太氏の演奏もオススメです。バンドネオンはアコーディオンと似た構造を持つ楽器で、左右に並んだボタンと蛇腹の押し引きによりメロディと和音を巧みに弾き分けることができます。空気の流れまで感じ取れるような独特の音色と、不協和音をぶつけ合う迫力ある演奏を、ぜひ一度聞いてみてくださいね◎

喫茶店に行ってきます〜